会報「ゆきしろ」79号

(令和元年6月発行)


 この「ゆきしろ79号」は平成30年10月1日~平成31年3月31日までの分を掲載しています。




     第79号
(発行者)
 社会福祉法人 富山県視覚障害者協会
 〒930-0077
  富山市磯部町3丁目8番8号
 電話 (076)425-6761
  Fax (076)425-9087
 Eメール:bcb05647@nifty.com
 Homepage:http://www.toyama-ssk.com
(発行責任者)
 会長  塘添 誠次


 上の題字は 鶴木大壽 氏によるものです。

【ゆきしろ(雪代)の意味】

 雪国にあって、大地が春の雪原と接する部分で静かに融けはじめ、しずくとなり、やがてかすかな流れをつくり、それが集まって春のはじめの雪どけ水となって音をたてて大河に注ぐ様を、古くから俳句における春の季語として「雪代(ユキシロ)」とよばれています。
 当協会が、このしずくが集まって大河をつくるように大きく発展していくよう、願いを込めて命名いたしました。



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【ゆきしろ79号 目次】


《巻頭言》
◆点字を活かして業務拡大、QOLの向上を!

会長 塘添 誠次

《大会参加報告》
◆第27回北信越サウンドテーブルテニス大会

サウンドテーブルテニスクラブ 部長 池田 一義

◆平成30年度日本盲人会連合北信越ブロック大会

会長 塘添 誠次

   ★青年部・スポーツ協議会

青年部副部長 濱野 昌幸

   ★女性部協議会

女性部部長 柳田 信子

   ★講演会

副会長 安田 庄内

《事業報告》
◆第42回視覚障害者文化祭・福祉機器展

文化部部長 高島 ヒサ子

◆三療研修会

副会長(施設担当)・三療部会長 堀 惠一

◆三療部会だより

三療部会長 堀 惠一

◆平成30年度更生相談会

厚生部 山内

◆理事会・臨時評議員会・合同会議

総務部部長 佐生 秀一

《みんなの広場》
◆第15回全国視覚障害者卓球大会に参加して

富山支部 林 大志

◆第18回全国障害者スポーツ大会に参加して

富山支部 林 大志

◆「ダメ元」での私の発言

高岡支部 関川 禮子

《事務局から》
◆消息

◆受賞

◆時事暦

◆2019年度の主な行事予定

《編集後記》

文化部部長 高島 ヒサ子




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《巻頭言》
◆点字を活かして業務拡大、QOLの向上を!

会長 塘添(とうぞえ) 誠次(せいじ)

 昨年、国で障害者雇用率の水増しが発覚しました。国は民間企業に障害者雇用率を達成するように促し、未達成の企業にはペナルティを課しておきながら、国は障害者でもない人を障害者だとしてカウントし、雇用率を達成していると言っていたのです。その不足分を急きょ採用しようとしています。

 国は、募集において視覚に障害のある者には「試験は点字や音声等による実施や、試験時間の延長を行うこと」とし、また、採用後は「拡大文字、音声ソフト等の活用により業務が遂行できるようにすること」としています。これにより、点字受験や音声読み上げソフトを使ったパソコンで受験できるようになるでしょう。

 この水増しはその後、各都道府県並びに市町村でも恒常的に行われていたことが判明し、富山県も同様で、県及び多くの市町村で雇用率を達成していないことが判明しました。このことを踏まえ、公務員採用試験が行われます。視覚障害者の中から試験に合格し、採用される人が出てくることを期待しています。

 ところが、ここで一つ心配になることがあります。それは、富山県において公務員の採用試験で点字受験が認められているのは、現在のところ県と射水市だけなのです。

 平成28年4月1日に国では「障害者差別解消法」が、県では「障害のある人の人権を尊重し、県民皆が共に生き生きと輝く富山県づくり条例」が施行され3年が経過したのですが、この点字受験が射水市以外の市町村では検討すらもされていないのです。点字受験を認めないのは間接的差別に当たりますので、当然合理的な配慮として点字受験が認められるようにならなければなりません。

 ところで最近は、「点字離れ」というか、点字の読めない視覚障害者が増えてきているといいます。私は、墨字が見えている間は色々な補助具を使用し、残存視力を生かす工夫をするのは当然だと思います。しかしながら、もしも墨字が見えなくなったら、点字を覚えることをお勧めします。

 とかく録音機器やパソコンがあれば、点字は必要でないと言われる方がおられますが、本当でしょうか。どんなに便利な機器が開発されても、晴眼者はパソコンができても未だに鉛筆やボールペンなどの筆記用具を手放しません。視覚障害者にとって、これに代わるものは点筆です。記憶に頼るだけでなく、自分にとって大事なことを点字でメモができるというのは素晴らしいですよ。

 近年、中途失明者が増えています。その原因として緑内障、糖尿病性網膜症、網膜色素変性症などがあげられますが、多くの場合、中高年になって、墨字が読み書きできなくなるようです。そこで、「いまさら」とか、「この年になってから」とか、「頭が悪いから」などと言って、点字を覚えることを拒まれる方がおられます。しかし、点字を覚えられるかどうかは、そんなことではなく、どれだけ時間をかけ触ったかであり、根気よくやれば覚えられるのです。

 ある盲学校の先生が「60歳を過ぎると点字は覚えられない」と言われたことがあります。私は「そんなことはない。覚えられる」と反論しました。何故なら60歳を過ぎて点字を覚え、読書を楽しむようになられた人をたくさん知っているからです。

 点字は、あきらめずに粘り強くやれば覚えられるのです。その証拠に、文明の機器がなかった時代の我々の先輩の殆どが点字を覚えられたではありませんか。今の私達が覚えられないはずはないのです。一日の中には、無為に過ごしている時間があるはずです。その時間を有効に使えば、点字を覚える時間がつくれます。

 さて、視覚障害者が音声読み上げソフトを使ったパソコンでの受験が認められ、公務員採用試験や一般企業の採用試験で合格し、採用された場合、何とか工夫し、墨字の読み書きができる人はよいのですが、不可能な人は点字を習得していなければメモがとれず非常に困るのではないでしょうか。メモを録音でしていても、それが多くなるとどこに録音していたか分からなくなります。その点、点字でメモを取っておくと飛ばし読みができます。また、事務職として県や市町村の職員に採用された場合、これまで行政からのお知らせは墨字で出されているのが当たり前になっていますが、合理的な配慮として墨字の読み書きできない視覚障害者には点字のお知らせを出すとか、一般企業の事務職に採用された場合は、例えば薬品会社であれば薬の効能書きが、電化製品であればその説明書が点字化されたものがなければなりません。点字を習得するということは、職場における業務拡大、自分の存在価値も上がるのです。

 以上、今回は点字の有用性を書きましたが、点字を活かして業務の拡大、QOLの向上を図りましょう!



《大会参加報告》
◆第27回北信越サウンドテーブルテニス大会

サウンドテーブルテニスクラブ 部長 池田(いけだ) 一義(かずよし)

 平成30年10月20日、21日の両日「第27回北信越サウンドテーブルテニス大会」が石川県金沢市で開催されました。

 富山県チームは、男子の部「アイマスクあり」が中西、塘添、林。「アイマスクなし」が池田。

 女子の部「アイマスクあり」が柳田、徳市、村田、中田、太田。「アイマスクなし」が赤石。審判の鳥崎さんとで合計11名で参加しました。

 20日午後1時から開会式の後、個人戦が行われ、女子「アイマスクあり」の部で徳市選手が優勝、村田選手が3位に入賞しました。他の選手は一生懸命頑張りましたが、惜しくも入賞をのがしました。

 21日は団体戦が行われ、富山県チームは3チーム出場しました。残念ながら3チームともに頑張りましたが惜しくも入賞をのがしました。

 来年度は富山県が開催県なので、練習を積んで入賞を目指して頑張りたいと思います。



◆平成30年度日本盲人会連合北信越ブロック大会

会 長    塘添 誠次

 平成30年11月24日(土)・25日(日)の二日間、約150名が参加して、新潟県の「アートホテル新潟駅前」において平成30年度日盲連北信越ブロック大会が開催されました。富山県からは県の福祉バスを利用して17名が参加しました。

 今回は開会式の後、「あんま師等法19条を守る決起集会」が行われました。これは11月11日に東京、大阪、仙台そのほか全国各地で19条を守る決起集会が行われ、多くの参加者を得て盛大に開催されたことを踏まえ、北信越ブロックとしてもこのブロック大会に併せて決起集会新潟大会が計画されたものです。

 まず、竹下会長より基調報告があり、その後アピール文を採択。そして、北信越5県で募金活動で集まった10万円を小山ブロック長より竹下会長に手渡されました。更に東京地方裁判所裁判官に点字用郵便を利用した要請活動(各県50通、合計250通)を進めていくことが確認されました。

 終了後、代表者会議、青年部協議会、女性部協議会・研修会、スポーツ協議会、25日は竹下会長の講演、全体会などが行われました。

 以下に会議・講演について報告します。


★1 代表者会議(塘添)

 各県出席者の自己紹介に始まり、開催県代表挨拶、日盲連理事会の報告、あはき協議会の報告がなされた後、議事に入りました。

 議事では、来年札幌市で開催される全国盲人福祉大会への提出議題として長野県から1題、新潟県から2題が提出されました。

 ① 災害時における障害者等の要配慮者避難支援について、各都道府県単位で地域性をとらえた避難マニュアルを早急に策定し、策定にあたっては当事者を策定委員会に加えることを要望する(長野県)

 ② 視覚障害者が自立と社会参加を目的に居住地で専門職による質の高い生活訓練、歩行訓練を受けられるよう環境整備を要望する(新潟県)

 ③ 視覚障害者の自立と社会参加を促進するため、視覚障害生活訓練等指導員(歩行訓練士)の配置基準を定め、どこでも歩行訓練が受けられる環境を整備するために歩行訓練士の養成と就職先の拡大を要望する(新潟県)

 討議の結果、①は要望文を一部修正、②と③を一つにまとめ修正することで採択されました。

 次に「光の泉賞」の候補者の推薦について討議され、新潟県の協会監事である高橋(たかはし)博美(ひろみ)さんの奥様の高橋幸子(ゆきこ)さんを推薦することになりました。

 その後、各県情報交換会では日盲連青年協議会委員の選任についての討議がなされ、読書バリアフリー法の制定に向けたブロックの活動が報告されました。そして、本県からは富山県が取り組んだ「国際シンボルマーク」を災害時に活用した普及啓発活動報告を山内副会長より行いました。

 最後に2019年度の北信越ブロックの行事予定が報告されました。

 ① 第72回全国盲人福祉大会

   5月26日(日)~28日(火) 札幌市

 ② 第46回北信越グランドソフトボール大会

   5月18日(土)・19日(日) 石川県

 ③ 北信越ブロック会長会議

   8月27日(火)・28日(水) 福井県

 ④ 第28回北信越サウンドテーブルテニス大会

   10月26日(土)・27日(日) 富山県

 ⑤ 第5回北信越ブロック大会

   11月23日(土)・24日(日) 長野県


★2 青年部・スポーツ協議会(濱野)

 今年度は青年部協議会とスポーツ協議会を一体化して実施する新たな試みでした。スポーツ協議会を復活させた富山県としては、定例化していただけていることはありがたいと思います。参加者は北信越ブロック全ての県から12名で、新潟県の議事で進められました。

 青年部協議会では新潟県から提出された提出議題が承認されました。内容は視覚障害者の公務員採用を増やして欲しいというものです。また、来年度の全国委員を濱野が務めることも承認されました。

 スポーツ協議会では日盲連スポーツ協議会長である濱野から全国の現状報告をさせていただきました。内容は主に視覚障害者スポーツフェスティバルとブロック組織強化事業についてです。その後の情報交換はグランドソフトボールやサウンドテーブルテニスを中心に活発に行われました。

 今年度は時間的には会議時間がとても短かったのですが、その分、密度の濃いものになったと思います。


★3 女性部協議会(柳田)

 午後4時30分から協議会が行われました。全国委員の根本部長の進行で出席者の自己紹介を行い、続いて各県からの提出議題を協議しました。

 今回は「医療機関における病状の検査や、手術等の説明の中での書類について、代筆・代読がスムーズに行えるよう国のガイドライン等々で、決定して欲しい」。また、「視覚障害者が多く利用しているらくらくホン(ガラケー)もしくはそれに準ずる携帯電話の製造、販売を継続してほしい」と2題を提出することに決定しました。

 次に、来年度8月に行われます全国盲女性大会のレポート発表テーマを「投票について思ったこと、感じたこと」として、北信越ブロックからの提出議題と決めました。

 その後各県による情報交換をし、午後6時20分に協議会は終了しました。


★4 講演会(安田)

 「中央情勢について」と題して日盲連の竹下会長の講演を聴きました。内容を以下に記します。

 日盲連が持っている情報媒体は点字日報、声の広場、JBニュース、メール送信などがある。どのような形で定期的、ルール的、且つ皆さんと往復的に情報交換ができるか考えてみる必要がある。この事を前提に、この半年間の中央の動きを報告します。

1.国土交通省関係

 1つ目は今年4月から施行された新バリアフリー法改正法。各地域ごとにバリアフリー協議会を作って線から面になるような組織になる。

 鉄道事業者は年に1度バリアフリー化の事業計画を立てることが義務化され、具体的なガイドライン作りが始まった。

 2つ目はホームドアー、転落防止柵などの安全対策。全国に9500の鉄道駅があり、ホームからの転落者は年間約3千人。視覚障害者では多い年で約80人。子供、酔っ払い者、自殺者の順に数が多い。

 これらを全て防ぐことができるのはホームドアーである。現にホームドアー設置駅での事故はゼロである。ホームドアーの無い駅、無人駅の安全対策として、今の声かけ運動だけで良いのか?という議論をしている。

2.文部科学省関係

 読書バリアフリー法の具体化に向けた動きがあり、全国の公共図書館、点字図書館、サピエ、国会図書館、学校図書館の全部をネットワークでつなごうというものである。

 参議院法制局は読書バリアフリー法の要綱を作成した。「視覚障害者等の読書環境の改善を促進する法律」という名称になるようである。

 電子データをどこにいても利用できる環境を作り、専門図書やデイジー図書作成の専門家、支援者を養成し、障害者利用に対応できるよう、点字図書館が公共図書館を指導できるようにする。

 もう1点は文科省管轄の障害者スポーツの問題。東京パラリンピックに向けて、競技場だけでなく観客席などのユニバーサルデザイン化、障害者スポーツの裾野をどのように広めるか、具体化に向けた協議を進めている。

3.厚生労働省関係

 身体障害者手帳のカード化が進められる。IC化はされないようで、裏表が分かるような切り込みを設けるようである。

 あはき問題では、来年1月から正式に受領委任制度が始まるが、取扱者の研修の義務化、更新制度、あはき広告問題などが議論されている。視覚障害施術者への支援について、保険の取扱は晴眼者よりはハードルが高い。代読代筆サービスを施術所で利用できないか。視覚障害者協会が地域の施術所に支援者を派遣できるような制度を創設できないか。

 そして、障害者雇用問題。国は約4千人の障害者を水増ししていた。対策として、2年間で4千人を雇用する計画を立て、障害者だけの採用枠を設けた。600人ほどの正規公務員を採用するようである。

4.内閣府関係

 合理的配慮の提供は民間事業者においては努力義務になっているが、これを法的義務になるようにしたい。障害者を国家公務員として採用した時は、省庁が事業主として障害者職員の通勤支援を検討する方向にある。これは大きな進歩である。

 これまで、障害者の通勤については福祉の分野か事業主の責任なのか、はっきりしていなかった。そのため、同行援護事業は通勤には使えなかった。省庁が事業主として通勤の支援を考え始めた事は、通勤における支援に対して大きな道を開く事になる。

5.財務省関係

 消費税が10%になった時、障害基礎年金を加算する形でいくらか助成があるようである。手ばなしで喜べないのは消費税引き上げに反対の意見も大きいからである。

6.日盲連組織の動きについて

 3年計画で大災害時における視覚障害者の専門支援員を養成し、全国どこで災害が起きてもすぐに対応できるように基金を持ちたい。災害が起きてからカンパを集めていては遅過ぎる。

 全国的には障害当事者が災害避難訓練に参加できていない。各県ごとに障害者の支援員組織がすぐ立ち上げられる情況になってほしい。行政は要支援者名簿を作成したが、支援体勢が確立されていない。

 日盲連の名称変更については、改名検討委員会で話し合っているが、最終的には定款の変更をすることになる。

 教育問題について、盲学校の現状を常に意識する必要がある。2000人の生徒が更に減っていく。盲学校は存続できるのか。

 統合教育を受けている生徒には専門知識を持っている盲学校の先生の活躍が大切になる。統合教育でうまくいった人、統合教育から盲学校に戻った人、いろんな場合を考えて議論していきたい。

 昨日の代表者会議でも話が出たが、毎年100題程度の提出議題については体系化して整理していきたい。


 今回は主催県の松永理事長が入院加療のため、木村副理事長を中心に新潟県の皆さん、一丸となっての開催でした。しっかりと運営されましたことに感謝致します。来年は11月23日(土)・24日(日)に長野県で開催されることが確認され、閉会となりました。



《事業報告》
◆第42回視覚障害者文化祭・福祉機器展

文化部部長 高島 ヒサ子

 10月14日(日)第42回文化祭・福祉機器展が磯部の富山県視覚障害者福祉センターにおいて行われました。

 まさに秋本番、紅葉(こうよう)の便りもあちこちから聞かれる頃でした。天気は暑くもなく寒くもなくちょうど穏やかな日でした。多くのボランティアの皆さんの協力とセンター職員が一緒になって文化祭の準備を整えてくださいました。そこへ各役員が加わってその上たくさんのお友だちが来て文化祭を盛り上げていただきました。

 まず塘添会長の明るく弾んだ声であいさつがあり、そのあとすぐに10時すぎからYOUTAさんとyoshinoさんによる演奏や歌が何曲もはじまりました。

 音楽はピアノ演奏に色々な音を取り入れて組み込んだにぎやかな曲でした。ピアノだけの独奏もありました。

 YOUTAさんは視覚障害の方ですが、これまでに楽曲賞をなんと3度もいただかれたすごいプロの方です。曲想(きょくそう)は明るく弾むようで何かキラッと輝いているような音楽が多いように感じました。

 yoshinoさんの歌もいっぱい聴かせていただきました。『さくら』という曲はとても気に入り、今も私の耳に残っています。とても素晴らしい音楽でした。YOUTAさん、yoshinoさん、素敵な音楽をどうもありがとうございました。機会があったらまた聴かせてください。今後のご活躍も期待しています。

 午後からは、コーラス、民謡、カラオケと熱唱していただきました。特に今回はカラオケが皆さんすごく上手に歌われました。ここ視覚障害者福祉センターでもカラオケを始めたのでまた練習に来てください。皆さん素晴らしく頑張って、コーラスも民謡も一生懸命でした。どうもご協力ありがとうございました。

 お茶席も解説が素晴らしくて自然に引き込まれていきました。皆さんの懸命さが伝わって、素敵なお菓子とお茶で何とも言えない安らぎを覚えました。

 そのほか囲碁や漢点字のコーナーも出していただきありがとうございました。また、三療の皆さんには施術奉仕までしていただきボランティアの皆さんが大変喜んでおられました。

 福祉機器展のところでも防災グッズや新しいプレクストークなど一生懸命に見てくださったとボランティアさんから聞きました。皆さんの熱心さを本当に嬉しく思います。どうか来年もお一人でも多くの方に参加していただけるように願っています。

 優しいボランティアの皆さんと職員と役員の方々も皆さん一人一人の声が聞けるように、おいしいものもいっぱい用意して皆さんを待っています。どうか宜しくお願いします。

 文化祭を盛り上げていただくように心から願いながら点筆をとめます。ご協力ありがとうございました。



◆三療研修会

副会長(施設担当)・三療部会長 堀 惠一

 平成30年度の施設部と三療部会合同の三療研修会が11月11日(日)午後1時より富山県視覚障害者福祉センター和室にて13名の参加で行われました。

 今回は演題「医学史上の人物に学ぶ」と題して、講師・山内正一氏の進行・解説により[うさぎ追いし 山極(やまぎわ)勝三郎(かつさぶろう)物語]を鑑賞し、研究の困難を、家族や周囲の研究者達の協力もえながら克服していくその姿に、皆さん感動しながら見ておられました。

 いろいろな学びもあり、終了してからもその余韻が続いているようでした。

 博士はガンの発生原因をつきとめ治療法を見出そうとうさぎの耳にコールタールをぬってガンを発生させる、ガン圧迫刺激説の実験をすごい情熱で行われた。1949年、湯川(ゆかわ)秀樹(ひでき)博士の、日本人初ノーベル賞(物理学賞)受賞の約30年前の大正時代に世界で初めて、人工的な癌発生実験に成功し、その発生原因と治療法の解明に道を拓かれた功績を讃えノーベル生理学・医学賞の候補となり、幻のノーベル賞といわれていたそうです。

 今ではずいぶん研究が進み、いずれはガンも克服される時代になると思われますが、それにいたるまでの多くの研究者の皆様のたゆまない努力に改めて敬意を表し、感謝です。

 三療においても研究心を持っていろいろ考えながら、日々学びですね。



◆三療部会だより

三療部会長 堀 惠一

◎ 第3回三療部会

 平成30年11月11日(日)午前10時から12時、富山県視覚障害者福祉センター盲人ホームにて8名の参加で行われました。

 ボランティアさん1名に施術奉仕を行い、ほかはペアになってお互いに症状のあるところなどに技術交換を行いました。午後は和室にて13名の参加で三療研修会に参加しました。

◎ 第4回三療部会

 平成31年3月10日(日)午前10時から15時、富山県視覚障害者福祉センター盲人ホームにて行われました。

 午前は11名の参加でボランティアさん2名とヘルパーさん1名に施術奉仕をし、ほかはそれぞれに技術交換を行いました。

 午後は13名の出席で研修会「AKA関節運動学アプローチのあん摩、マッサージへの追加」と題して、理学療法士の濱野昌幸氏(通所リハビリテーションとよたシャキシャキ)を講師にお迎えし行ないました。

 まず自己紹介され、この施術法との出会いなどの後AKAとは関節を動かす技術でその関節をより動かしやすくし、そのことによって他の周囲の関節も動きがよくなるようにする。特に痛みを軽減するものであると。

 具体的な施療法は、基本的には徒手によるすべり法と離開法(りかいほう)を使う。すべり法は関節面に対して水平方向に動かし、離開法は垂直方向に動かすそうです。

 関節にもよるが動かすのはほんの数ミリ程度である。機能障害の原因が他関節にわたるような場合は関連する関節すべてに施す必要がある。

 例えば肩が痛い人がいて、評価したら腰が悪いのではないかと判断した時は腰、背骨、肩周囲全部に行います。

 どこが悪くてもあたりまえのように仙腸関節に行う。AKAをする前には必ずリラクゼーションが大切なので、マッサージを施してから行うようにする。

 今日の提案はいつもやっているマッサージにちょっとこのAKAを加えてみてはどうですかということだといわれました。その後実際にモデルを使って、評価法、すべり法、離開法を仙腸関節、肩関節で教えていただきました。

 具体的にはまず立位(りつい)で術者が前から診て肩の高さ(左右どちらが上がっているか? 下がっているか?)、次に体幹を前屈しての手の長さ(どちらの手が床にちかいか?)の評価をされ、ベッドで仰臥位(ぎょうがい)になり股関節の屈曲(くっきょく)、SLRの評価をし、それを踏まえて今度は側臥位(そくがい)になり仙腸関節ですべり法、離開法を施し、どれくらい変化があったか再度評価されました。

 それから肩関節、脊柱の操作も教わりました。皆さんベッドにても実際に教わりながら施術してみました。

 最後に膝の痛い人もおられたので、「ちょっと複雑なんですが」と膝の操作も教えていただきました。とにかくマッサージで緩めてから操作すれば効果も大きいそうです。

 皆さん生き生きと楽しそうに、しかし真剣にやっておられました。お礼とともにまたの研修をお願いして終了しました。

 これからも皆さんで勉強したいことなど提案してください。来年度もそれぞれに課題を持って勉強していきましょう。



◆平成30年度更生相談会

 12月2日(日)10時からセンター研修室において開催され、今回は、『地震時の避難と家具転倒防止グッズ』と題して、富山県防災危機管理課・長岡(ながおか)憲秀(けんしゅう)氏にご講演いただいた。

 冒頭、みなさんからご要望のあった家具転倒防止グッズ等が用意できなかったと前置きされた後、資料に沿って進められた。

 大まかな内容は

 1 この頃多発する想定外の災害(台風・豪雨災害・相次ぐ地震等の被害状況等)をまとめたデータの紹介。

 2 災害対策基本法から主な防災関係法令の紹介。

 3 富山の災害リスク、富山県の災害の特徴

 (1)地震 (2)津波 (3)風水害(大雨、土砂崩れ、台風等) (4)高波災害(寄り回り波) (5)豪雪 (6)フェーン現象による火災等。

 4 富山県民の災害への備え

 富山県は他の県に比べて災害が少ないという安心感が強い。よって、富山県の自主防災組織の組織率が全国平均で38位の低さである。

 また、質疑応答では

 1 普段からの備え

 支援を受ける際に配慮してほしい事を書いた「ヘルプカード」を作成しておく。中でも、本協会が他県に先がけて作成した、一般の方にも視覚障害者である旨を知ってもらい、支援をお願いする、視覚障害者国際シンボルマーク「困っています、手を貸して」首かけプレートはより効果的。

 2 災害が起きた時の対応

 要望として、視覚障害者は、避難場所では中程では無く通路に接する側を定位置にしてもらい、トイレ等への導線は、移動用点字ブロックや紐などを設置して、移動時、他の人の手を煩わすことが少なくなるようにしていただきたい。白杖をつく音が周囲の迷惑にならないようカーペットを敷く等配慮していただきたい。


 研修会を終えて

 行政が行う要援護者名簿に登録されても、その活用は個人情報保護の関係からほとんど進んでいない。平時、地域やご近所同士理解していても、災害時には自分の事が精一杯で、他人まで気が回らない。他からたまたまその地に来ていて災害に遭遇したため頼れる人がいない…。

 こんな時、バッグや玄関に携行・常備しておいた視覚障害者国際シンボルマーク「困っています、手を貸して」首かけプレートは、強い味方である。

 加えて、日頃から隠さず、視覚障害者であることを知ってもらうことが第一ではないか。自分も含め反省である。

(厚生部 山内 記)


◆理事会・臨時評議員会・合同会議

総務部部長 佐生(さそう) 秀一(ひでかず)

1.平成30年度第4回理事会

 30年12月12日(水)14時から、ライトセンター研修室において理事10名・監事1名の出席により開催されました。

 まず第1号議案、平成30年度事業報告について、会長から30年6月から11月までの間に開催された協会行事について概略が説明され、その後、各担当の業務執行理事の方からより具体的な行事報告がなされて了承されました。

 続いて第2号議案、評議員会の開催について、ここでは本年10月、監事1名が急逝されたことに伴い臨時の評議員会を開催して監事を選任しなければならないことから、その開催日時が協議され、新たに開催日程を定めてこの日の理事会を終了しました。

2.平成30年度第5回理事会

 31年3月20日(水)13時30分より、ライトセンター研修室において理事9名・監事1名の出席で開かれました。

 第1号議案、平成31年度事業計画(案)について審議され、理事全員の承認をいただきました。

 第2号議案、平成31年度予算(案)について審議され、先の議案に続いて同じく承認をいただきこの日の会議を終了しました。

3.臨時評議員会

 31年3月24日(日)午前10時から、ライトセンター研修室において評議員17名の出席で開催されました。

 今回の議題は、昨年10月に急逝された方の補充に伴い新たな監事の選任を行うために開かれたもので、執行部から提案された富山支部前評議員高橋(たかはし)克人(かつひと)氏を後任に推薦することが提案され、評議員の全会一致で承認されました。

 なお、新監事の任期は前監事の残り任期となります。

4.平成30年度合同会議

 31年3月24日(日)午前10時30分から、ライトセンター研修室において理事・監事・評議員・支部長、青年・女性・三療・スポーツの各部長、相談役が一堂に会して合同会議が開催されました。

 冒頭の挨拶で、会長は「昨年に続き2度目を迎えた会議を、各団体の代表にお集まりいただき、翌年度の行事や協会の取り組みなどを形式ばった会議ではなく自由にそれぞれが意見を述べられるような場にしたい」と抱負を述べられて会議に入りました。

 始めに平成31年度事業計画について、今回はその中でも基本方針に重点を置き10項目の内容が示され、会長が進行する形で一つ一つ補足説明、具体的な取り組みが話されました。

 主なものでは

①組織対策(会員数の減少対策と未組織地域の支部設立)

 支部の無い地域では、まず個人会員として入会していただくことを最優先に広く呼びかけを進めてゆく。分担金の問題では幾つかの支部から発言がなされていました。

 また会員数の拡大に向けての取り組みでは、外部評議員の方から自身が民生委員の立場から意見が述べられ、個人情報の制約もあり障害者等の把握はできていない、民生委員の立場にあっても情報が集まってくるわけではないなど、現状の厳しさが示されました。

②財政基盤の安定化

 協会の財政がひっ迫していることから昨年財政検討委員会を設置して、取り組みを始めたことが報告されました。

③点訳・音訳ボランティアの養成

 近年、点訳・音訳ボランティア養成講習会の受講者が減少している。数年前から新聞等での募集案内ができなくなり、ホームページに依存したことが原因の一つではないかと考えられるが、今回長年の取り組みが実って、県関係機関のご理解により31年3月に県内新聞社数カ所に新聞(紙媒体)での募集案内を載せていただけることになり、このようなことでの継続的な増員に繋げたいと、会長から希望が述べられました。

④ヘルスキーパーの雇用

 職域拡大を目指してスタートした「視覚障害者活用ヘルスキーピングモデル事業」が5年目を迎え、31年度も事業が継続されることが報告されました。

 また、この関連で新たな動きとしてJR西日本管内数カ所でヘルスキーパーとして活動している府県があることから、31年3月27日にその1か所JR大阪駅へ出向き、実際の様子を見学させていただけることがプロジェクトリーダーから報告されました。


 活発な質疑応答で時間が押し迫りその後の平成31年度事業内容・予算について、短い時間ではありましたが事務局からコンパクトに説明がなされて、会議を終了しました。

 その後12時30分から希望者全員で昼食・アルコールも交えながら、和やかな懇談(情報交換)がなされて午後1時30分に全日程を終了しました。



《みんなの広場》
◆第15回全国視覚障害者卓球大会に参加して

富山支部 林(はやし) 大志(ひろし)

 9月15日・16日に行われた、第15回全国視覚障害者卓球大会に池田部長・中西さん・林の3人で参加しました。

 14日の朝北陸新幹線かがやきで富山駅を出発し、会場である東京都調布市の味の素スタジアムまではほぼ何事もなく行くことができました。

 スタジアム内はとても広く、卓球の会場まで400m近く歩いたので少し大変でした。会場に着いたのち、大会に備えてサーブやリターンの練習を行いました。

 大会は二日にわたり行われました。まず開会式では池田部長が選手宣誓をされ、常に感謝の気持ちを忘れないこと・精一杯戦うことを誓っておられました。

 試合はそれぞれ2試合ずつ行いましたが、おしくも予選で敗退してしまいました。しかしとてもよい経験ができました。初めて参加した私は、全国の壁の厚さを身をもって感じました。

 試合中はサーブミスがよく目立ちましたが、他の県の選手たちはほとんどサーブミスをせず高速サーブをどんどん決められてしまいました。

 これからはミスをできるだけ少なくするために色々なサーブの練習をしなくてはと思いました。また、いつも同じことをしていると相手に読まれてしまうので、常に球の速度やコースを変える必要があります。

 今回の大会はとても貴重な体験ができたと思います。これからももっともっと練習を積み重ねて卓球を極めたいと思います。



◆第18回全国障害者スポーツ大会に参加して

富山支部 林 大志

 10月13日から15日にかけて行われた第18回全国障害者スポーツ大会にSTT富山県選手として参加しました。

 12日の朝富山駅北口をバスで出発し、高岡駅で選手団全員が合流して会場である福井県に向かいました。

 それから先は各競技の会場へと分かれました。卓球は鯖江市にあるサンドームで行われました。会場に着いたのちは公式練習がありそれぞれ明日の大会に備えて最終調整を行いました。

 2日目の午前中は開会式がありました。各県の選手団全員が福井県の陸上競技場に集まり盛大に行われました。

 入場行進はとても素晴らしかったです。前後左右上下から聞こえる拍手の中を歩き、「頑張れー、富山ぁ」という応援が聞こえすごく感激しました。

 開会式のあとはいよいよ各競技が始まりました。私のSTTの試合は13日と14日に一試合ずつ行いました。

 最初は茨城県の選手との試合でした。フルセットにもつれ込む接戦で、見事3対2で勝ちました。初めての国体で初勝利できたのでとてもうれしかったです。

 始めのうちはサーブやリターンがほとんど決まっていたのですが、3セット目あたりから相手が慣れてきてあまり決まらなくなってきました。でもなんとか耐え抜いて勝つことができました。

 次の試合は香川県の選手との試合でした。なんとこの試合もフルセットまでもつれ込む接戦でしたが、惜しくも負けてしまいました。

 やはり最初はサーブやリターンが決まり、2セット先取しましたがあとの3セットは落としてしまいました。中でも4セット目はデュースが3回も続きました。本当に悔しかったです。

 終ってみると3人が一勝一敗で並んだため、セット数争いになりましたが、残念ながら準優勝になってしまいました。

 優勝は茨城、準優勝富山、3位香川という結果になりました。優勝できなかったのはとても悔しかったですが初めての国体で準優勝できてとても嬉しかったです。

 15日は閉会式があり、国体は無事幕を閉じました。そのあと「モーニング娘。」によるファイナルコンサートが行われ、全員で盛り上がりました。最終日は観光として福井県立恐竜博物館を見学して帰ってきました。

 今大会は初めての経験ばかりでとても有意義なものになったと思います。これからもこの経験を活かしてSTTに更に磨きをかけていきたいと思います。



◆「ダメ元」での私の発言

高岡支部 関川(せきかわ) 禮子(れいこ)

 何年か前のことです。私が更生相談の場で「金融機関での代筆代読をしてもらい、自由にお金の出し入れができるようにしてほしい」という意見を言ったのでした。

 すると、前の方で何人かの笑い声がしました。その笑いは、どんな意味をなしているのかは私には全く理解できませんが、意見を人の前で言うからには、そのことで悩み考えた挙げ句の発言でした。

 考えてみれば、夫婦のどちらかが健常者であったり、親子関係でどちらかが代筆代読を任せられたり、また、中途失明の人であればこうした思いをおそらく想像も考えさえしないことでしょう。

 このようなことがあってから、私は何とか墨字の必要とする文字を書きたいという思いを強くしたのでした。

 そんな私の強い思いを受け止めてくださった当時の所長の宮田(みやだ)さんがレーズライターを貸してくださり、また、漢点字のボランティアさん二人も私の住所、名前、数字を点線で書いてくださいました。

 点字しか知らない私にとって墨字を書いたり、見たことのない文字練習はそれは大変な努力でしかありませんでした。それでも私の書いた文字を見て「読めるよ」と言われた言葉に励まされ、文字練習は続きました。

 少しは読める文字が書けるようになった私に、次は、やはり漢点字に来ておられたボランティアさんが、文字を書いていく色々な大きさの定規というか、マス目の枠を作ってくださったのです。

 このような応援をいただき、文字を書くことに没頭した毎日でしたがどうしても書けない文字がありました。

 ある日、中途失明の女性が「あなたの名前の文字は難しいのよ、私や○○さんのような名前は簡単なの」と教えてくれました。

 言われてよく考えてみると、人様の前で文字を書くというのは緊張もし、正式な書類にサインをするというのはとても困難ときっぱり諦めたのでした。

 すっかり諦めていたところに朗報が…。それは、ゆうちょでは通常貯金内容通知書を毎月点字で送られてくるということでした。

 この話を聞いて私は早速某銀行からゆうちょに移動手続きをとりました。手続きにあたって早速二人の職員が私の家に来てくれました。

 たくさんの引き落としを一つ一つ私の確認をとり、音声の携帯電話で引き落とし先に手続きをしてくれてこの間(かん)の作業は2時間にも及びました。

 それから一ヶ月後、しっかりしたルーズリーフに綴じられた通常貯金内容通知書が送られてきました。自分の手で読み、確認ができたことの喜びと感動を今も忘れることができません。

 さて、つい最近のことです。各月(かくげつ)に引き落とされている水道料が、何人かの人に「二人で高いね」とかある人は「もしかして営業用になっているのでは?」と言われて、水道局に確かめましたが、答えは「データには間違いありません」とのこと。私も母もあまり気にもとめずどちらかと言えば、水を流しっぱなしは清潔だという思い込みがありました。

 それでも、点字の通知内容を読むようになってからはやはり無頓着で済ませる訳にはいかず、それぞれの金額がどのように動いているかをチェックするようになりました。

 すると、今までの高い金額からまた3000円多く引かれていたのです。

 いささか驚いた私は、自分も母にも「少し気をつけてみようよ」ということで母が水を出しっぱなしで器をとりに動いたりするのをとめるようにしました。

 するとどうでしょう。一番高かった金額から3000円が安くなり、次はそこからまた4000円が少なくなっていました。

 このようなことは、健常者にはごく当たり前のことと思いますが、自分で確かめられることがなんと嬉しく感動の何者でもありませんでした。

 私は、少数の意見に耳を傾け懸命に金融機関を周り、力を入れて運動を展開していただいた前会長の中西さんに足を向けて寝ることができません。言葉では言い尽くせない感謝でいっぱいです。中西さんありがとうございました。

 話はそれますが、私が卒業して、開業はしたものの自立にはまだまだという時に、父が他界しました。まだ20代も半ば過ぎでは、仕事ももちろん、世間の信用も厳しいものがありました。

 ちょうどそんな時だったと思います。高岡の身障協会と、市の方たちの会合がありました。その中に、視覚障害からは竹島さんと私の二人が選ばれていたのです。

 そこで私はいくつかのことを話したと思いますが、はっきり覚えているのは「屋根の雪おろしで業者を探すのも大変だ」と伝えました。それがきっかけで、市の職員さんたちが一人暮らしの家の屋根の雪おろしをしてくださるようになったと記憶しています。

 今、改めて思うことは、声に出してみることの大切さです。それは大変勇気のいることもあります。そしてまた、少数の意見にも耳を傾けてほしいという強い願いもあります。



《事務局から》
◆消息 訃報

 白口(しらぐち) 務(つとむ)氏 (高岡市)  10月 逝去

 大村(おおむら) 栄子(えいこ)氏 (富山市) 1月 逝去

  ご冥福をお祈りいたします。




◆受賞

厚生労働大臣表彰(自立更生者)

 松波(まつなみ) 律子(りつこ)氏 H30.12.7

ボランティア活動推進富山県民会議 会長表彰

 八木(やぎ) 裕子(ゆうこ)氏 H30.10.10

 永長(ながおさ) 陽子(ようこ)氏 H30.10.10

 水上(みずかみ) 鞆音(ともね)氏 H30.10.10

  受賞おめでとうございます。




◆時事暦(平成30年10月~平成31年3月)

 10月13日(土)~ 15日(月) 第18回全国障害者スポーツ大会(福井県)

 10月14日(日) 第42回視覚障害者文化祭・福祉機器展(センター)

  歌とピアノ〔yoshino×YOUTA〕

  会員89名 ボランティア38名

 10月20日(土)・21日(日) 第27回北信越サウンドテーブルテニス大会(石川県)11名

 11月11日(日) 三療研修会(センター) 13名

 11月11日(日) 第18回富山県障害者スポーツ大会〔卓球競技〕(県総合体育センター)

 11月11日(日) 出会いと語らいの集い(南砺市)

 11月24日(土)・25日(日) 「平成30年度日本盲人会連合北信越ブロック大会」開催(新潟県)

  代表者会議・青年部協議会・女性部協議会・スポーツ協議会・研修会が開かれ、当協会から17名参加

 12月2日(日) 更生相談会・結婚相談室・意見交換会(センター) 63名

 12月3日(月)~ 9日(日) 障害者週間

 12月12日(水) 理事会

 12月末 会報『ゆきしろ』第78号発刊

― 平成31年 ―

 3月20日(水) 理事会

 3月24日(日) 合同会議



◆2019年度の主な行事予定

4月14日(日)(富山湾岸サイクリング2019)(湾岸サイクリングロード)

4月21日(日)(第19回富山県障害者スポーツ大会~水泳競技)(東富山温水プール)

5月18日(土)・19日(日) 第46回北信越グランドソフトボール大会(石川県)

5月19日(日)(第19回富山県障害者スポーツ大会~陸上競技)(県総合運動公園)

5月23日(木) 理事会(センター)

5月26日(日)~28日(火) 第72回全国盲人福祉大会(札幌市)

6月2日(日) 定時評議員会(センター)

6月2日(日) 出会いと語らいの集い

6月9日(日) 定期会員総会(センター)

  会報「ゆきしろ」第79号発刊

7月7日(日) ボランティアと利用者交流会

7月21日(日) センタークリーン作戦(センター)

8月25日(日) 第68回点字競技会・第20回パソコン競技会(センター)

8月27日(火)~29日(木) 第65回全国盲女性研修大会(名古屋市)

9月7日(土)・8日(日) 宿泊研修

  (視覚障害者と家族激励大会・歩行訓練・研修会)(小矢部市)

9月22日(日)(第19回富山県障害者スポーツ大会

        フライングディスク競技)(県総合運動公園)

9月22日(日)・23日(月) 第65回全国盲青年研修大会(三重県)

9月29日(日) 第45回富山県視覚障害者球技大会

 グランドソフトボール・サウンドテーブルテニス(南部中学校・センター)

10月6日(日) 第43回視覚障害者文化祭・福祉機器展(センター)

10月12日(土)~14日(月)(第19回全国障害者スポーツ大会)(茨城県)

10月26日(土)・27日(日) 第28回北信越サウンドテーブルテニス大会(富山県)

  出会いと語らいの集い

11月10日(日) 三療研修会(センター)

11月23日(土)・24日(日) 北信越ブロック大会(長野県)

12月1日(日) 更生相談会(センター)

12月1日(日) 結婚相談室(センター)

12月1日(日) 意見交換会(センター)

12月3日(火)~9日(月) 障害者週間

12月12日(木) 理事会(センター)

  会報「ゆきしろ」第80号発刊

- 令和2年 -

2月24日(月)(第19回富山県障害者スポーツ大会~卓球競技)(県総合体育センター)

3月19日(木) 理事会(センター)

3月29日(日) 合同会議(センター)


通年

・点訳、朗読奉仕員養成研修事業 ・外出介護サービス指定事業者情報提供事業 ・生活訓練事業

・盲導犬育成事業 ・結婚相談事業 ・福祉機器相談事業 ・三療研修会 ・IT推進員派遣事業




《編集後記》

文化部部長 高島 ヒサ子

 今年の冬は温度差が激しくて風邪をひかれた方があちこちにいらっしゃるというニュースが流れていましたが、皆さんはいかがお過ごしでしょうか。雪の量が比較的少なかったのが幸いでした。

 北海道では大きな地震が起きて土砂崩れによる被害で多くの命を亡くされた方がたくさんおられます。ここ富山県でも呉羽山に断層があって、いつ地震がおきるか分からないと聞きました。地震による被害は津波だけではないので日頃から心にとめて気をつけたいものです。

 ところで世界の幸福度の順位は、デンマーク、ノルウェー、フィンランドの順で日本は60位でした。

 日本の若者がこれを聞いて「自分はとてもそんな風には思えない、とても幸せだ」と明るくインタビューに答えているのを見てなんだかほっとしました。幸せ度は心の問題で大きく変わるかもしれませんね。とりあえずその時々の今を、つまり瞬間を大切にして暮らしたいものですね。

 今回で私は担当を終わりますが、次回からも私の時同様どうぞよろしくお願い申しあげます。長い間どうもありがとうございました。




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