会報「ゆきしろ」76号

(平成29年12月発行)


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 この「ゆきしろ76号」は平成29年4月1日~平成29年9月30日までの分を掲載しています。




     第76号
(発行者)
 社会福祉法人 富山県視覚障害者協会
 〒930-0077
  富山市磯部町3丁目8番8号
 電話 (076)425-6761
  Fax (076)425-9087
 Eメール:bcb05647@nifty.com
 Homepage:http://www.toyama-ssk.com
(発行責任者)
 会長  塘添 誠次


 上の題字は 鶴木大壽 氏によるものです。

【ゆきしろ(雪代)の意味】

 雪国にあって、大地が春の雪原と接する部分で静かに融けはじめ、しずくとなり、やがてかすかな流れをつくり、それが集まって春のはじめの雪どけ水となって音をたてて大河に注ぐ様を、古くから俳句における春の季語として「雪代(ユキシロ)」とよばれています。
 当協会が、このしずくが集まって大河をつくるように大きく発展していくよう、願いを込めて命名いたしました。


     【ゆきしろ76号 目次】


《巻頭言》
◆2期目の就任にあたり           会長 塘添誠次

《大会参加報告》
◆北信越グランドソフトボール大会 富山県チーム二連覇
        グランドソフトボール部キャプテン 池田一義

◆第70回全国盲人福祉大会〈徳島大会〉
      会長 塘添誠次、 副会長 安田庄内、 理事 濱野昌幸

★第1日目

★第2日目

★第3日目

◆第63回全国盲青年研修大会・鹿児島県大会  青年部 小林徹蔵

◆第63回全国盲女性研修大会・群馬県大会 女性部部長 柳田信子

《事業報告》
◆理事会・評議員会・支部長会・定期会員総会 総務部部長 佐生秀一

◆三療部会だより           三療部会会長 堀 惠一

◆ボランティアと利用者交流会     施設部部長 笹木希一

◆第66回点字競技会・第18回パソコン競技会 文化部部長 高島ヒサ子

◆平成29年度宿泊研修「視覚障害者と家族激励大会・歩行訓練・研修会」
                   厚生部部長 濱野昌幸

《みんなの広場》
◆第70回全国視覚障害者徳島大会に参加して 小矢部支部 牧野清美

◆囲碁交流会を開催して         富山支部 笹木希一

《事務局から》
◆消息

◆時事暦

◆平成29年度後期の主な行事予定


《編集後記》         文化部部長 高島ヒサ子



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《巻頭言》
◆2期目の就任にあたり

会長 塘添 誠次(とうぞえ せいじ)

 今年も7月に北九州を中心とする大雨で、朝倉市など多くの市町村が被害を受けました。被災者の皆様には心よりお見舞い申し上げます。

 こういう災害が起こると視覚障害者は無抵抗となり、避難することさえもできなくなります。そういうときに、日ごろから視覚障害者であることを周囲の人に知ってもらう努力をしていたか否かによって自分の命が守れるかどうかが決まるようです。実際におばあさんを他人が背負って避難したそうです。私たちには手引きが必要です。

 近年富山県では大きな災害が起こっていませんが、他人事だと思ってはいけないと思います。私たちを気遣ってくださり、音訳グループのひまわりの会が設立35周年を記念して私たちに防災マニュアルの音訳版を贈呈してくださいました。その中にも、自ら発信し、近所の人と気軽に挨拶を交わして交流を深めるなどコミュニケーション、絆の大切さが述べられています。


 ところで、社会福祉法人の制度改正に伴い、本年4月1日から新評議員が18名、6月4日の定時評議員会において理事11名、監事2名が選任され、その後に開かれた理事会で私が再び会長に選任されました。

 2年前に会長に就任したときに会長としての重責を果たすため、心がけたいこととして、協会の行事に参加してよかったな、楽しかったなという思いを持っていただけるようにすること、福祉の向上に努力すること、組織対策をすることの3点を挙げ、取り組んできました。これはこれからも協会の役員、センター職員、ボランティアさんたちの協力を得て継続して努力していきたいと思います。


 さて、協会では様々な行事を行い社会参加の促進を図ることにより、QOLの向上や私たち視覚障害者が生活しやすく、また日常の生活が送りやすくなるよういろいろな要望活動を行っています。

 そして、特に力を入れて取り組んでいきたいこととして、3点挙げました。

① 歩道と車道の境界に2センチの段差を付けること

 これについては、「移動等円滑化のために必要な道路の構造に関する基準を定める省令(国土交通省令)」の第9条に「横断歩道に接続する歩道等の部分の縁端は、車道等の部分より高くするものとし、その段差は2センチメートルを標準とするものとする。」と条文に定められています。

 ところが、いつの間にか富山県の場合は段差は0と書き換えられているのです。視覚障害者が歩道を歩く際、段差は点字ブロックと共に大きな手がかりとなり、車道との境界線を認識するために不可欠なものです。段差が高すぎると車いす使用者のバリアとなるため、この「2㎝」が標準とされています。段差のない歩車道がみんなにとって歩きやすい環境であればいいのですが、残念ながら、視覚障害者にとっては命にかかわる問題です。事故が起こってからでは遅いのです。いや、私たちが把握していないうちに既に起こっているのかも知れません。従って、この条文を復活させたいのです。

② 盲導犬使用者の飲食店の入店拒否・宿泊施設利用の入館拒否対策

 県内においては、盲導犬の使用者が飲食店の入店を拒否されたり、宿泊施設への入館を断られるという事が起こっています。補助犬法に違反しているとともに差別を受けていることになります。これは県内の盲導犬の使用者のみの問題ではなく、県外から来られる盲導犬の使用者にも関わる問題です。富山県への観光客を増やそうとしていることにも反していることになります。このようなことが起こらないようにすることが、富山県のイメージアップにつながるのです。従って、この課題については、協会として真剣に取り組まなければなりません。

③ 「視覚に障害のある皆さんへ」のCDの製作

 私は射水市視覚障害者協会の会長のときに組織対策として、「射水市視覚障害者協会へのお誘い」というパンフレットを毎年作成し、市役所の福祉課に置いていただきました。そして、新たに身体障害者手帳を取得された人や、相談があったときにお渡ししていただきました。約10年間続けましたが、残念ながら反応はありませんでした。なぜ反応がないのかを考えたときに、墨字では多くの人が読めず、家族がそれを無視すれば伝わらないのではないかと想像されます。そこで、録音物にしなければならないのではないかと考えました。しかし、そういう人は、プレクストークを持っていないことが予想されます。そこで、音楽CDならば伝わりやすいのではないかと気付き、製作することにしました。出来上がったら各市町村の窓口や視覚障害者に関わりのある組織や団体に提供し、啓発活動を図りたいと思います。どれだけの組織対策になるかわかりませんが、できることからやっていかなければと思っています。皆さんもこの組織対策について提案がありましたらいつでもおっしゃってください。


 以上、特に力を入れて取り組んでいきたいことを3点挙げましたが、それを可能にするのには会員の皆さんの協力が不可欠です。皆さんの助言をいただきながら一歩一歩前進したいと考えています。

 結びに、今年度は、協会の理事や評議員の交代がいろいろとありました。会員の皆さんと心の通い合える協会作りのために新執行部体制で頑張っていきますので、宜しくお願いします。



《大会参加報告》
◆北信越グランドソフトボール大会 富山県チーム二連覇

グランドソフトボール部キャプテン 池田 一義(いけだ かずよし)

 平成29年度第44回北信越グランドソフトボール大会は、5月21日、長野県松本市安曇野で開催されました。

 その日はぬけるような青空で、気温も30度を超す大変暑い日でした。試合は抽選の結果、一回戦は石川県チーム対福井県チーム。準決勝は石川対福井の勝者対富山県チーム、そして新潟県チーム対長野県チームとなった。

 富山は一回戦で勝ち上がった福井と準決勝を戦った。試合は抽選で勝って福井が先攻、富山が後攻となった。

 富山の先発飛田(とびた)投手は、二回を四球1つ、三振4つを取り0点に抑えた。三回表は、二番手の柳沼(やぎぬま)投手が投げ、四球を1つ出したが、ノーヒットで0点に抑えた。

 富山の攻撃は、一回に二塁打3本を含むヒット4本と四球3つで4点、二回はヒット8本と四球6つなどで13得点。三回表に時間切れで17対0で富山の勝ち。

 決勝戦は長野を倒した新潟と戦った。新潟の先攻で一回表、富山の先発飛田投手がツーアウト満塁のピンチだったが、次の打者を三振に取り0点に抑えた。

 一回裏、富山は二塁打2本で1点、セカンドゴロの間に1点、合わせて2点。二回、三回はランナーを出しながらも無得点。

 飛田投手は二回、三回、四回をヒット2本、四球1つ、三振4つと素晴らしい投球で完封に抑え、2対0で富山が勝ち、2年続けて優勝しました。今大会は2試合とも完封に抑えた飛田、柳沼両投手が素晴らしかったです。



◆第70回全国盲人福祉大会〈徳島大会〉

会長  塘添 誠次          
副会長 安田 庄内(やすだ しょうない)
理事  濱野 昌幸(はまの まさゆき)  

 平成29年5月26日(金)~28日(日)、徳島県のホテルクレメント徳島とアスティ徳島(徳島県立産業観光交流センター)を会場に、全国から視覚障害者及び関係者1500人が参加し、「全国各地から視覚障害者の代表が参集し、三日間にわたり熱気に満ちた討議が重ねられ、昨年4月に施行された『障害者差別解消法』における『不等な差別的取り扱いの禁止』や『合理的配慮の提供』などの障害者福祉の取組みについて検証すると共に、視覚障害者の福祉の向上と職業等に関する自立と社会参加の促進を図る」ことを目的として開催されました。

 安田副会長と濱野理事と塘添が各種会議に出席するため先発しました。以下にその内容を記載します。


★第1日目(5月26日 金曜日)

1 評議員会(塘添)

 評議員定数69名中60名の出席をもって開催されました。竹下会長は冒頭の挨拶で、「この三日間の大会において我々は何をなすべきか。一言で言えば、日盲連の存在が、今後視覚障害者にとって住みよい日本を作るために必要な組織としてもう一度みんなで確認しあえるのか」ということではないかと述べられ、次の3点の情勢報告がありました。

 ① 身体障害者福祉法に基づく視覚障害の認定基準が約70年ぶりに改正されようとしており、視力の判定をこれまでの両眼の視力の和から良い方の眼を基準として判定する方向で議論が始まっている。

 ② 第4次障害者基本計画が来年4月からスタートする。この基本計画の中にどういう内容が盛り込まれるかによって、4年間にわたる運動の進む方向に、縛りをかけられてしまうかもしれないと言っても言い過ぎではない。

 ③ 外出時における同行援護事業が始まって5年を過ぎたが、未だ地域間格差は解消されず、使いやすい制度になっていない。

 続いて、石川県の米島評議員を議長に、滋賀県の大橋副議長を選任し、平成28年度事業報告、決算報告、平成29年度運動方針、理事・監事選任などの議案が審議され、執行部のほぼ原案通り承認されました。以下は、質疑応答の抜粋です。

 Q:評議員会の討議資料は、評議員会開催の日の2週間前までに知らせなければならないのに今回は1週間前であった。定款に違反しているのではないか。

 A:できなかったことは大変申し訳なかった。事務局体制をしっかりと整え次回からはきちんとしたい。

 Q:あはき法19条問題で裁判が行われている。それに対する取り組みとして、署名、ハガキ陳情、募金活動などが他団体に比べ日盲連は非常に遅い。何故そうなるのか。

 A:様々な準備や意思統一が必要な場面があり、遅れたことをお詫びします。今後は日マ会の事務局と合同で対応するか臨時職員を配置して対応するか検討している。これからは皆さんに御迷惑をかけないようにスピードアップして対応できるのではないかと思っている。

 Q:あはき業の自営業者への職場介助者について、次年度は具体的な提案をしたいとあるが、どういう提案なのか。

 A:現在厚生労働省と協同組合方式を利用して、職場介助者を自営業者に配置することができないかということを検討している。また、自営業者の往療に対して、同行援護が利用できないか突破口を検討している。

 Q:杉山和一記念館の募金活動は毎年行うのか。

 A:当初募金の目標額を300万円にしたが、64万円しか集まらなかった。既に出来上がった設備面への不足の募金である。運営費のためではないので毎年ではない。

 また、報告事項として、

 ① 定款細則の改正について

 ② あん摩師等法19条訴訟におけるはがき陳情、署名活動ならびに募金協力のお願い

 ③ マッサージ診療報酬についての要望に伴う更なる署名活動協力のお願い

 ④ あん摩師等法制定70周年記念の集いの開催について

が示されました。

 最後に、その他として、青年協議会で行う視覚障害児童・生徒に関するアンケート協力の依頼、音楽家協議会から11月に開催される日韓交流音楽会の案内、憲法改正の議論に当事者団体として関わっていくよう要望が出されました。


2 スポーツ協議会(濱野)

 この会議に会長として出席するのは2度目になります。副会長として長年気楽に出席していたころとは違い、まだまだ緊張と責任を軽く受け流すすべを身に付けてはいません。

 代表者会議の大きな目玉は2020年開催予定の視覚障害者スポーツフェスティバルについてです。これまでにないイベントで、グランドソフトボール・サウンドテーブルテニス・ブラインドテニス・フロアバレーボールを一ヵ所に集め、公開試合や体験会を開こうというものです。

 プロ選手・元プロ選手にも参加してもらい、参加者は1000人程度を見込む大きなイベントです。当然、手間もお金もかかります。この企画を代表者の皆さんに認めてもらえるかが、本会議の最大のポイントでした。

 いくつかのご質問に回答した上で、代表者の皆さんからは好意的に受け取って頂き、認めてもらうことができました。ほっと胸をなでおろすことができました。

 続いての研修会では視覚障害者で柔道家の藤本 聡(ふじもと さとし)氏にご講演を頂きました。

 アトランタで金、シドニーで金、アテネで金、北京で銀、リオデジャネイロで銅とパラリンピック5大会での活躍や経験を軽妙なトークで聞かせていただきました。また、数々のパラリンピックで獲得されたメダルを惜しげもなく触らせて頂きました。

 そして、代表者会議・研修会は無事終了。時間にして2時間余りでしたが、とても充実したものでした。


3 あはき協議会(安田)

 須藤平八郎(すとう へいはちろう)あはき協議会副会長の総司会により会議が進められ、小川幹雄(おがわ みきお)あはき協議会会長は挨拶で、いろんな動きが出ているが、特に平成医療学園の裁判について皆さんの支援と協力をいただきたいと話されました。議長を選出して議事に入りました。

 第1号議案・平成28年度事業、会計報告及び監査報告について、第2号議案・平成29年度事業計画(案)、予算(案)について、第3号議案・あはき戦略会議報告について、順次審議され、拍手で承認されました。

 質問や報告の主な要点は次の通りです。

 ・あはき19条裁判について、ハガキを送る運動を進めたい。その際、青い鳥ハガキを使えないか。

 ・あはき19条については、国は合憲と思っているので、裁判費用の募金をしてほしい。また、裁判の傍聴者を増やしたい。

 ・裁判費用の中では印刷費が一番大きい。

 ・医療保険のマッサージの診療報酬アップの署名運動については団体署名が有効でないか。

 ・あはき戦略会議の目的は、あはき協議会の運動を実現化するためのものである。

 ・あはき業は保険の扱いになっているので医業である。

 ・あはき戦略会議はタイムスケジュールに沿って進めてほしい。2週間前には資料を提出してほしい。

 ・無資格者との差別のため、開業届出済み証明看板を施術所に掲載してほしい。

 ・開業届出済み証明看板は各県で対応してほしい。

 次いで、第4号議案・役員改選について審議されました。役員就任から1年だが、今年も改選すればどうかとのことで、全国委員名を読み上げて提案され、承認されました。


★第2日目(5月27日 土曜日)

 午前は、「障害福祉サービスと介護保険サービスの適用に係わる諸問題について」をテーマに研修会が行われました。

 冒頭、竹下会長の挨拶で平成30年4月1日から社会保障の柱とも言うべき、次の四つの制度で報酬改正、或いは基準改正が行われる。

 ① 診療報酬の見直し

 ② 介護報酬の見直し

 ③ 障害福祉サービスの報酬の見直し

 ④ 生活保護基準の見直し

 この中で我々に最も重要なものとして、視覚障害者の7割が65歳以上なので、介護保険と障害福祉サービスは我々にとって切っても切り離せない福祉の2大サービスである。そこで、この報酬改定についてこれから勉強したいと述べられました。

 研修会では、厚生労働省からお二人の講師による「障害福祉サービスについて」、「介護保険サービスについて」と題して講演していただきました。以下は、私たちに関係の深い内容を抜粋して箇条書きにまとめました。

 ① 障害福祉サービスに相当するサービスが介護保険法にある場合は、介護保険サービスの利用が優先されることになっている。高齢障害者が介護保険サービスを利用する場合、障害福祉制度と介護保険制度の利用者負担上限が異なるために利用者負担(1割)が新たに生じることや、これまで利用していた障害福祉サービス事業所とは別の介護保険事業所を利用することになる場合があることといった課題が指摘されている。

 このため、65歳になるまでに長期間、障害福祉サービスを利用してきた高齢障害者に対して、介護保険サービスの利用者負担を障害福祉制度によって軽減(償還)する仕組みを設けることにより、介護保険サービスの円滑な利用を促進する。

 ② 入院中においても、入院先医療機関と調整の上で、地域生活支援事業の意思疎通支援事業の利用が可能である旨を周知(平成28年6月)。  ③ 入院中に医療機関から日帰りで外出する場合、1泊以上の外泊のため医療機関と外泊先を行き来する場合及び外泊先において移動の援護等を必要とする場合は、同行援護の利用が可能である旨を明確化(平成28年6月)。

 ④ 平成30年8月より介護保険の2割負担者のうち、特に所得の高い層の負担割合を3割とする。即ち、年金収入等が340万円以上は3割、280万円以上は2割、280万円未満は1割となるが、月額上限額が定められており、3割負担者は44,400円、2割負担者は37,200円、1割負担者(市町村民税非課税世帯等)は24,600円(年金収入80万円以下等は15,000円)。

 ⑤ 地域共生社会の実現に向けた取組としては、制度・分野ごとの「縦割り」や「支え手」「受け手」という関係を超えて、地域住民や地域の多様な主体が「我が事」として参画し、人と人、人と資源が世代や分野を超えて「丸ごと」つながることで、住民一人ひとりの暮らしと生きがい、地域をともに創っていく社会の理念を規定。

 ⑥ 「我が事・丸ごと」の理念を実現するため、市町村が、地域福祉活動への参加を促進するための環境整備をするなどの包括的な支援体制づくりに努める旨を規定。

 ⑦ 高齢者と障害児、障害者が同一事業所でサービスを受けやすくするため、介護保険と障害福祉の両方の制度に共生型サービスを位置づける。


 午後から、第54回全国盲人代表者会議が行われ、全体会議の冒頭、竹下会長の挨拶で、昨日の評議員会の後に開催された理事会で、役員の選任が行われ、会長に竹下義樹(たけした よしき)氏、副会長に伊藤和男(いとう かずお)氏、及川清隆(おいかわ きよたか)氏、小川幹雄(おがわ みきお)氏の3名が再任されたことが報告されました。

 そして、全国盲人福祉大会を徳島県で開催できたことに対し、徳島県の久米(くめ)会長、関係者の御苦労に感謝の意を表され、「この大会を通じて、参加された皆さんの力が一つになることを願う」と述べられました。

 開催県を代表して久米会長からは、「この徳島大会が第71回東京大会へのかけ橋となり、バトンが渡せることが私の大きな役割と思っている」と挨拶されました。

 続いて、平成29年度運動方針(案)と各団体からの提出議案の確認が行われました。

 平成29年度運動方針(案)では、「地域生活における安心安全の確保」「情報保障と合理的配慮」「職業的自立」「スポーツ・文化・芸術活動の促進」「主な階層別(カテゴリー)の活動」「組織活動」の六つの柱が提案され承認されました。

 以下は生活分科会、バリアフリー分科会、職業分科会の討議内容です。

1 生活分科会(濱野)

 生活分科会には41議題が提出されました。すべてについて審議され概ね採択されました。

 北信越ブロックから提出された、同行援護で自動車を利用できるようにという議題はほかに4府県からの同調もあり、好意的に採択されました。

 また、富山県から提出された、晴眼者が視覚障害者をサポートしやすくする啓発事業についてはいくつかの具体的提案や意見が出されましたが、無事採択されました。

 日常生活用具や同行援護に関する議題の多い分科会でした。

2 バリアフリー分科会(塘添)

 この分科会では、「駅の安全対策」11題、「交差点・信号機」10題、「情報保障」2題、「電車関係」3題、「道路関係」3題、「施設関係」2題、「その他」5題の合計36題の要望事項について審議し、採択していきます。

 駅の安全対策では、ホームドア、内方線、階段の段鼻などの設置基準について、駅利用人数だけではなく、障害者施設や学校があるところでは特に配慮が進むべきなどの意見がありました。

 交差点・信号については、歩車分離式信号やラウンドアバウト交差点に音響式信号を設置するなどの意見が出されました。

 更に、セルフレジについて、全ての視覚障害者が使えるようにとの意見もだされました。

 富山県からは次の2題を提出しました。

 ① すべての鉄道駅ホームに、内方線付き点状ブロックの設置を進めると共に、ホームドアまたはホーム柵の整備促進を要望する。

 提案理由:視覚障害者が安心して鉄道駅を利用できるようにするため。財政上困難な場合でも、線路側を中央部と異なる色(コントラストの考慮)と路面(細かい溝加工等)で、視覚障害者にも認識しやすい状態にする対策が必要と思われる。

 この要望は北九州市、佐賀県、青年協からも出されました。

 ② 視覚障害者が理解できるようテレビのニュースや緊急放送の字幕スーパーの音声化と外国語の日本語吹き替えを要望する。

 提案理由:合理的配慮として望ましいため。

 この要望は、青森県、栃木県、山梨県、和歌山県、広島県、福岡市、佐賀県からも出されました。

 以上、活発な討議がなされ、一部修正するものを含め、提出されていた36題全ての要望事項が採択されました。

3 職業分科会(安田)

 出席者は57名、座長に須藤さんを選んで職業分科会が進められました。各県から提出された7項目(計23題)について審議しました。

 提出された議題は重複する内容が多いので、各項目ごとに要約し、それを以下に記します。

① 19条関係 4題

 あん摩師等法19条を堅持するとともに、各ブロックにあはき協議会を設置して、日盲連あはき協議会の強化を図ってほしい。また、19条裁判に国が勝訴するよう、全国的に支援してほしい。

② 無資格・柔整・その他 4題

 マッサージの違法広告など、無資格業者を徹底的に取り締まってほしい。また、柔道整復師による療養費不正請求について、適正化してほしい。また、あはき業の教育現場の教員の質の向上を図り、生徒の現場経験を必須化してほしい。(今年から、施術所経験5年以上、1日5人以上の実績がある施術所の協力を得て、研修施術所の講習会が始まる。)

③ 療養費 3題

 視覚障害あはき師の健康保険取り扱い研修を必須化してほしい。また、療養費受領委任払いが出来るようにして、同一疾病でも併給を認めてほしい。(平成30年度から受料委任払いになる方向だが不正請求をなくする方策と同時に進めるようである。)

④ ヒューマンアシスタント 4題

 全ての働く視覚障害者(自営業を含む)がヒューマンアシスタント(職場介助者)を利用できるようにし、支援員の派遣を制度化してほしい。

⑤ 一般就労全般 4題

 行政機関や企業における視覚障害者の採用、及び就労機会を拡大してほしい。また、障害別と職業別の雇用率を調査してデータベース化してほしい。

⑥ 就労継続支援 2題

 就労継続支援施設の定員を5人に緩和し、「就労継続支援B型施設」の設置を促進してほしい。

⑦ 年金・手当 2題

 視覚障害者が安定した生活のできる障害基礎年金の増額を要望し、消費税引き上げに相当する手当ての創設をしてほしい。

 以上、提出された23議題について採択するか否かを審議しました。ほとんどは採択されましたが、いくつかを統一して採択となったもの、継続審議となったものもありました。


 会議終了後、1日遅れの27日朝出発した富山県旅行団と合流するため、宿泊施設の「鳴門温泉ルネサンスリゾートナルト」に向かいました(合計38名)。


★第3日目(5月28日 日曜日)

 “急げ 南海トラフ巨大地震対策”

 “守ろう あん摩師等法19条と視覚障害あはき師の職業領域”

 “なくそう 同行援護の地域間格差 確立しよう 外出時の安全”

 “実現しよう マラケシュ条約の批准と読書バリアフリー法”

の4本のスローガンを掲げ、第70回全国盲人福祉大会が開催されました。

 第1部の式典では、徳島県視覚障害者連合会久米清美(くめ きよみ)会長が地元主催者団体を代表して歓迎の挨拶を述べられた後、竹下会長は主催者挨拶で「障害者差別解消法が昨年4月より施行されて1年を経過したが、この法律の施行によって、社会が前進したのか進歩したのか検証する必要があると思われる。私たちの声は一つの声となって社会に影響を与えてこそ日盲連の存在意義がある。この大会を通じてみなさんの声が社会の大きな力となることを願っている」と述べられました。

 第2部の大会議事では、次の決議がなされました。

 1. 災害時における支援体制を確立し、福祉避難所に白杖や防災ベスト等の必要な物品を備蓄するよう要望する。

 2. 日常生活用具給付制度を見直し、補装具との整合性を図るとともに、地域間格差を解消するため、国において最低限の指針を示し、視覚障害者のニーズに即した品目の支給が可能となるよう要望する。

 3. 誘導ブロックや音響式信号機等の拡充、駅ホームからの転落事故防止策の推進、同行援護事業の充実、全国どこでも歩行訓練が受けられる体制の確立等により、視覚障害者の安全な移動が実現できるよう要望する。

 4. あん摩師等法19条を死守すると共に、視覚障害あはき師への支援策の確立や無資格医業類似行為者の取り締まり強化によって、視覚障害あはき師の生計と職業領域が維持されるよう要望する。

 5. 視覚障害者の就労拡大のため、点字や拡大文字、あるいはパソコン等による採用試験の実施、就労を継続するための合理的配慮の提供が行われるよう要望する。

 6. 選挙公報をはじめとする情報は、点字、音声、拡大文字、テキストデータ等の当事者が必要とする媒体で提供するとともに、テレビのニュースや緊急放送における字幕スーパーの音声化を要望する。

 7. 視覚障害者のインターネット環境を整備し、個人認証やセキュリティー対策が視覚障害者にも対応できるよう要望する。

 8. 公共施設や交通機関の照明・案内表示・サイン等の設置基準が、弱視者にも対応したものとなるよう要望する。

 9. どこでもロービジョンケアが受けられる体制を整備するとともに、中途視覚障害者の自立のため、早期の相談、生活訓練、職業訓練が受けられる総合的な施策の確立を要望する。

 10. 視覚障害の認定基準は、両眼の視力の和を基準とする現行制度を見直し、視力の良い方の眼を基準とする制度に改めるとともに、中心暗点等の者にも障害認定が受けられる基準となるよう要望する。

 私たちはこの大会に参加し、視覚障害者の現状と今日的課題、福祉に関する情勢と運動の展開等を理解し、また、会場で多くの仲間と集い、連帯の輪を広げました。

 来年は、日盲連結成70周年を記念して6月11日(月)から13日(水)に東京都台東区の東京文化会館を会場に開催されます。今年同様旅行団を結成して観光も計画しますので、多数の参加をお願いします。



◆第63回全国盲青年研修大会・鹿児島県大会

青年部 小林 徹蔵(こばやし てつぞう)

 今回で63回目となる鹿児島県大会に、8月26日と27日の2日間行ってきました。

 富山から大阪に行って、そこから鹿児島に向かうと約8時間はかかりました。尻と足が疲れました。宿泊は、鹿児島東急REIホテルでした。

 さて、ここからは本題の研修会に入ります。一日目は、「交通関連」と「バリアフリー・支援技術」、「法制度・職業・その他」の3つの分科会があり、私は「交通関連」に参加しました。議題は7つ出ていて、その内2件を中央に提出します。

 選ばれた1つ目は、「車両の発音化を強化してほしい」という議題です。特に方向指示器が左右どちらに曲がるかを音の違いをつけてほしいという要望です。

 2つ目は、「駅の吊り下げ式案内板の文字を大きくしてほしい」と「エスカレーターの前に、音サインか点字ブロックをつけてほしい」という議題です。

 この2件が中央に送られることになりました。

 夜は歓迎夕食交流会があり、ビンゴ大会で、一緒に行った濱野さんが景品をもらっていました。

 二日目は、第1と第2研修会で、第1は中国楽器の二胡(にこ)の演奏で、第2はUDキャスト体験会でした。私は第1の中国楽器の方に参加しました。

 演奏者は鹿児島県の出身の人で、中国に目の東洋医学治療を受けにいって入院していた時に二胡の音に魅了されて楽器演奏を習い、日本の各地で演奏しているそうです。

 おわらでおなじみの胡弓の形に近く、少し小さいので高い音が出ていた気がします。演奏された曲は、二胡のために作られた曲や中国民謡で、一曲だけNHKのシルクロードのテーマ曲を演奏しておられました。

 今年の全青大会を振り返ると、分科会や夕食交流会が時間内におさまったことはよいことでした。第1分科会は30分くらい時間が余りました。また夕食の会は、ビンゴもしましたが2時間ぴったりで終わりました。

 大会へ行くと地元を楽しんでとよく言われますが、なかなか空き時間はないものです。ホテルの周辺でも行けたらと去年は思いましたが、今年は幸い近くのイオンやお土産屋に行ったりできました。夕食の前に1時間30分くらい空いてよかったです。

 最後に1つ付け加えますと、UDキャストはスマートホンと有線ヘッドホンかイヤホンが必要で、スマートホンにアプリを入れて使うものです。スマートホンにつないだヘッドホンから映画館で解説が聞けるらしいのですが、詳しくはライトセンターにお問い合わせください。まとめたものがあるので概要が分かります。

 今年はこのような2日間でした。お読みいただき、ありがとうございました。



◆第63回全国盲女性研修大会・群馬県大会

女性部部長 柳田 信子(やなぎだ のぶこ)

 古来より東国の歴史と文化、人情味あふれる群馬県において、多くの女性部の代表・会員、並びに関係者が一堂に会し、視覚障害女性をとりまくさまざまな課題に対し、協議、研修と情報交換を行ない、豊かな暮らしと共生社会の実現を目指すことを目的として、9月5日(火)から7日(木)にかけて「ホテルメトロポリタン高崎」において研修会が行われました。

☆なくそう! 障害者福祉の地域間格差

☆高めよう! 自らの知性と教養を

☆急ごう! 安全な駅と安全な町づくりを

☆実現しよう! 女性が輝く社会を

 上記のスローガンのもと、午前9時30分から代表者会議が行われました。

 始めに、竹下義樹(たけした よしき)日盲連会長が「福祉サービスに頼るだけではなく、生活の自立、また、駅のホーム柵や危険な所に防護柵のない場所も多いので、安全性に対しての自立をして自分の命を守って欲しい」ことなどを挨拶されました。

 次に前田美智子女性協会長、木村功(きむら いさお)群馬県視覚障害者協会会長、同石井洋子女性部副部長、それぞれの立場からの挨拶がありました。出席確認をし議事に入りました。

 第1号議案から第8号議案まで審議し、下記のように承認、採択されました。

1.新定款に伴う役員の任期等について

 定款が今年度から改正されたので役員の任期を1年延長。

2.平成28年度事業並びに収支決算・監査報告について

3.平成29年度運動方針並びに事業計画(案)、予算(案)について

4.代表者会議、ブロック提出議題について

 各ブロックからの提出された議題を、長時間かけて意見を出し合い、4題とする。

5.宣言案・決議案について

6.会報『あかね』について

 11月号の原稿を多くの会員のみなさんから募集していること。

7.平成30年度第2回全国代表者会議の持ち方について

 今までのホテルでの会議は、費用の面で利用しにくいので、他に利用しやすい所を検討している。

8.その他

 定款の改正により、各ブロックの全国委員の任期も変わるので、ブロックで検討して決める。また、レポート発表のテーマが毎年変化がないので、別の課題にした方が良い。

 予定時間が大幅に遅れ、代表者会議が終了しました。


 午後1時から第1部の研修会が行われました。講師に、群馬交響楽団専務理事の折茂 泉(おりも いずみ)氏を迎え、「群馬交響楽団の歩み」のテーマで歴史ある群響(ぐんきょう)の講演をされました。

 次に、群馬交響楽団、弦楽四重奏の美しいさわやかなモーツァルトの曲や、何度か聞き覚えのある曲をメドレーで聞きました。

 第2部は、レポート発表と意見交換会が行われました。テーマは、「家事の工夫とコツ」です。

 全国9ブロックから代表者の発表があり、料理、整理整頓の工夫、掃除、近所づきあい等々、視覚障害者ならではの工夫がありました。

 助言者に三菱電機株式会社坂田理彦(さかた まさひこ)氏、整理収納アドバイザーの山口智子氏、竹下義樹日盲連会長を迎え、的確なアドバイスをいただきました。

 その後、会場からの活発な意見交換が行われ、視覚障害者が日常生活を送るためには、自分自身でいろんなことを工夫したり、少しずつ自立しなければ福祉サービスを待っているばかりでは自立出来ないことを痛感しました。

 午後6時から懇親会が始まりました。今回はアトラクションに、男女数名のプロのチンドンマンが、ところ狭しと動きまわり、子供の頃の思い出がよみがえりました。昔なつかしい音色が響き、食欲もすすみ、代表者会議の疲れも群馬の山々に飛んでいきました。


 3日目は、午前10時から、500余名の参加者のもと、第1部式典が始まり、国歌並びに女性協の歌を斉唱し、竹下義樹日盲連会長、同前田美智子女性協会長が主催者側からの挨拶をされました。

 次に、木村功群馬県視覚障害者協会会長、阿部央美(あべ てるみ)群馬県大会実行委員長が歓迎の挨拶をされ、多くの来賓の方々の祝辞がありました。

 第2部は始めに議事が行われ、代表者会議の報告がなされ、拍手で承認されました。最後に宣言と決議が読み上げられ、満場の拍手で採択され、3日間の研修大会は終了しました。

 今回の大会は北陸新幹線が開通したお陰で、前泊することもなく秋雨のような2日間でしたが、世界遺産の富岡製糸場も見学してきました。

 来年は、8月31日から9月2日にかけて島根県で行われます。多くのみなさんの参加をお待ちしております。



《事業報告》
◆理事会・評議員会・支部長会・定期会員総会

総務部部長 佐生 秀一(さそう ひでかず)

1 理事会、評議員会、理事会の開催

 平成29年6月4日午前10時から、ライトセンター研修室において今年度第1回理事会(旧役員13名の出席)で、社会福祉法人制度改革後初めての開催となりました。

 はじめに会長は挨拶の大半を、今私どもの中で大きな問題となっている平成医療学園傘下の4校(大阪・東京・仙台)で、あはき法19条をめぐる裁判が続いている事について話されました。

 あん摩師等法(正式名称「あん摩マッサージ指圧師、はり師、きゅう師等に関する法律」)の19条は、「当分の間、国は、視覚障害者であるあん摩マッサージ指圧師の生計の維持が困難とならないよう、あん摩師等の数、学生数などを考えて、あん摩師を養成する学校の新設や定員の増員認定等をしないことができる。」と定めています。

 今回、日盲連加盟団体ではあはき19条訴訟について、今後の裁判傍聴に加え、はがき陳情・署名活動及び募金への協力を推し進めることになり、早速本県理事の皆さんにも呼びかけ、協力の依頼がなされました。

 その後、平成28年度事業報告、同決算報告について審議・承認されました。

 続いて、定款の変更について(理事のうち副会長3名、4名を業務執行理事)の案件を審議・承認して、午後からの評議員会に提案することとなりました。

 最後に、今回を最後に退任される、外部理事として本協会にご尽力いただいた西山理事・本協会員の上坂(こうさか)理事よりご挨拶をいただき終了しました。

 午後1時からは、平成29年度定時評議員会が、評議員16名の参加で開かれ、会議の冒頭、今年3月末に初めて開催された評議員選任委員会についてその内容が、委員の一人である白口務(しらぐち つとむ)監事のほうより報告がなされました。

 その後の会長挨拶で、午前の理事会同様に熱い呼びかけ、協力の依頼がなされました。

 続いて理事会から付託された審議事項について議論が交わされ、それぞれ承認していただきました。

 その中で、次期役員(理事・監事)の選任については、今回から初めて一人ずつ個別に挙手採決がなされ、全員が選任されました。(この時点から1期2年間)

 最後に、新たな相談役に中西前会長を推薦することが報告され、3時前に終了。その後に午前と同様、評議員の皆さんにも署名用紙を受け取っていただき、募金にも協力していただきました。

 なお29年4月から評議員の任期が、1期4年に改められました。

 午後3時からは新役員が出席して第2回目の理事会を開催。ここでは、会長・業務執行理事の互選について審議され、塘添誠次さんが本協会会長に再任されました。

 その後、専門部長、及び専門部員の選任について協議、内定して、この日の会議を終了しました。


2 支部長会、定期会員総会開催

 平成29年6月11日(日)午前10時からライトセンター研修室において、支部長・各部代表・相談役・監事・理事(支部長兼任も含む)、事務局の19名が出席して支部長会が開かれました。

 6月4日の新定款による理事会で再任された塘添会長は挨拶で、新定款に基づいた評議員会により、理事11名・監事2名が選ばれたことが報告されました。

 次いで事務局から新しい理事・監事が紹介された後、平成29年度の事業計画案が報告され質問を受けました。

 その中で会長は、家族激励大会参加者に支部支援金として助成金を出し、参加者が前年度より約1割増えたことや、定時評議員会が年1回になるので、3月最終の日曜日に開いていた評議員会を拡大して支部長・部会長・相談役も含めた合同会議としたい考えが述べられました。

 続いて各支部や部会の28年度の取り組み状況や同行援護、日常生活用具などについて話し合い、各支部から詳しい報告がなされるなど、有意義な情報交換の場となりました。

 午後1時からは70名近い会員が出席して、平成29年度の定期会員総会が開かれました。

 式典に先立ち、28年度に亡くなられた会員の方々に対して1分間の黙祷を捧げた後、永年、当協会の常務理事としてご尽力くだされた萩中俊一(はぎなか しゅんいち)氏に、塘添会長から感謝状および記念品が贈られました。

 続いて、会長は挨拶の中で、5月21日に行われた北信越グランドソフトボール大会で優勝した富山県チームが今日、三重県に出向き、中部地区代表決定戦を行っている時間にあわせるかのように、三三七拍子のエールを送りました。

 また、あはき法19条訴訟問題について、視覚障害者あはき師の生活を守るための募金や請願署名のお願いをされました。

 次いで、来賓の田畑裕明(たばた ひろあき)衆議院議員、五十嵐務(いがらし つとむ)県議会議員、富山県厚生部部長(代理 齊木(さいき)障害福祉課課長)、富山県社会福祉協議会会長(代理 車(くるま)専務理事)、久々江除作(くぐえ よさく)富山県身体障害者団体協議会会長の各氏からご挨拶をいただきました。

 式典終了後、休憩をはさんで事務局から会員の皆さんに新役員が紹介され、次いで議事に入りました。

 平成28年度の事業報告、決算報告、監査報告について審議し、拍手多数で承認。続いて平成29年度の事業計画案、予算案の審議に入り、同じく拍手多数で承認されました。

 3時頃から懇親会に移り、あちこちでにぎやかな談笑が交わされる中、三重県から代表決定戦の残念な報告が…。結果を受けて早朝から慌ただしいスケジュールの中、試合に臨まれた選手の健闘をたたえる声が多く聞かれました。

 最後に、今回の定期会員総会は社会福祉法人制度改革初年度でした。また、グランドソフトボールメンバーのやむをえない欠席にも関わらず、多くの会員の皆様にお集まりいただいて、盛会のうちに終えることができた事を喜ばしく思います。


3 第3回理事会

 9月13日(水)午後2時から理事10名・監事1名の参加で開かれました。先の6月4日の定時評議員会で定款の変更が承認され、登記手続きが完了したことを受けて、副会長・業務執行理事の互選について満場一致で承認されました。


◆ 別表 平成29年度新役員名簿

総務部 担当役員

 会長 塘添 誠次  業務執行理事(部長) 佐生 秀一

施設部 担当役員

 副会長 堀 惠一  業務執行理事(部長) 笹木 希一(ささき きいち)

厚生部 担当役員

 副会長 山内 正一  業務執行理事(部長) 濱野 昌幸

文化部 担当役員

 副会長 安田 庄内  業務執行理事(部長) 高島 ヒサ子

 理事 梅本 直明(うめもと なおあき)

 理事(外部) 山本 なつみ

 理事(施設長) 高島 豊

 監事 白口 務、宮田 孝男

 評議員 18名

 池田 一義、高橋 克人、林 勝彦、宮口 覚、柳沼 芳一

 山口 勇、田口 正明、本江 とみ子、今井 睦人、布尾 英二

 岩城 久信、舟川 由紀子、岩城 明日香、福江 明、中山 君枝

高橋 亨、柳田 信子、大垣 輝夫(外部)

 青年部部長 高橋 亨  女性部部長 柳田 信子

 スポーツ部部長 池田 一義  三療部会会長 堀 惠一



◆三療部会だより

三療部会会長 堀 惠一

◎ 第1回三療部会と平成29年度総会が6月25日(日)富山県視覚障害者福祉センター盲人ホームにて開催されました。

 午前は10時から10名が参加し、ボランティアさん1名とガイドヘルパーさん1名に治療奉仕を行い、他はそれぞれにペアとなって施術交換し、技術の習得につとめました。

 午後は1時から平成29年度総会を11名の出席で行いました。

 28年度の事業報告に続いて28年度の決算報告があり、現在行われている日盲連が取り組んでいる「あはき等法19条に関する裁判」にかかわる署名、募金についてや、会計にある残金の有効利用などについて意見交換がされた後承認されました。

 その後、いかにして会を活性化すればいいか、会員の増加へ向けての取り組みやこれからスキルアップに向けて困っている症例や勉強したい内容などに加え、職場におけるパワハラ問題も飛び出すと共に、三療をもっと知ってもらうために治療奉仕もやればなどのいろいろなことについて意見を出し合いました。

 それから、日マ会の賠償責任保険への勧誘もおこなわれ、次回の部会を9月10日に予定すること、県協会の文化祭に治療奉仕の場を設けていただくことなどを決めて終了しました。

◎ 第2回三療部会は9月10日(日)にセンター盲人ホームにおいて開催されました。

 午前は10時から9名の参加で、ボランティアさん2名とガイドヘルパーさん1名に治療奉仕を行いその後はいろいろな情報交換をしました。

 午後は新しく入会された人を含めて、6名の参加で卒後、初めての病院勤務でどのように施術したらいいか迷っていらっしゃる会員さんから五十肩、膝痛などの疾患に対して、限られた時間でどのような体位でどのようにマッサージしたらいいかや、いろいろいらっしゃる患者さんとのやりとりなどや職場でのコミュニケーションについて先輩の先生から実技も含めていろいろとアドバイスを受けて勉強されました。

◎ 個別の特別勉強会  5月14日(日)、7月23日(日)にセンター盲人ホームにおいて4名の参加で、卒後病院での施術などに困っている後輩の話を聞かれ、希望されて、後輩の育成という観点からもと、かつてでられた病院勤務の長かった先輩により施術指導が丁寧に行われました。しばらく何回か継続される予定です。



◆ボランティアと利用者交流会

施設部部長 笹木 希一(ささき きいち)

 前日までの豪雨が朝まで残った7月2日(日)、富山県視覚障害者福祉センター(通称ライトセンター)で、点訳・音訳のボランティアの皆さんと、私達センター利用者との交流会がありました。

 100名あまりの参加のもと、10時半より開会式が行われ、塘添会長の挨拶のあと、歩行訓練士であるセンターの高島所長による「上手なガイドの仕方・され方」の基本を実技を交え講習を受けました。

 午前中は、点訳1グループと音訳2グループに分かれ、図書の利用促進と利用者の望む図書はどういったものなのかを話し合うとともに、ボランティアの皆さんへの要望について活発な意見交換を行いました。

 12時からの全体会議では、各グループで話し合われた結果を発表し、センター図書館の利用促進につなげるよう活かしていくことを確認しました。

 昼食後、ボランティアと利用者がペアを組んで、近くの富山県護国神社まで歩いていきました。

 神社では、段差のあるところや曲がり角等に神社の関係者の皆さんがおられ、お参りするところまで私達を誘導してくださいました。そこには、100名の参加者が座れる椅子が用意されていました。

 サプライズで歌を奉納に来ておられた「椿れいさんのバンド(ギター・シンセサイザー・ボンゴ・二胡)」の演奏で歌を五曲聴き、最後にみんなで「ふるさと」を合唱するという思わぬ体験をすることができました。

 そのあと、公式参拝を行い、宮司さんから神社のいわれなどを聞いた中で、護国神社には戦争で亡くなられた28,682柱がまつられているとのことでした。多くの皆さんの犠牲のもと、現在の平和な富山県があることを忘れないでほしい旨のお話がありました。

 帰りには、神社のパンフレットやボールペンなどの入ったお土産をいただき帰路に着きました。

 センターへ戻り、堀副会長の閉会の挨拶があり、その中で私達利用者が点字本や音訳テープやデイジー図書のおかげでいろんな作品を楽しめるのも、点訳・音訳ボランティアの皆さんが苦労されて製作してくださるおかげです。感謝の気持ちを込めて、大きな拍手で交流会を締めくくりました。



◆第66回点字競技会・第18回パソコン競技会

文化部部長 高島 ヒサ子

 8月27日第66回富山県点字競技会および第18回パソコン競技会(携帯電話を含む)が磯部の富山県視覚障害者福祉センターにおいて行われました。

 この日は外に出ると、空は晴れてとても気持ちのいい日で、それとなく秋の気配を感じました。センターの研修室に行くと、いつものように友だちの明るい声があちこちから飛び交って楽しい雰囲気でした。

 始めに塘添会長の励ましの言葉をいただきました。そのあと、点字競技の審査員として、忙しい中を来ていただいた視覚総合支援学校の先生方4人お一人お一人の声を聞いてたいへん嬉しく思いました。

 オリエンテーションで少し声を出さなくてはならない私は、競技が始まると、記憶書きで、ある短文のマスあけを間違えているのに気づかず、呆然と我を忘れてはちゃめちゃになってしまいました。

 考えられないミスですが、失敗をしてもあの競技中のワクワク感、ドキドキ感が私に元気を与えてくれるのです。これからも恥をかいても、失敗をしてもきっと出てきます。

 最近は、年配の方も点字を習っています。どうか来年はもっと今より多くの方に出ていただきたいと思います。きっと楽しい気持ちになります。

 点字競技の種目は、記憶書き、聞き書き、写し書き、速読みの4種目です。

 13時から14時40分まで堀江謙一作『太平洋ひとりぼっち』というシネマデイジーを皆さんで観賞しました。

 小さなボートで波と戦いながら船が途中で壊れても水をかきだしながら進む様は私たちの心の中に情景がはっきりと伝わりました。

 日本からカナダのトロントへ着いたシーンでは胸が熱くなり感動の涙を流しました。情景がわかりやすくて絵を見ているような気持ちになりました。

講評

 土田先生(視覚総合支援学校)

・常日頃から点字を読むように心がける。読めなくならないようにしてほしい。

・「2019年」を間違えた人が何人かいた。

・来年、表記法が変わる。

・疑問符、感嘆符が書けていなかった。

・ざせつ、あしかせが記号で読めなかった。

 筒井さん(あゆみ会)

・上位は大接戦だった。

・朗読の聞き書きは加点方式なので、長い方が有利。

・最初の一文字は空ける。

・短文、ひらがなは上手だった。

・時間が足りなかったのか、記載漏れなど不十分な回答があった。

 支援学校4名の先生方、ボランティア6名の方、お忙しい中を私たちのために丁寧なご指導をいただき本当にありがとうございました。心より感謝申しあげます。参加された皆さん、ご協力ありがとうございました。


各競技 成績結果

【第66回富山県点字競技会】

団体 第1位 富山市チーム

   第2位 射水市チーム

   第3位 高岡市チーム

個人総合 第1位 上沢淳一(うえざわ じゅんいち)(富山市)

一般の部個人総合

   第1位 上沢淳一(富山市)

   第2位 松波律子(高岡市)

   第3位 佐生真理(さそう まり)(魚津市)

中途失明者の部個人総合

   第1位 塘添誠次(射水市)

   第2位 谷内幸子(たにうち さちこ)(富山市)

   第3位 柳田信子(富山市)

田島杯 佐生真理(魚津市)

【第18回パソコン競技会】

   第1位 田口明美(高岡市)

   第2位 山口 勇(高岡市)

   第3位 上沢淳一(富山市)



◆平成29年度宿泊研修「視覚障害者と家族激励大会・歩行訓練・研修会」

厚生部部長 濱野 昌幸

 9月16日(土)・17日(日)に今年度の家族激励大会が行われました。今年は高岡支部の担当で雨晴温泉「磯はなび」を主会場に80名の参加で行われました。

 始めに行われた激励大会では、塘添会長のあいさつ、開催地を代表して上坂高岡支部長より歓迎のことばをいただきました。また、来賓の吉澤高岡市福祉保健部長、尾崎高岡市社会福祉協議会会長、京紺(きょうこん)高岡市身体障害者協会会長から激励のお言葉を賜りました。

 次に行われた歩行訓練では高岡市の重要文化財・雲龍山(うんりゅうざん)勝興寺(しょうこうじ)に移動し、観光ボランティアガイド「比奈の会」のみなさんに案内していただきながら境内を散策しました。

 夜の懇親会では高岡・南砺両支部の皆さんによる余興が披露されました。2台の津軽三味線の伴奏で民謡を歌ったり、踊ったりとにぎやかに盛り上げていただきました。

 翌日は研修会が開かれ、「今に伝える二上のまつりと日本人のこころ」と題して二上射水神社宮司・炭谷一彦(すみたに かずひこ)様よりご講演をいただきました。

 来年の激励大会は黒部支部の担当で行われます。たくさんの方のご参加をお待ちいたしております。



《みんなの広場》
◆第70回全国視覚障害者徳島大会に参加して

小矢部支部 牧野 清美(まきの きよみ)

大会スローガン

 1 急げ 南海トラフ巨大地震対策

 2 守ろう あん摩師等法19条と視覚障害あはき師の職業領域

 3 なくそう 同行援護の地域間格差 確立しよう 外出時の安全

 4 実現しよう マラケシュ条約の批准と読書バリアフリー法

これら4項目が実現されることにより、私たちの日常生活が今よりよりよくなることを願い、各県からの代表の方々が、26日からたくさんの話し合いをされた結果のスローガンです。

27日

大塚国際美術館

 玄関広場には、館内に展示されている世界15か国の国旗が15本のポールに掲げられ勢ぞろいしていました。建物の高さも環境に配慮して、地下3階、地上2階の高さ、自然の中にひっそりと建っていました。

 中に入ると、広さと大きさにまず驚き、すべての作品が実物大で作成され展示してあるとの説明を受けます。

 係の方が説明してくださったのは、次の5作品です。

「システィーナ礼拝堂」

 天井画と壁画を描いたミケランジェロ。天井が高くて見上げなければなりませんでした。ミケランジェロは、弟子に任せず自分で描いたとのことでした。とにかく広い、これが美術館の中にあることが不思議です。

 この場所で横綱白鵬(はくほう)が結婚式をあげた様子の写真が展示してありました。コンサートも開かれています。

「レオナルド・ダ・ヴィンチの最後の晩餐」

 修復前と修復後の二つの絵が向かい同士に展示してありました。キリストが着ていた服の色の違い、弟子のひとりであるユダの手元の違い、説明を聞きながら手でそっと触れてみる。これまでできなかった体験でした。

「モナリザ」

 何度も何度も見たことのある絵です。これが本物の大きさなのだということがわかりました。

「ゴッホのひまわり」

 ひまわりの絵は何枚か描かれているとのことでした。

「モネの睡蓮」

 外に池が作られていて、その中に睡蓮が浮かんでいて、その池を取り囲むように塀上に絵が描かれています。天候によりいろんなふうに、この絵が変化していく様子を楽しめるのだということでした。私たちが見学した時間は太陽がさんさんと輝いていたので、まぶしさが勝ってしまい、離れてみていると私の目では全体が白くしか見えなかったので、近くに寄りこれまた触ってみました。

 信楽の陶器の板に本物の写真を焼き付けてあるので、雨風にあっても作品自体は何の変化もなく、いつも本物と同じ色合いを維持できているとのことでした。

 本当にたくさんの聞いたことがある作家の作品があり、これでは時間が足りない。もっとゆっくり見たかったと感じました。

 ホテルに着くと、夕日が沈もうとしていて、これまた時間がゆっくりと流れていきます。

28日

 昨日見た夕日を思い、今朝は朝日を見るつもりだったのに目覚めてみれば太陽はもう頭上。その光が、瀬戸内海にキラキラかがやき、本当に穏やかで静かな海でした。

 全国大会に参加するために徳島県の会場へと向かい、午前中の式典に参加しました。全国大会参加は今回で何回目かになりますが、本当に若いボランティアの方々がたくさんお手伝いしてくださっていて、元気な声をくまなくかけてくださっています。

 午後からは、

「阿波おどり会館」

 実際に踊りの指導がありました。その中には、外人さんがおいでました。アフリカの方だったので、リズム感がよく本当に楽しんで踊っておいでて、指導してくださった方から表彰状が渡されました。

 眉山山頂までは、東洋一長いエスカレーターで一気に登りました。


 今朝の四国版ニュースで、偶然ですが、これから行くドイツ兵の捕虜の話が世界遺産に、と伝えていました。

 日本人の優しさがドイツ兵に伝わったのでしょう、技術者がたくさんおいでたようで、いろんな技術を日本に伝えてくれたおかげで、付近の人々の生活も今の言葉で表現すれば、「ハイカラ」な事柄をたくさん教えてもらえたのでは。

 音楽好きな私としては、ベートーベンの第9交響曲の最後のほうに歌われる『喜びの歌』を伝えてくれたことがとてもうれしいです。

 日本語での歌詞で私も歌える歌です。今は12月に各地で演奏され、合唱ではたくさんの人が参加して歌います。小矢部市でも、数年前に200人の市民が歌った『喜びの歌』を聞きました。とても素晴らしい合唱でした。

 この合唱を日本で最初に歌ったのが、このドイツ兵の方々だったのだということを改めて知り、とても感動しました。館内で放映されていた映像の中での合唱に合わせて、日本語で小さな声で一緒に歌っていた私でした。

 四国八十八ケ所の一番札所「霊山寺(りょうせんじ)」に行きました。八十八ケ所は訪れてみたい場所だったので、一番札所で残り全部のお寺のお参りをすませようと、少し多めのお願いをした私でした。

 27日と28日の宴会ともおいしい料理でした。タコ飯、鯛めし、工夫された新玉ねぎの料理があり、普段の食事では味わうことのできない、ここ淡路島ならではの御馳走を味わいました。

 二晩とも盛り上がったのはカラオケ。特に今回は、ほほえましい二組の夫婦愛あふれた歌をお聞きでき、宴会場が一段と盛り上がり、参加してよかったと感じました。

29日

 今朝は寝坊せず、4時半ごろにホテルの正面にある教会の前に来ました。昨晩フロントの方にお聞きして、今日の日の出は4時50分と、下調べ万全です。同室の斎藤さん、赤石さん、そして私の3人です。

 少しひんやりしていたので、一枚はおり外へ出ました。本当に気持ちよく、数種類の野鳥の歌声をききながら日の出を待ちます。予定時間が過ぎても朝日は出てきません。あきらめて帰ろうとしたとき、「ほら、あそこに」赤くてまん丸い太陽が顔を出したのが見えました。「早起きは三文の得だね。」普段の生活では味わえないすがすがしい時間でした。

 驚いたことがありました。なんと、貸し切りバスが6台、自家用車が50~60台くらい停まっていました。たくさんの方々が宿泊しているのだなあ、その割にお風呂混んでいなかったな、そんなたわいもないことを感じました。

 旅行も今日でおしまい。いよいよ渦潮見学です。写真では大きく渦を巻いているのをよく見ますが、さて今日はどんな大きさの渦潮が見れるのだろうか? そんな期待を抱きました。

 渦潮のできる時間帯があるので、その時間帯に間に合うようにとホテルを出ます。渦潮見学がしやすいようにと、長い長い見学道「県立渦の道」を歩きます。

 この道の途中にガラス張りの箇所があり、すぐ眼下に波の動きが見えていて、少し怖い感じもしました。海が眼前に広がり、波の動きを観察できるのです。

 波がぶつかり合うと白い波がしらができ、その白さの動きを見ていると、ゆっくりゆっくり渦の形の動きをしていきます。波の速度が、岸に近づくに従い弱くなり岸が白く縁取られ白いマフラーでもしているように見えます。

 そして、渦は小さな形になっていくのですが、小さいなりに渦になろうとゆっくり白波を立てながら動き続けていました。実際にこの動きが観察でき、自然の現象に感動しました。

「淡路人形座」

 まず驚いたのは、人形の大きさです。大人の身長と同じくらいの大きさでした。この人形一体を、3人の人が息を合わせて動かしています。その動きは本物の人間と同じような動きです。3人と人形がひとつの動きをしています。

 舞台で上演された人形浄瑠璃の演目は、みんなに福が来るようにと、恵比寿さんの話と八百屋お七のはなし。本当に人形が生きているのです。

 大会が行われたのが徳島県、宿泊したのは淡路島のある兵庫県、そのために、間をつないでくれた大橋を2回も往復することができました。

 本当に初体験満載の旅行でした。お世話してくださった皆様方本当にありがとうございました。来年は70周年記念大会なので、東京となっています。

 また、新しい体験ができたらいいなあ!!


*マラケシュ条約とは

 盲人、視覚障害、その他印刷物の判読に障害があるものが、発行された書物を利用することを促進するための条約。

 2013年6月17日~28日の間、モロッコのマラケシュで開かれた世界知的所有権機関(WIPO)会議で採択され2016年9月30日発効。

 書籍、難読なもの、テキスト形式のものやオーディオブックなどの音声形式の書物が、デイジー図書、点字本、大活字本、およびそのアクセシブルなフォーマットによって、読む(聞く)ことができるようになります。



◆囲碁交流会を開催して

富山支部 笹木 希一

 日中の最高気温が33度を超える猛暑の平成29年8月6日(日)、10時から3時30分まで、JR富山駅前のシックビル3階のとやま市民交流館において、「とやまライト囲碁教室」主催の囲碁交流会を開催しました。

 安田代表の開会のあいさつの中で、「とやまライト囲碁教室を立ち上げて3年目になりますが、県外から多くの参加者を得て、このような交流会が開催できる事を本当に喜んでいます。これを機会に、次回はもっと多くの参加者があるような交流会にして行きたいと思います。」

 今回、東京のブラインド囲碁サークルから7名と、付添2名、高山市から1名、富山から7名、ボランティア4名の計21名が参加され、19路盤が六面と、9路盤が二面で、午前一局、昼食をはさみ二局の対局をしました。

 各対局とも、時間を超える熱戦がくり広げられ、1時間半で一局のつもりが、2時間を超える対局もありました。

 最後には、東京から見えられた囲碁福祉協会の人による判定に持ち込まれる対局もありました。

 対局終了後、安田代表の閉会のあいさつの中で、「和気あいあいのうちに対局が進み、楽しい一日を過ごさせていただきました。今日参加いただいた皆さんと、新たな参加者を迎えて、このような交流会が開けるよう努力していきたいと思います。」で締めくくり、会場を変えて懇親会場へと移動しました。

 懇親会場は、松本保男さんに準備していただいたマリエとやま6階のだいこく屋で、富山の味覚を楽しんでいただきながら、今日の感想を一人ずつ述べていただき、囲碁福祉協会の方から対局の総評と感想も述べていただきました。こうした交流会が各地でもっと広がっていくように取り組んでいきたいとの挨拶をいただきました。

 懇親会の終了にあたり、代表の安田庄内さんから、「初めての囲碁交流会に東京のブラインド囲碁サークルと、高山市からの参加者を得て和やかなうちに終了できますのも、交流会を支えてくださったボランティアの皆さんのおかげです。本当にありがとうございました。」

 午後5時30分に懇親会を終了し、JR富山駅から、新幹線や高速バスで帰路に着かれました。



《事務局から》

◆消息 訃報

 堀岡  薫(ほりおか かおる)氏(射水市)   4月 逝去

 野田 暢次(のだ ちょうじ)氏(富山市)    7月 逝去

 中川 健一(なかがわ けんいち)氏(富山市) 7月 逝去

 稲葉 志津香(いなば しずか)氏(魚津市)   7月 逝去

 坂林 澄子(さかばやし すみこ)氏(高岡市)  8月 逝去

  ご冥福をお祈りいたします。



◆時事暦(4月~9月)

4月16日(日) 第17回富山県障害者スポーツ大会〔水泳競技〕(東富山温水プール)

4月23日(日) 富山湾岸サイクリング2017(魚津市) 15名

5月13日(土) 出会いと語らいの集い(南砺市)

5月20日(土)・21日(日) 「第44回北信越グランドソフトボール大会」が長野県で開催され、富山県から19名参加

        結果は、1位 富山県、2位 新潟県、3位 長野県

5月21日(日) 第17回富山県障害者スポーツ大会〔陸上競技〕(県総合運動公園)

5月26日(金)~28日(日) 「第70回全国盲人福祉大会〈徳島大会〉」が開催され、富山県から総勢38名参加

6月4日(日) 午前10時 平成29年度第1回理事会

        午後1時 評議員会 午後3時 第2回理事会

6月11日(日) 午前10時 支部長会 午後1時 平成29年度定期会員総会

        会員63名 感謝状(萩中俊一氏)の贈呈

6月11日(日) 東海北信越地区グランドソフトボール代表決定戦(三重県)

6月15日(木) 平成29年度点訳・音訳ボランティア養成講習会開講式

        点訳1名 音訳4名

7月2日(日) ボランティアと利用者交流会「富山県視覚障害者福祉センター・富山縣護國神社」

        会員50名 ボランティア49名

7月16日(日) センタークリーン作戦 約40名

8月26日(土)・27日(日) 第63回全国盲青年研修大会(鹿児島県) 2名

8月27日(日) 第66回点字競技会・第18回パソコン競技会

        点字競技15名・パソコン競技(携帯電話含む)10名

9月5日(火)~7日(木) 第63回全国盲女性研修大会(群馬県) 6名

9月16日(土)・17日(日) 宿泊研修〔視覚障害者と家族激励大会・歩行訓練・研修会〕(高岡市 磯はなび) 73名

        講演「今に伝える二上のまつりと日本人のこころ」

        講師 二上射水神社宮司 炭谷一彦氏

9月24日(日) 第17回富山県障害者スポーツ大会〔フライングディスク競技会〕(県総合運動公園)



◆平成29年度後期の主な行事予定

10月8日(日) 第43回富山県視覚障害者球技大会〔グランドソフトボール・サウンドテーブルテニス〕

        (南部中学校・センター)

10月15日(日) 第41回視覚障害者文化祭・福祉機器展(センター)

10月21日(土)・22日(日) 第26回北信越サウンドテーブルテニス大会(福井県)

10月28日(土)~30日(月) 第17回全国障害者スポーツ大会(愛媛県)

11月12日(日) 第17回富山県障害者スポーツ大会〔卓球競技〕(県総合体育センター)

11月12日(日) 三療研修会(センター)

11月18日(土) 出会いと語らいの集い(福井県)

11月25日(土)・26日(日) 北信越ブロック大会(富山県)

12月3日(日)~9日(土) 障害者週間

12月3日(日) 更生相談会・結婚相談室・意見交換会(センター)

12月末 会報「ゆきしろ」第76号発刊

―平成30年―

3月25日(日) 合同会議(センター)

3月28日(水) 第4回理事会(センター)



《編集後記》

文化部部長 高島 ヒサ子

 暑い夏もあっという間に過ぎてすずしい季節を迎えようとしています。今年もいろいろな行事をたくさんやりました。それぞれの行事が思い出として心にいっぱい残っているでしょう。

 ただ気になるのは、あちこちで起こった自然災害に、神・仏があるのかなぁ、ないのかなぁと心が迷います。

 しかし、ここ富山では幸い大きな災害もなく、今更ですが、何ていいところだろうと思います。年配の方からは「富山はきっと立山のおかげだ」と喜びの声や感謝の声を何度も耳にしました。私もそんな気がします。

 皆さん『ゆきしろ』をご愛読いただきありがとうございます。それに原稿をお寄せいただき、心より感謝申しあげます。今後ともどうか宜しくお願いいたします。




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