会報「ゆきしろ」70号

(平成26年9月発行)


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     第70号
(発行者)
 社会福祉法人 富山県視覚障害者協会
 〒930-0077
  富山市磯部町3丁目8番8号
 電話 (076)425-6761
  Fax (076)425-9087
 Eメール:bcb05647@nifty.com
 Homepage:http://www.toyama-ssk.com
(発行責任者)
 会長  中西 美雄


 上の題字は 鶴木大壽 氏によるものです。

【ゆきしろ(雪代)の意味】

 雪国にあって、大地が春の雪原と接する部分で静かに融けはじめ、しずくとなり、やがてかすかな流れをつくり、それが集まって春のはじめの雪どけ水となって音をたてて大河に注ぐ様を、古くから俳句における春の季語として「雪代(ユキシロ)」とよばれています。
 当協会が、このしずくが集まって大河をつくるように大きく発展していくよう、願いを込めて命名いたしました。

     【ゆきしろ70号 目次】

《巻頭言》

◆障害者権利条約の批准後の福祉サービスはどう変わるのか??  中西美雄

《大会参加報告》

◆平成25年度 日盲連北信越ブロック会議
★1 代表者会議  中西美雄

★ 1日目(2月15日)

★ 2日目(2月16日)

★2 青年部協議会  濱野昌幸

★3 女性部研修会・協議会  柳田信子

◆みんなよく頑張った 本年度のグランドソフトボール大会  高橋克人

◆第67回全国盲人福祉大会<大分大会>  中西美雄、塘添誠次

★ 第1日目(5月29日 木曜日)

★ 第2日目(5月30日 金曜日)

★ 第3日目(5月31日 土曜日)

《事業報告》

◆理事会・評議員会・定期会員総会  布尾英二

◆三療部会だより  堀 惠一

《みんなの広場》

◆「とやまライト囲碁教室」発足  安田庄内

◆第67回全国盲人福祉大会大分大会に参加して  荒木美代子

◆1年を振り返って  センター職員 北野稜子

《事務局から》

◆消息 訃報

◆時事暦(1月~6月)

◆平成26年度後期の主な行事予定

《編集後記》  上坂敏彦


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《巻頭言》
◆障害者権利条約の批准後の福祉サービスはどう変わるのか??

会長 中西 美雄

 去る1月20日に「障害者権利条約」が日本国から国連本部に提出され我が国は141番目の批准国となりました。2006年に国連総会において採択され、8年をかけてやっと批准がなされました。

 この条約案を国会が承認するまでに障害者に関する法律が新しく作られたりそれまでのものを改正したりして、条約批准を行うための国内の法整備がなされていたわけです。

 前号でも書きましたが、「障害者差別解消推進法」であり、「障害者虐待禁止法」、「障害者総合支援法」などです。これらの法律によって障害者権利条約が示している権利や人権、尊厳といったものが保証されていくのだと思います。

 一方、本県においてもいくつかの新事業が始まっています。4月から富山県視覚障害者福祉センターが富山市との間で「災害時避難所」の協定を結びました。これは、一時避難所(主に校区の小学校)において避難生活に困難を来す視覚障害者とその家族が対象となります。

 もう一つは、平成26年度から「同行援護従業者養成研修事業」が、それまでの県民カレッジに代わって協会が実施することになりました。これによって、受講対象範囲を拡大することが出来、同行援護を主とするガイドヘルパーの増員ができればと考えています。

 協会として大きな出来事は、29年間にわたりセンター所長として協会の事務局長として、協会のこと、センターのこと、会員のことに優しく細やかに気遣っていただきながら勤務していただきました宮田所長が退職されたことです。

 後任としてお迎えしたのが、前視覚総合支援学校教頭で「歩行訓練師」でもある高島豊さんです。新高島所長は、前宮田所長にも引けを取らないくらい優しくて心づかいの行き届いた方です。これからの協会とセンターの舵取りを任せるにふさわしい指揮権を持たれた最適任者であると考えます。

 会員の皆様も新所長のもと、協会やセンターの事業の推進や健全な運営にご協力をいただきますようお願いいたします。


《大会参加報告》
◆平成25年度 日盲連北信越ブロック会議
★1 代表者会議

会長 中西 美雄

 今年は、年初めから気温の変動が厳しく集中豪雨や集中豪雪、そして、60年ぶりの大雪や突風・竜巻と日本列島を恐怖の中へ落とし入れていました。

 そんな中、平成25年度の北信越ブロック会議(代表者、青年協、女性協)が2月15(土)・16(日)の両日新潟県南蒲原郡(みなみかんばらぐん)田上町(たがみまち)の湯田上(ゆたがみ)温泉(ホテル小柳(おやなぎ))で開催されました。

 富山県からは、代表者会議に5名と付き添い1名、女性協に6名、事務局から1名の13名で15日の朝8時半に高速に乗りバスにて出発しましたが、青年部長は勤務の関係で列車にて出席されています。

 当日は、関東甲信越地方が大雪に見舞われ、私たちのバスも大潟(おおがた)ICで交通規制に合い柿崎(かきざき)ICまで一般道を通ることになり、到着が1時間ほど遅れてしまいました。

 同じように福井県のバスも大幅に遅れ開会式が2時を過ぎるまでずれこんでしまいました。一方、長野県は長野駅まで集合したものの、新幹線も在来線も高速道路も通行不能となり、残念ながら欠席となりました。

 そして、東京から参加される予定の日盲連の竹下会長も陸路空路とも遮断され止む無く欠席となってしまいました。こんなわけで、開会式も早々に各会議が始まりました。

★ 1日目(2月15日)

 2時半過ぎから新潟県の藤田(ふじた)理事の進行により、各県の出席者の自己紹介があり福井県から5名、石川県から2名、富山県から5名、新潟県から8名の出席者がそれぞれ自己紹介を行いましたが、残念ながら日盲連会長と長野県の元気な声を聴くことが出来ず残念に思いました。

 初めに日盲連あはき協議会報告では担当の田村長野県理事長が欠席のため中止。次いで日盲連総合企画審議会報告を新潟県の松永理事長が「例年は年に2回の会合が持たれていましたが、昨年からこの企画審議会を廃止しようという執行部の方針が打ち出され、今年度は12月に開催されました。

 そこでは、総合企画審議会を廃止した後の対策が話し合われ、新たな問題が発生した場合はそれぞれのプロジェクトチームを作って、その問題点を討議して行くことになりました。

 その他には、26年度の活動方針と事業計画を審議し、理事会に送りました。これらは、年度末の理事会・評議員会を経て大分大会で審議されるものと思います」とされました。

 続いて北信越代表理事の小山(こやま)福井県会長から日盲連理事会について、「平成25年度は7回の理事会が開催され、第1回が4月25日で、福井大会へ提案する事業報告や決算報告、大会宣言や大会決議案、スローガンなどを審議。

 第3回目が7月3日に福井大会で決議された議案を審議し、午後から関係各省庁へ陳情に出かけました。その後12月15日に総合企画審議会から上がってきた平成26年度の活動方針や事業計画および大分大会の準備状況など」を審議したことが報告されました。

Q(富山県):総合企画審議会が廃止された理由がよくわかりませんが?

A(松永):竹下会長が就任の時から審議会の必要性に疑問を持っておられました。私も審議会の仕事内容について疑問を呈したことがあります。全国大会終了後開催されるのですが、その主な仕事は全国大会で決議された議案の語句の整理や陳情先ごとの振り分けといったものです。

 これらは、事務局が整理して理事会に提出することでいいと思うし、12月に行われる審議会にしても活動方針や事業計画などは事務局で作成すれば事足りると思います。全国の意見を集める意味では必要性もありますが、理事会・評議員会・全国大会でいいのではないかと思っています。

 この他に、石川県から「総合企画審議会を廃止する前に組織を充実させる努力があってよかったのでは」。富山県から「竹下会長から日盲連の長・短期ビジョンの作成をするとの話を聞いてこの企画審議会で討議されるのだろうとおもっていた」などの意見が出されましたが、竹下会長が欠席していることもあり、小山ブロック長から次回の理事会で北信越からの意見として発言したいと表明された。

 続いて議長に新潟県の山形理事と高橋理事を選んで議事に入りました。

1.全国大会提出議題の審議では、長野県から「押しボタン式信号機の設置にあたっては、ボタンの位置を音声で確認できる機種を設置してください」

 この議案に対し、今までの信号機(かっこかっこ、ぴよぴよ)がこれに代わってしまう恐れがないか。機種名や仕様を明記したほうがいいのではないか。などの意見が出ましたが、議長発議により「長野県事務局へ今日の意見を伝え、新潟県事務局と話し合って案文を検討して提出する」となった。

 新潟県からは「冬期間における横断歩道の十分な除雪を要望する」

 この提案に対し、「歩道および横断歩道口の除雪といった方がいい」、「雪国は車道の雪を歩道に積み上げることもあるため白杖歩行は非常に困難となる。雪の降らない地域の皆さんにも理解できるような表現にした方がいい」などの意見が出ました。

 議長からは、「今の意見を参考にして、新潟県において文章を作成しなおす」との発議があり、そのように決議された。

2.「光の泉賞の候補者推薦」については、慣例に従い大会開催県である新潟県から「新潟県視覚障害者協会の山形副理事長の奥様であるゆりこさんを第67回全国盲人福祉大会に推薦したい」との発議があり、全員一致で承認されました。

3.「次期日盲連役員の選出」については、先の企画審議会報告で問題になったこともあり、最初に日盲連総合企画審議会委員の選出が議題にされました。

 富山県からは、「先の報告の内容からみて本来業務である企画や調整ではなく、その一部を行っていたように感じられます。この総合企画審議会は日盲連にとって大切な組織であるとおもいます。何らかの形で本来業務が行える組織を作るべきと考えます」。

 石川県からは、「理事会・評議員会で廃止が決まったことは仕方ないとして、新しい組織を作り、地方の意見も取り入れる形で、しっかりした担当副会長を置き、そこで決まったことは各団体へ情報として流すようなものが必要かと思います」。

 福井県からも同様の意見が出、種々ある意見を担当県でまとめ、北信越としての意見を文書化して日盲連理事会に提案することとなりました。

 北信越ブロック代表理事と北信越ブロック代表あはき協議会委員については、小山ブロック長が「11月に行われた北信越会長連絡会議の議題となり、ブロック代表理事には福井県の小山会長が、あはき協議会委員については長野県の田村理事長の留任ということが申し合わされています。その時は総合企画審議会の廃止が話題になっていなかったので、新潟県の松永理事長を推薦していましたが、松永理事長から辞退の意思表明がありました」。

 富山県から、「新しい組織ができ北信越ブロックから担当委員の推薦依頼があった場合どうするかを決めておいた方が良いと思いますが…」という意見が出ました。これに対して、小山ブロック長から「その時は松永理事長にお願いしたいと思います」とあり、満場一致で三氏を推薦することに決まりました。

4.「各県提案事項」では、石川県から、「JR西日本・東日本の各駅にある多目的トイレ便座横に音声案内装置が設置されるよう、関係機関に対して日盲連北信越ブロックとして働きかける事を決議してください」の提案があり、JR西日本と東日本の対応の違いや運動の進め方などを詳細に説明され全員一致で承認されました。

5.各県の情報交換では、石川県から点字触地図や点字表記などを設置する場合は、当事者の手を通してより使いやすいものを設置してもらうように設置段階からかかわっていかなければなりません。本県では、我々の手で確認し適切な商品であると認めた場合は監修印を押して、良い品悪い品をはっきりさせています。最近はこの作業に対し監修費をいただけるようになりました。

 富山県からは、富山県視覚障害者福祉センターが富山市との間で福祉避難所協定を結ぶ話があり、より避難生活が安心しておくれるようなマニュアル作りを目指しています。また、来年度から同行援護従業者養成研修会を協会で委託事業として行えるようになったのを機に受講者の範囲を拡大できるように交渉中であることなどを報告しました。

 新潟県からは、「笹団子ネットワーク」が紹介されました。これは、眼科医会、県視障協、盲学校、ITサポーターなど6団体で構成されているもので、眼科外来等で弱視や将来的に失明するなどの恐れのある患者に対し、眼科以降の対策について関係機関で協力し合ってサポートして行こうというものです。
などの報告がありました。

6.次年度の開催については、次期開催県である長野県が欠席しているので、長野県の意向を受けて開催時期の変更も含めてブロック長と長野県の調整に任せることになりました。

★ 2日目(2月16日)

1 講演会

 9時から「中央情勢報告」というテーマで、竹下会長の講演が予定されていましたが、豪雪の影響で中止となり、急遽「同行援護」について小山ブロック長の進行で松永理事長の話を聞くことになりました。

 最初に小山ブロック長から「同行援護ってなあに」という質問を皮切りに松永理事長のお話が始まりました。

 同行援護とは「障害者総合支援法」の中に「個別給付」という項目がありそこに「同行援護事業」という項目があります。旧法では地域の事情に応じて行うことになっていましたが、その結果として地域間格差が生じたため、日盲連としてこの格差をなくするにはどうすればいいのかを考えた結果全国統一の制度として「同行援護」を厚生労働省に陳情を重ねて勝ち取ったものです。

 この制度の特徴としては、情報の収集、代筆・代読をガイドヘルパーの業務として義務付けたことでしょう。今までの移動支援はホームヘルパーの一部に含まれていて視覚障害者の外出は介護として扱われていましたが、我々の外出は社会参加であるから我々の意思で動けるようにしてほしい。そのためには視覚でえられる情報や代筆・代読を支援してもらう形にしなければならないということでした。

 しかし、全国統一のサービスであるはずのものが現在では地域によって差が生じています。それらは、行政側の考え方であるとか事業所の問題とか、我々の運動の力のなさによるものだと思います。主な格差は、利用時間の制限、宿泊の制限、行き先の制限などです。また、ガイドヘルパーの質も全国一律でなければならないということで、同行援護の従事者研修を20時間以上行うことも決まっています。

Q(富山県):国はホームヘルパー2級の資格がないと同行援護養成講座の受講資格がないといっているそうですが?

A:国がそのような指導をしているかについてはよくわかりません。ホームヘルパー2級の資格があれば同行援護の講習会を受けずとも良いという話も聞きますが、ホームヘルパー養成講座では視覚障害について4時間程度の講習しかしていないので同行援護でいう情報の提供(代筆・代読を含む)ができるかが疑問ですね。

Q(富山県):地域で事業所を立ち上げるにはどうしたらいいでしょうか?

A:立ち上げるのは設置基準の書類によってできますが、立ち上げた後の運営については、事業所の多くは他のサービスも行っていますので、総合的に採算が合えばいいと思いますが、同行援護だけの事業所であれば現状ではなかなか難しいのではないかと思います。平成27年度から利用料の単価を改定すべく事業所に対し調査をし、改定の検討がなされているところです。

Q(石川県):同行援護等連絡協議会ではなくて、利用者代表の意見を訊く会を日盲連で設けてほしい。

A:そのような意見も日盲連に届けて善処されるように努力します。

 続いて入院時における視覚障害者への対応は?という問題について話が始まりました。

 この問題は20年も前から女性部が運動を続けています。平成25年度から「医療と福祉の狭間プロジェクト」という会が出来ました。そこには日盲連、全国看護師会、福祉首都圏大学、女性部、同行援護から私が参加して協議を重ねています。

 そこで浮かび上がってきたものは、看護師法とホームヘルパー・ガイドヘルパーの法律に噛み合わないところがあって法律の改正が必要であることが分かりました。そこで、これらの問題点をまとめた小冊子を作り関係機関や国会議員に配布し理解を求め、法律の改正につなげようという動きになっています。

 最後に差別解消法について平成25年6月に厚生労働省から出された文章を福井県事務局長が読み上げるので、これからの参考にして下さい。

 平成24年9月内閣府障害者政策委員会の元に差別禁止部会の意見がまとまりました。その意見を基に平成25年6月19日に国会で「障害者差別解消推進法」が成立しました。今後この法律はガイドラインの作成や広報啓発等の準備をして平成28年4月1日から施行されます。その内容は、

 1.障害を理由に差別的取り扱いや権利侵害をしてはいけないこと。

 2.社会的障壁を取り除くための合理的配慮をすること。

 3.国は、差別や権利侵害を防止するための啓発や知識を広めるための取り組みを行わなければならないこと。

を定めています。

2 全体会議

 10時30分から新潟県視障協の水野(みずの)千津子(ちずこ)理事の司会により、昨日開催されました各会議の報告がありました。代表者会議は新潟県視障協の山形副理事長が、青年部協議会は新潟県視障協の河内(かわうち)理事が、女性部協議会は新潟県視障協の上林(かんばやし)女性部長と木村女性部員によって熱心な討議の様子や決定された事項などが報告されました。

3 閉会式

 11時より、開催県代表である新潟県の松永理事長より、「大雪の影響で竹下会長や長野県からの出席がありませんでしたが、熱心に実のある討議を行っていただきましてありがとうございました」との挨拶があり、続いて次期開催県である長野県代表の田村理事長の代わりに小山ブロック長から次期開催時期について、長野県の意向を受けて各県代表や日盲連との調整を行ったところ、平成26年の11月29日・30日が適当であるとのことになりましたので、来年度の北信越ブロック会議は11月29日(土)・30日(日)に決定したことが報告され二日間にわたって開催された北信越ブロック会議は終了しました。


★2 青年部協議会

青年部 部長 濱野 昌幸

 平成25年度北信越ブロック会議青年部協議会へは私、一人の参加となりました。大雪の日に温泉宿の会場で遭難しかけたりもしましたが無事にその役割を果たしてきました。

 会議の内容は準備も企画もなく、「ただ時間になったら話し合いをしましょう」的なものでした。そんな中でも盛り上がるのは、現状報告です。富山・福井の活動内容を聞き、新潟・石川の「質問タイム」がはじまります。隠すこともないので極めてオープンにしてきたつもりです。毎年しているのに今年も同じような質問でした。

 新潟と石川が前進しないわけがわかる気がします。ちなみに北信越の現状はこうです。

 福井・富山は独自の方法で会員を集め青年部を組織しています。新潟・石川は青年層はいても青年部はいない状態です。長野についてはそれすらつかめていません。一言でいえば崩壊寸前です。26年度の大会になっていきなり解決されているとも思えません。

 ありがたいことに富山の青年部はこれまで、何がよかったのかは手前味噌になるのでここでは書きませんが、10年以上安定して活動できています。誰かひとりの人望や才覚だけではこうはならないはずです。全盲・弱視・晴眼、金持ち・貧乏人、男・女、いろいろなパーツがそろって小さな集団が組織として機能しています。そのことを再認識しました。

 会議の内容は大したことありませんでしたが、富山の青年部のみんなに改めて感謝するいい機会となりました。


★3 女性部研修会・協議会

女性部 部長 柳田 信子

 平成26年2月15日から16日にかけて、新潟県湯田上温泉の「ホテル小柳」2階大広間で女性部研修会が行われました。

 今回は、大雪の為に福井県が予定どおりに到着できず、また長野県は、移動手段すべてが絶たれてしまって参加することも出来ませんでした。

 午後2時50分から会員とボランティアを含め、約60名の参加者で研修会が行われました。

 予定時刻も大幅に遅れ、上林(かんばやし)部長の挨拶に引き続き、「きらめく心の瞳」のテーマに基づき、講師に宮澤(みやざわ)正子(まさこ)氏の講演が始まりました。

 講演を聞きながら、先生の指導に従って、手足を動かしたり顔の筋肉を動かしたり、また狭い所で隣の人とぶつかりながらの仰向けの状態で運動したりしました。楽しい、そして健康になりそうな講演でした。

 ~強い身体(からだ)と元気な心~

上記の宮澤先生の合言葉の通りになるには、日々一生懸命に精進しなければならないと思いました。

 午後4時30分から、同じ会場で協議会が行われました。最初に出席者の自己紹介を行い、続いて各県の提出議題を協議しました。

 今回は「視覚障害者が入院する際に、病院内でも今まで使っていたホームヘルパーを利用できるようにしてほしい」また「同行援護制度の地域格差、事業所格差をなくして、視覚障害者に対してもっと利用しやすいように、ヘルパーさんの車でも移動を出来るようにして欲しい」と2題を提出することに決定しました。

 次に北信越ブロックからは、9月に行われます全国盲女性大会のレポート発表テーマを「バリアフリー商品と私」に決めました。  

 最後に、来年度より女性部研修会を取りやめて、代表者会議に女性部の代表者を同席させて欲しいと提案しました。午後6時に協議会は終了しました。

 来年度は、北信越ブロック会議は、11月の第5週目の土曜日と日曜日に行われることに決定しました。雪の心配のない季節に行われますので共に参加しませんか。何かを得ることができるかもしれませんね!!


◆みんなよく頑張った 本年度のグランドソフトボール大会

グランドソフトボール部 部長 高橋 克人(かつひと)

 今期もよく練習し、全力で戦った各種大会、その結果を次のとおり報告します。

 まずはじめに、第41回北信越グランドソフトボール大会は、5月18日に金沢テクノパーク運動広場にて開催された。今大会は久々に北信越全県チームが出場する大会で、富山チームも3月から練習を開始し、清水監督以下、選手、コーチャー、総勢20名で大会に臨んだ。

 前日の組合せ抽選で、昨年決勝戦で対戦して勝った長野県が相手に決まり、試合開始となった。一回裏に先取点を取る事ができ、幸先よい試合の流れになった。

 6対2でリードした終盤、スリーランホームランを打たれ、あっという間に一点差になったが、長野県チームの追撃もここまでで大事な試合を勝つことができた。

 次は新潟県との決勝戦。特に緊張していた訳でもないのに、ちょっとしたミスが重なり3点を先取されてしまった。

 4対1でリードされ、残り少ないイニングの中、突然相手投手がストライクが入らなくなり、一気にたたみかけ、同点、さらに逆転に成功した。

 6対4で逆転勝利する事ができ、登録選手全員が試合に出場し、そして成し遂げる事ができた。

 北信越大会2連覇!

 みなさんのサポート、そして熱い応援あっての結果だと思っております。本当にありがとうございました。センター研修室にまた優勝杯をそっとかざりました。

 さて、次の試合第14回全国障害者スポーツ大会・東海北信越地区代表決定戦は6月15日、富山市の南部中学校グラウンドにて開催された。

 北信越大会優勝から「打倒愛知県」に目標を切り替え、約三週間練習してきた成果を全て出そうと試合に臨んだ。

 初回愛知県の攻撃、ルール改正に伴い多彩な攻撃を仕掛けてきた。全盲打者によるバント戦法、わかっているとは言え、いざやられるとバント処理や通常の守備に焦りができ、あっという間に6点先制されてしまい、回を重ねてもバントバントで振り回され、追加点も与えてしまった。

 試合も終盤にさしかかった所で愛知県が三人目の投手を投入してきた。コントロールの乱れから無死満塁、絶好の得点チャンス、一気に4得点を返した。

 昨年は完封負けで悔しい思いをしたが、今年は得点を上げる事ができ、まあ良かったんじゃないかと思いました。今回、東海北信越地区代表になれませんでしたが、まだまだ挑戦は続きます。

 最後に応援してくださった皆様、朝早くから会場設定してくださった審判員の皆様、センター職員の皆様、本当にありがとうございました。


◆第67回全国盲人福祉大会<大分大会>

会長 中西(なかにし) 美雄(よしお)
副会長 塘添(とうぞえ) 誠次(せいじ)

 大会は、平成26年5月29日(木)~31日(土)の三日間に渡り、大分県の「ホルトホール大分」を会場に、全国から視覚障害者1000人、関係者やボランティア延べ500人、総計約1500名が参加して、「古くは豊後(ぶんご)の国の国府が置かれ、戦国時代にはキリシタン大名大友宗麟(おおともそうりん)の庇護のもと、キリスト教布教の中心地となり、南蛮文化の花開いたここ大分に全国の視覚障害者やその関係者が一堂に会し、福祉や職業など私たちを取り巻く諸問題について討議し、視覚障害者の自立と社会参加の促進を図る」ことを目的として開催されました。

 各種会議に出席するため中西会長と塘添、そして付き添いの吉野さんの3人が先発することになりましたが、大分県で開催されますので、前日の28日の出発となりました。以下にその内容を記載します。

★ 第1日目(5月29日 木曜日)

1 評議員会(中西)

 13時より3階の会議室において、全国から63名中59名の評議員が出席して開催された。竹下会長は、冒頭から大きな声で「今入ってきたショッキングなニュース」として、「この評議員会へ出席するために秋田空港から伊丹(いたみ)空港で乗り換えてこの会場へ来られるはずだった秋田県の3名が、全日空機への搭乗を拒否され、この評議員会を欠席せざるを得ない状態となりました。

 その理由が、付き添い1人に全盲者3人の搭乗は内規で認めていないということです。空港側の説明では定員74人の小型機では客室乗務員が少ないので、次のジェット機(1時間後)で行ってほしいということらしいです。

 障害者権利条約が批准され、差別解消法が成立している今、このようなことがあっていいんだろうか」と、鬱憤のやりどころがないという感じで「非合理的な障害者の取り扱い方に抗議し、改善を要求して行きたい」と決意を語られた。

 その他には、「同行援護をはじめとする多くの法律の制定や障害者権利条約の批准によって障害者を取り巻く生活環境が大きく変わろうとしていること」、「障害者の社会参加を阻害しているバリアを取り除き安心して生活ができる社会を構築していきたいこと」、「職業的自立を図るためにも法19条を守り抜くこと」などを述べられました。

 議事では、平成25年度の事業報告及び決算報告を承認して終了しました。以下に、その後の新聞記事を紹介します。

視覚障害者の搭乗拒否 秋田空港発の全日空便 内規を誤解釈
2014.05.31 秋田(あきた)魁(さきがけ)新報(しんぽう) 朝刊

 県内の視覚障害者3人と介助者1人の計4人が29日に秋田空港発の全日空大阪便を利用しようとした際、搭乗を拒否されたことが30日、分かった。旅客係員が内規を誤って解釈したのが原因で、同社広報部は「関係者に多大な迷惑を掛けてしまい、大変申し訳ない」と陳謝している。

 搭乗を拒否されたのは、県視覚障害者福祉協会の煙山(けむりやま)貢(みつぐ)会長(72)、武田(たけだ)利美(としみ)副会長(63)、照井(てるい)忠(ただし)副会長(57)の3人と、介助の女性事務局員。

 4人は大阪経由で大分市へ向かい、29日から始まる全国盲人福祉大会に参加するため、同日午前8時10分大阪行き1652便(定員74人)に搭乗する予定だった。

 同社は内規で、機体のサイズに応じて搭乗できる視覚障害者数を制限。定員74人の機体では介助者1人につき視覚障害者6人まで搭乗できるが、旅客係員が2人までしか搭乗できないと誤って解釈し、別の係員を通じて「この機体には搭乗できない」と伝えた。

 4人は、振り替え便として手配された午前9時40分秋田発羽田行き404便(定員166人)に乗り、羽田経由で大分市に向かった。だが、到着が予定より約3時間遅れ、大会冒頭の会議に出席できなかった。煙山会長は「今までに何度も飛行機に乗っているが、搭乗を拒否されたのは初めてで残念だ」と話した。

 同社は「事態を深く受け止め、再発防止に努める」としている。


2 スポーツ協議会(塘添)

 最初に、昨年の全国障害者スポーツ大会のグランドソフトボールで優勝した大阪市チームに優勝旗と賞状が手渡された後、「第9回通信競技大会」の1位から3位の入賞者27名が発表され、表彰式に移りました(今回富山県はエントリーをしていませんでした)。

 続いてあいさつに立った竹下会長は「スポーツを通じて健康な心と体を作ってほしい」と語られました。

 例年はこの後議事に入るのですが、今回はその前に、国立障害者リハビリテーションセンター病院の西田眼科医による「視覚障害者がスポーツにかかわる障害区分について」と題した講演がありました。

 パラリンピックや全国障害者スポーツ大会などの大会では、障害区分と競技種目が適正であるかどうかを審査する委員会があり、西田先生はその審査のできる資格を取得され2011年からその委員になられました。眼科医がその委員に加わったのは1965年以来だそうです。

 その講演では、視覚障害者スポーツにおいて競技種目の障害認定の在り方や問題点などについて詳しくお話していただきました。

 引き続き議事に移り、慣例により議長は開催地の大分県、副議長は次期開催地の岐阜県から選出されました。

 議事は、平成25年度事業報告、同決算報告、監査報告、平成26年度事業計画(案)、同予算(案)、規約の改正が提案されました。

 今回は、西田先生の講演があったため、討議時間が少なくなり、会議の進め方が予め資料を読んで来ていることを前提としてその読み上げはなく、質疑応答のみとなり、全ての議案が執行部の提案通り可決されました。

 その後、役員改選が行われましたが、大橋会長を始め富山県の濱野副会長など全員が留任となりました。

 なお規約の改正は、今までの会則では全く行われていなかったことが入っていたり、名称が違っていたり、システムが違っていたものがあったので、それらを現行に合ったものに大幅に見直したものでした。

以下は質疑応答の抜粋です。

 Q:中途失明の人がいて墨字も点字も読めない人がいるので、もう少し丁寧に議事を進めてほしい。

 A:日盲連大会の日程がきっちり決まっていますので、講演会を計画した分議事の時間が短くなりました。今回はこのような進め方になりましたが、次回からどのようにすればいいか検討したい。

 Q:通信競技大会の参加団体が少ないが、何か工夫したらどうだろうか。

 A:今回の参加は61団体中8団体でした。次で10回目になりますので、継続していくべきかも含めて検討していきたい。

 Q:障害者スポーツのルールが色々と改正されているが、日盲連のスポーツ協議会がどのくらい発言権をもってかかわっているのか。

 A:日盲連から日本障害者スポーツ協会に評議員を送っており、全体としての開催要項などについては意見が言えるが、スポーツ協議会としては、個々の競技のルール改正については意見を言えない立場にある。

 Q:過去3年間会費未納の団体が一つあるが、その団体名を言ってほしい。

 A:請求は続けるとして、団体名は明らかにしない方がよいのではないか。


3 あはき協議会(中西)

 続いて15時15分から同会場において、定員61名中49名の出席をもって開会された。

 竹下会長は挨拶の中で、「あはきには副作用がない」「一人一人の患者に合った治療ができる」などの理由により「あはきは見直されつつある」こと。

 「あはき師の免許保持者よりも無免許業者の数の方が多いのではないか」「これを放置すればあはきの免許制度が崩壊してしまう恐れがある」こと。

 「昔は、あんまイコール盲人と言われて我々は偏見として受け止めていましたが、今はどうだろうか?」「視覚障害者とあはきが結びついていない状態にある」こと。など、社会、行政、当事者の意識の変化などをお話になりました。

 議事では、横浜市の岩屋氏を議長に選び、平成25年度の事業報告と決算報告、平成26年度の事業計画と予算案、あはき問題戦略会議経過報告などを議題に質疑を行った。

 事業報告の中で、平成24年に国民生活センターが手技療法による危害実態調査を公表したことを受け、厚生労働省へ無免許無資格者の取り締まりを陳情したところ、2月になって都道府県主幹担当者向けに国民生活センターと協力して重症被害者を調査し、指導するように指示していること。柔道整復師の保険請求の適正化について、厚生労働省や会計検査院に対し陳情を重ねた結果、2月に公表された療養費の支給実績では、あはきが大幅に伸びたのに対し、柔整師は横這いに留まっていること。など運動の成果が見えていることを報告された。

 決算報告と26年度の事業計画及び予算案に対しては執行部提案通り承認された。


★ 第2日目(5月30日 金曜日)

 今回は10時から11時45分まで「日盲連の将来像についての意見交換」が行われ、竹下会長と衛藤(えとう)副会長にそれぞれ約10分間の問題提起をしていただき、それに対しフロアとの意見交換をする形で進められました。

 まず、竹下会長が「伝統を生かしつつ21世紀にふさわしい日盲連の活動を考える」というテーマで、日盲連の伝統とは何か、21世紀とはどんな時代か、私たちが考える日盲連について発言され、続いて衛藤副会長が「日盲連の将来像について」というテーマで、問題点、解決策について発言されました。

 その発言に対するフロアとの意見交換では、日盲連加盟団体の組織率が低下してきていることに対する解決策、安定した財政基盤をどのようにするかなど、早急に結論が出るものではありませんが、活発な討議がなされました。更に、「日本盲人会連合」の名称変更についても討議がなされ、竹下会長は70周年を目途に改名の方向で検討すると発言されました。

 昼食後、第51回全国盲人代表者会議が12時30分から行われました。

 ここでは、13時20分まで全体会議、その後、13時30分から16時まで分科会、16時から17時に再び全体会議が行われます。

 開会にあたり、大分の衛藤(えとう)良憲(よしのり)会長が、「昨年今回の大会を引き受けるに際して、①できるだけシンプルな大会にする ②おもてなしの心で全国から皆さんをお迎えする ③今後の日盲連のあり方を語る場を設けることの三つの方針を立てて準備に当たりました」と歓迎の言葉を述べられました。

 全体会議では、まず平成25年度の運動の成果を次のようにまとめられました。

1.平成25年度に障害を理由とする差別の解消の推進に関する法律と障害者の雇用の促進等に関する法律の改正法が成立した。そして、あらゆる障害のある人の尊厳や権利を保障することを目的とした障害者権利条約をわが国はようやく批准することができ、本年1月20日にようやく世界で141番目の批准国となった。

 この批准によって、同条約は憲法と法律との間に位置づけられることとなり、同条約に反する国内法を作ることはできなくなった。障害当事者にとって悲願であった同条約がようやく批准された。

2.視覚障害者の入通院時における介助と安全確保のための制度を実現させるために昨年立ち上げたプロジェクトでは、問題点をまとめることができた。今後は解決策を厚生労働省に提言する予定である。

3.視覚障害者が安心して駅ホームを利用することができるように、可動式ホーム柵の設置や内方線付き誘導用ブロックの設置を国土交通省や関係機関に要望した。

4.ラジオでも地デジ放送が聞けるようにするための要望活動を展開し、数社によって地デジが聞けるラジオが開発され、販売が開始されるようになった。しかも、地デジ放送が聞けるラジオは、日常生活用具に該当することが厚生労働省から全国の自治体に示された。

5.財務省等に対して、視覚障害者がわかりやすい紙幣になるよう、その改善を求めてきた。そうした視覚障害者の声を受けて、財務省や国立印刷局などの関係機関では、その第1弾として、5000円札の改良を決定するに至った。また、紙幣をスマートフォンを用いて音声識別ができるようになり、さらには紙幣の識別専用機の開発も予定されている。

6.外部からの委員をも加えたあはき問題戦略会議を設置し、一昨年にまとめた「あはきプロジェクト委員会報告書」を具体化するための取組を行った。

7.東日本大震災における被災した視覚障害者の体験を語り継ぐことを目的に、25名の語り部を育成した。

 その後、平成26年度の運動方針が示されましたが、後述の決議に反映されていますのでここでは省略します。

 以下は生活分科会、バリアフリー分科会の討議内容です(職業分科会は欠席)。

1 生活分科会(塘添)

 この分科会では、障害者福祉制度、同行援護、病院内でのヘルパー利用、災害支援に関すること、補装具・日常生活用具、年金・手当、その他の要望事項について審議し、採択していきます。

 今回は合計37題の提出議案が出されていて、富山県からは、「補装具・日常生活用具の給付品目や耐用年数の見直しと、地域間格差を是正するために国が一定の指針を明確に表明することを要望する」を提出しました。

 この要望は昨年に引き続き提出したもので、静岡県と長崎県からも提出されていました。その提案理由は『ゆきしろ68号』に詳しく記載してありますので、ここでは省略します。

 審議の結果、2題が不採択となり、一部内容の修正を含め35題が採択されました。

2 バリアフリー分科会(中西)

 助言者に日盲連副会長の及川氏を迎え、14時前から57名の出席をもって始まった。

 総合司会を日盲連理事で福井県会長の小山氏が務められた。始めに座長と副座長の選任が行われ、日盲連理事で福岡市視障協長の染井氏と大分県視障協理事の木村氏が選任された。

 次に本部から緊急提案が上程された。

 「視覚障害を理由に飛行機への搭乗を断らないように要望する」で、これは、昨日の秋田空港での搭乗拒否を受けたものである。

 今朝の毎日新聞の記事を朗読したあと、「介助人1人に対し障害者が2人までであるから搭乗はできない」と言われ、次のジェット機で行くように指示された。その後旅行会社に「介助人1人に対し障害者3名までという内規があり、当方の解釈ミスである」という意味の謝罪があったと聞きました。

 問題なのは、障害者が1人で飛行機に乗ろうとした場合、小型機の客室乗務員は1人だそうです。この乗務員の数が少ないという理由で搭乗拒否される恐れがあるということです。飛行場まで行って拒否されるなんてことは認めることはできません。また、大型機であっても障害者の数が多いときも拒否される恐れがあるのではないかということです。

 「バリアフリー、バリアフリー」といわれる昨今、あるいは、障害者差別解消法が成立した現在このようなことがあってはならない。

 助言者から「この問題は、法律的な側面や航空機会社の内規の問題など多くの問題点がありますので、本部としてそれらを調査し、文言を吟味して決議案としたいのでそのように取り計らってください」との表明があり拍手で採択された。

 この後、各団体より提出された議案を整理し、「安全な移動の確保」に8題、「情報に関するバリアフリー」に3題、「その他」に17題、合計28題の議案が提出され審議された。その中から、目新しいものを中心に報告します。

1.「安全な移動の確保」には、北信越地区から2題が提出されている。一つは、「歩車道分離式信号機や押しボタン式信号機の設置に当たっては、視覚障害者も安全に渡れるように、ボタンの位置を音声で確認できるものを設置してください」。

 この議案の説明に立った長野県の田村理事長は、「押しボタン式信号機の場合はそのボタンの位置を探すのに苦労します」。押しボタンから音声による案内があればということで、県警の方へお願いに行ったところ、県警では「ボタンから音声案内がされている」との答えでありましたが車の騒音の激しい交差点ではその音を聞くことができません。何とか改善されるようにお願いします。

 もう一つは、「冬期間における歩道から横断歩道への除雪を要望する」。この提案に対し、新潟県の治田(はった)事務局長が、「冬期間は車道の除雪が優先され歩道の除雪は全くなされない状態になります。ややもすると、車道の雪を歩道に積み上げることもあり、歩道に敷設されている点字ブロックは全く用をなさないばかりか、車道を歩くことも余儀なくされることもあります。このように車道を優先することなく、歩道の除雪も車道と同じように除雪ができるようにしてもらいたいです」。

 その他には、「エスコートゾーンの増設、音声信号機の稼働時間の延長、自転車のマナーの取り締まり、静音自動車の危険防止策を徹底してください」など。

2.「情報に関するバリアフリー」

 ここでは、青年協から「スマートフォンと平行してラクラクホンプレミアムのようなフューチャーホンの販売を各メーカーに要望する。加えて、各販売店単位で視覚障害者へのサポートができるように携帯電話会社の体制作りを要望する」の提案があり、本県の濱野青年部長が説明に立った。

 説明の中で「視覚障害者へのサポートを携帯電話会社として各販売店に指導してほしい」と訴えた。ほかに「スマートフォンを始め新しい情報端末は視覚障害者も利用しやすいものに」「テレビ放送の字幕スーパーや緊急放送などは音声化してほしい」など。

3.「その他」ではほとんどが以前に採択されたものばかりでしたが、中に「点字ブロックの日(3月18日)の普及を日盲連加盟団体に要望する」と「一般スポーツ施設でも視覚障害者も安心して利用できるように整備してください」がありました。

 今年のバリアフリー分科会は、時間の制約もあって、盛り上がりに欠けた感じで終わりました。

 会議終了後、3人は別府鉄輪(かんなわ)温泉「ホテル山水館(さんすいかん)」へ移動し、30日の朝出発した富山県の旅行団と合流しました。


★ 第3日目(5月31日 土曜日)

 “作ろう 視覚障害者の新職業”

 “目指そう 安心安全なまちづくり”

 “進めよう 合理的配慮があたり前の社会”

 “許すな 無免許マッサージの横行”

の4本のスローガンを掲げ、「ホルトホール大分」において、第67回全国盲人福祉大会が開催されました。

 富山県からは、30日に出発した旅行団41名と先発の3名が合流し、合計44名が大会に参加しました。

 第1部は式典が行われ、衛藤(えとう)良憲(よしのり)大分県盲人協会会長が地元主催者団体を代表してあいさつに立たれ、「農家の末っ子の長男に生まれたが、目が悪いために家業を継げず、ずいぶん理不尽ないじめにも遭い、盲学校へ編入したとき、8歳の子供心にたったひとつ誓ったことがあります。

 社会に出たら晴眼者には絶対に負けたくない。それ以上の生活をするんだと。そしてできることならば、同じ障害を持った仲間たちのために頑張りたいな、という思いで卒業以来43年間マッサージをしながら、盲人福祉一筋に生きてまいりました」と心情を吐露された言葉が印象的でした。

 第2部の大会議事では、次の決議がなされました。

1.障害者権利条約の理念を広く国民に広めると共に、さまざまな場面での合理的配慮が行われるよう要望する。

2.入院時に病院内においてもガイドヘルパー及びホームヘルパーが利用できるよう、制度の改正を要望する。

3.同行援護事業における利用者負担の廃止、ニーズに応じた支給決定、質の高い従業者の育成を要望する。

4.視覚障害者に対する適切な障害福祉サービスが受けられるよう、ケアマネージャーや相談支援員、ホームヘルパー等への職員教育を徹底するよう要望する。

5.日常生活用具の給付品目の指定や、耐用年数などは、国が一定の指針を示し、当事者のニーズに応じた品目の支給ができるよう要望する。

6.災害時における視覚障害者に対する支援体制の充実を要望する。

7.行政機関からの情報、選挙公報などを権利条約の理念に基づき、点字・音声・拡大文字など必要な媒体で作成するよう要望する。

8.ロービジョン対策として、階段の段鼻の色づけ、時刻表や電光掲示板などの文字サイズ、設置位置、コントラストを工夫すると共に、駅などの照明を明るくするよう要望する。

9.安全な移動を確保するため、誘導用ブロック、エスコートゾーン、音響式信号機等の普及を要望する。

10.障害者用交通系ICカードの作製と、鉄道駅におけるホーム柵及び内方線の計画的な設置を要望する。

11.テレビ放送におけるニュース番組の字幕スーパー、テロップ及び緊急臨時放送の字幕スーパーの音声化と、外国語の吹き替えを要望する。

12.あん摩・マッサージ・指圧師、はり師、灸師の定義を明確にし、免許証を携帯方式に切り替え、無資格類似業者の取締りと、養成所の排除、柔道整復師の違法行為の取締りを要望する。

13.視覚障害者の雇用拡大のため、介護保険施設の機能訓練指導員や、企業、自治体等におけるヘルスキーパーの雇用と職場介助者の広範な適用を要望する。


 私たちはこの大会に参加し、視覚障害者の現状と今日的課題、福祉に関する情勢と運動の展開等を理解し、また、会場で多くの仲間と集い、連帯の輪を広げました。

 来年も、5月29日(金)から31日(日)に岐阜県で開催されます。今年同様旅行団を結成して、観光も計画されると思いますので、共に参加し日盲連大会の雰囲気を味わうとともに、土地の風に触れる旅に参加しましょう。


《事業報告》
◆理事会・評議員会・定期会員総会

総務部 部長 布尾 英二

1.平成25年度第3回理事会及び第2回評議員会

 平成26年3月30日(日)午前10時から富山県視覚障害者福祉センター(以下、ライトセンター)において平成25年度第3回理事会が開催された。

 中西美雄会長は、挨拶の中で「昨年12月には70周年記念式典を挙行することができ、記念すべき年となった。また、来年度から本協会で同行援護従業者養成研修会を実施することになった」と述べた。

 次いで、平成25年度本部会計・施設会計補正予算(案)及び平成26年度事業計画(案)及び予算(案)・経理規定の変更について審議が行われ、一部修正の後承認された。

 また、当センターに長年お勤めいただいた宮田(みやた)孝男(たかお)所長が、3月31日で退任され、後任には前富山視覚総合支援学校教頭の高島豊氏の就任が承認された。

 続いて、午後1時から同所で第2回評議員会が開かれ、中西会長の挨拶の後、平成25年度補正予算(案)、平成26年度事業計画(案)及び予算(案)・経理規定の変更が審議され、原案通り承認された。

 また、宮田所長の退任とその後任に高島豊氏が就任する件についても承認された。終了後、県への要望事項について意見交換された。

2.平成26年度第1回理事会及び第1回評議員会

 平成26年5月25日(日)午前10時からライトセンターで開かれた第1回理事会では、平成25年度事業報告及び決算報告が審議され、原案通り承認された。

 次いで、午後1時から第1回評議員会が開かれ、平成25年度事業報告・決算報告を審議し、原案通り承認された。また、終了後、県への要望や情報交換が行われた。

3.平成26年度支部長会及び定期会員総会

 平成26年6月8日(日)午前10時からライトセンターで支部長会が開かれ、県への要望事項についての意見交換を行った。また、各支部の情報交換を行った。

 午後1時からは、平成26年度定期会員総会が開催され、はじめに、中西会長から「昨年12月に70周年記念式典が挙行でき感謝している。また、今年度から同行援護従業者養成研修会が8月に実施されることになったこと、当センターが富山市の福祉避難所になった」と挨拶した。

 続いて、高額寄付をいただいた一般財団法人浅田慈善園(じぜんえん)様に感謝状が授与された後、来賓の山崎(やまざき)康至(やすのり)県厚生部長・野上浩太郎参議院議員・五十嵐務県議会議員・岩城(いわき)勝英(かつひで)県社会福祉協議会会長・岡本(おかもと)武勇(ぶゆう)県障害者団体協議会会長から祝辞をいただいた。

 次いで、出席者78名、委任状87通を確認し、総会議事に移った。議事は、平成25年度事業報告及び決算報告、平成26年度事業計画及び予算について審議が行われ、原案通り可決した。また、富山県への要望事項について意見交換が行われた。なお、福祉センターの高島豊所長の紹介があり、就任の挨拶もいただいた。

 総会終了後、親睦会が開かれ、県内各地から集まった会員は、互いに旧交を温め、県協会や各支部での活動を語り合いながら視覚障害者協会の将来について語り合った。


◆三療部会だより

副会長(三療部会長) 堀 惠一

・平成26年3月9日(日)センター盲人ホーム施術室、和室にて10名が参加して三療部会を開催。

 午前10時からはボランティアさん1名、家族1名に治療奉仕を行い、会員はお互いに治療技術交換を行いました。

 午後1時からは14名が参加して、講師に梅本(うめもと)直明(なおあき)氏をお招きし、「疼痛(とうつう)緩和のための脊椎へのアプローチ」と題して、氏の永年にわたる病院勤務、研修で得られた経験に基づいて施しておられる治療法を実技を中心に限られた時間の中ではありましたが、みっちりと指導していただきました。

 頚部の徒手牽引法、胸椎から腰椎への圧迫法、股関節のストレッチ法の3方法に分けて、ペアになった会員が患者役、術者役となり、それぞれの姿勢から手や足の位置、力のいれ方など丁寧に細かい点まで実際に、施術前後の筋肉の状態も確かめながら熱心な指導で、熱気にあふれる研修となりました。

 皆さん実際に体で体験しているので、大変わかりやすく、理解され、今後の臨床に役立てていけるのではと思いました。

・6月29日(日) センター盲人ホーム施術室、和室にて三療部会・総会を開催。

 午前10時から10名が出席し、治療奉仕と治療技術交換をおこないました。

 ボランティアさん3名と家族1名に治療奉仕を行い、お互いの治療交換では新しく入会された1名に話を聞いたり、施術しながらいろいろとアドバイスをするなどしていました。

 午後1時からは平成26年度の総会が13名の出席で開かれ、25年度事業報告に続き、決算が報告され拍手で承認されました。

 その後新しく入会された3名の方がいらっしゃるので、一人ひとり経歴、近況などを含めて自己紹介をし、それを話題に就労状況や治療院の事情など和やかな雰囲気の中で情報交換をし、最後に今年度の部会の研修内容などをおおまかに決め終了しました。


《みんなの広場》
◆「とやまライト囲碁教室」発足

代表 安田 庄内

 昨年(平成25年)6月から数人の有志が集って、ライトセンターにおいて月1~2回のペースで囲碁勉強会を続けてきました。そして今年の4月、「とやまライト囲碁教室」が正式に発足しました。

 センターには19路盤、13路盤、9路盤の3種類の碁盤が揃えてあります。いずれも碁盤と碁石がズレないように、また、手で触って白石と黒石の区別ができるように工夫されているので、全盲の方でも対局を楽しむ事ができます。

 囲碁は老若男女を問わず、誰でも楽しむ事ができます。挨拶で始まり、挨拶で終わる礼儀正しい頭のスポーツです。そして、初心者には「置き碁」というハンディをつけて上級者とも対局を楽しむ事ができます。

 一般に使われている19路盤は広くて、石を打つ所が361箇所もあります。視覚障害者の方には手で触って盤面全体をイメージするのは少し困難かも知れません。視覚障害者には9路盤、13路盤が向いているかも知れません。

 しかし、若いプロ棋士達は新幹線などで移動中、棋譜を言い合いながら、イメージ対局を楽しんでいるそうです。実際に碁盤、碁石を見ないで楽しんでいるのですから、視覚障害者の方もイメージ対局に挑戦できますよ。希望を持ちましょう。

 囲碁の基本ルールは本当に簡単なものです。

① 黒石、白石は交互に一手ずつ打ちます。一度置かれた石は取り除いたり移動することはできません。

② しかし、相手の石の周囲(縦横)を取り囲んだ時は、その石を盤面から取り上げる事ができます。

③ 自ら取り囲まれた状態にする手は「禁じ手」と言い、打つことができません。但し、その石を打つ事により相手の石を取ることができる場合は例外となり、認められます。

④ 自分の石を禁じ手に打って相手の石を取った後、相手も禁じ手に打って自分の石が取り返されることがあります。この状態を「コウ」と呼び、この時は相手が打った後すぐに打つことは禁止され、一度他の所へ打つ(コウ立てする)ことが必要です。

 以上のルールに従い、対局者は自分や相手の石の死活を頭に入れながら、盤面上に戦略を描き、より広い領域(地)を求めて戦います。

 取り囲んだ地の広さ(目の数)で勝敗を競います。相手の戦略を先読みした方が有利になることは間違いないでしょう。

 今、NHKの大河ドラマで「軍師官兵衛」が放送されていますが、戦国武将達は囲碁を大いに好んだそうです。囲碁の戦い方と武将の生き方に共通点を見い出していたのかも知れません。

 碁を打ちながら「どのように攻めるか、どのように守るか、敵はどう出るか、領地をどのように増やすか、どうしたら平和になるか」など、いろんな思いを巡らせていたのでしょうね。

 私が高校生の頃、囲碁クラブのある学校はほとんどありませんでしたが、最近は中学校や高校でも囲碁クラブのある学校が増えました。囲碁の良い点は、老若男女、初心者、上級者を問わず誰でも対局を楽しめる事です。囲碁人口は確実に増えています。

 「とやまライト囲碁教室」の会員は現在10数名です。うれしいことに、女性の方も入会されました。初心者の方、大歓迎です。一緒に頭のスポーツを楽しみましょう。多くの方の参加をお待ちしています。


◆第67回全国盲人福祉大会大分大会に参加して

射水支部 荒木 美代子

 私は、平成26年5月30日(金)~6月1日(日)の2泊3日で計画されました、大分県で開催される全国盲人福祉大会の旅行団に参加しました。

 5月30日午前7時15分ごろ、私たち射水市からの参加者7人は、新装になった高岡駅で同じ高岡駅から乗車する他の人たち7人と共に、7時38分発のサンダーバード10号に乗車しました。すでに富山駅から乗車していた21人と金沢駅から乗車した6人を合わせ、総勢41名の富山県旅行団は新大阪へと向かいました。

 旅の始まりで、みんな笑顔が輝いています。トンネル内の轟音、線路の軋み、揺れに身をゆだねながら、車内はとても賑やかです。

 新大阪駅では、その広さ、ひっきりなしに発着する電車の音を聞きながらの移動です。11時09分発の、のぞみ17号に乗車し小倉へと向かいました。車内で、早目のお弁当をいただき、小倉で13時39分発の特急ソニック25号に乗り換えて、別府へ向かいました。

 14時50分に到着。待機していた貸し切りバスに乗り込み、地獄めぐりに出発しました。

 最初は竜巻地獄です。地獄は、岩の間から30~40分おきに間欠泉が吹き上がるそうです。私たちはタイミングがよく、少し待っただけで見ることができました。

 最初は予備知識が全くありませんので、よく分からずもどかしさを感じていましたが、そばへ近づくと硫黄の匂いと、噴水のようにシューッと温泉が吹き上がってくる音とその様子が分かりました。

 吹き上げる105度の熱水は、遠くへ飛ばないように5~6メートルの屋根でさえぎられています。「水蒸気が夏の雲のように見えて、とても綺麗だった」という感動の声が聞かれました。

 そこを出ると、すぐ隣にある血の池地獄に入りました。この地獄は、酸化鉄により、赤く見えるので、この名前がついたのだそうです。私はその色があまりよく見えず、静かで温泉の湧き出る音も聞こえなかったので、何となくものたりなかったような気がしました。お土産には、血の池軟膏、入浴剤がありました。

 次にバスで海地獄に移動しました。この地獄は、1200年ほど前に鶴見岳(つるみだけ)の爆発によって誕生したそうで、別府の地獄の中でも群を抜いて大きいとのことでした。

 温泉の温度は98度もあり、水面からは湯気が立ちのぼっているのですが、「コバルトブルーの色が涼しげで何とも言えずきれいだった」とか、温泉は200メートル下から湧き上がってきているのだそうですが、「あのボコボコと湧き上がる音は迫力があってすごかった」という感想が聞かれました。

 そして、名物の温泉玉子やサツマイモが売られていて、それを食べた人は、「とても美味しかった」と言っておられました。

 地獄巡りを終え、今夜の宿泊先、別府鉄輪(かんなわ)温泉「ホテル山水館(さんすいかん)」へ向かいました。別府市は、温泉の都とも呼ばれていて、8箇所の温泉郷を中心に別府市内には数百の温泉があるそうです。

 ホテルに到着すると、先発隊の中西会長、塘添副会長、吉野さんがねぎらいの言葉とともに、出迎えてくださいました。

 湧出量日本一の温泉は、やわらかく、温かく、体を包んで一日の疲れを落としてくれました。気がつくと、蛇口をひねると閉めるまで流れっぱなしなのです。もったいなくて慌てて止めました。さすが別府なのかと…なんだか豊かな気分になりました。

 6時半よりの懇親会では、ホテル心尽くしの美味しい料理に舌鼓をうち、カラオケも大盛況でした。楽しい時間はあっという間に過ぎて、それぞれの部屋へと引き上げました。

 5月31日は午前8時45分過ぎにホテルを出発し、大会が行われる「ホルトホール大分」へ向かいました。今回は千人くらいの参加とのことでした。竹下会長の挨拶、来賓の祝辞、視覚障害者福祉に貢献された方々の表彰がありました。

 大会を終え、私たちはバスの中で昼食をいただきながら、九重(ここのえ)“夢(ゆめ)”大吊橋へと向かいました。

 旅の楽しみの一つにバスガイドさんのお話があります。今回のガイドさんは、よく勉強しておられ、話題が豊富で、丁寧で分かりやすかったですね。そしてすてきな歌もよく歌ってくださいました。また、車内では皆さんとの博学で大変面白い駄洒落が飛び交い、笑いの渦が巻き起こっていました。山内さんとガイドさんの掛け合いは最高に楽しいものでした。

 そうして九重“夢”大吊橋に到着しました。私たちはこの橋を往復するのです。この橋は、2006年10月に開通した歩行者専用の橋で、水面からの高さが173メートルあり、日本一高い橋なのだそうです。

 長さが390メートルあります。真ん中あたりで立ち止まると、揺れているのがよく分かりました。誰かが「下を見ると怖くて足がすくみそうになった」と言っておられました。

 また、橋の欄干でロープを触られる場所がありましたので、触ってみると、その太さに驚かされました。誰かが手すりを叩いた音、ゴウゴウと鳴る滝の音、カラスの鳴き声。川風のさわやかさは、暑さを忘れさせ、自然の素晴らしさを感じさせられました。

 実は、標高が千メートルぐらいあるので肌寒(はださむ)く感じるのではないかと思っていましたら、天気がよく、わずかに風を感じる程度で暑いほどだったのです。後で知ったのですが、この日は35度の猛暑日を記録した、全国でいちばん気温が高かった所を通過したそうです。

 ひと汗かいてバスに乗り込み、草千里(くさせんり)に向かいました。道路は、牛と馬の優先道路で、道路に牛や馬が現れると車は止まって牛や馬が通り過ぎるのをじっと待っていなければならないそうです。

 そういう説明を聞きながら草千里に到着しました。草千里は、阿蘇五岳(あそごがく)の一つで烏帽子岳の北麓に広がる大草原だそうです。牛や馬の放牧が見られ、ここで、私たち30数人が乗馬体験をしました。

 その中には何度か乗った人がいましたが、初めての人も多く、「怖くて嫌だったけど、乗り終わってみるととてもよかった」「初めて馬に触り、その大きさに驚いたけれど、乗って鐙(あぶみ)に足をかけたら落ち着いて楽しむことができた」「想像していたより大きく、脚をあんなに大きく広げないと乗れないとは思わなかった」「スタイルのいい馬からがっちりタイプの馬まで色々な馬がいて、蹄の音がポクポクという足音を出す馬と静かな馬がいるのに気付いた」という感想でした。

 賑やかな一行を乗せて、今夜の宿泊先の阿蘇内牧(うちのまき)温泉「阿蘇プラザホテル」に到着しました。早速みんなで温泉につかりました。

 午後6時半からの宴会は昨日にも増して盛り上がりました。私は昨日に続き、歌わせていただき大いに楽しませていただきました。

 三日目の6月1日は、熊本城を見学し富山に帰ります。熊本城は、加藤清正公が建てられたお城で大変大きなお城です。観光ガイドさんの説明によると、城内には、榎(えのき)、楠木(くすのき)、銀杏(いちょう)が植えられ、井戸も多数掘られたとのことです。

 天守閣まで上るには階段がかなりありそうなので、最初から上らないひとが何人かいましたが、私は塘添さん夫婦と福江さんに励まされて何とか上ることができました。一汗かきましたが、達成感を味わえたことに感謝しました。入口から天守閣まで何段あったのだろうかと下りる時に数えてみましたら、145段ありました。

 次に本丸御殿に入りました。この本丸御殿は、明治10年の西南戦争で焼失したものを平成20年に復元したとのことです。行政の場として、また生活空間の場として利用されたもので、当時は、畳の裏には、ワラの代わりに干瓢(かんぴょう)を使い、銀杏の実の確保など、工夫されたそうです。広々とした大広間、昭君之間(しょうくんのま)は絢爛豪華としか、言いようがないそうです。

 その後、近くの清正神社にも参拝してから、お店で昼食をいただき、熊本駅に向かいました。その車中では解散式があり、中西会長さんからお世話をしてくださった山内さん、作田さん、吉野さんと添乗員の寺沢さんにお礼の言葉が述べられ、それに応じて私たちも感謝の気持ちを拍手でお伝えさせていただきました。

 更に、この3日間、少しの不安もなく、安全運転をしてくださった運転手さん、また、笑わせたり、聞きほれるような歌を歌ってくださった、とても素敵なガイドさんに感謝の気持ちをお伝えしているうちに熊本駅に到着しました。

 新幹線の熊本駅のホームでは転落防止のホーム柵があるのに気付き、触ったりしてこれなら安心だなという気持ちになりました。そして、14時31分発のさくら560号に乗車しました。“さくら”の座席には、点字表示があり、また、駅のホームの手すりやトイレにも表示があることを教わりました。

 新大阪発18時46分のサンダーバード35号に乗り換えて、夕食のお弁当をいただきながら、「幸い、雨にも会わずいい旅やったね」と振り返っていました。2泊3日の旅行を無事に終えられたのは、中西会長さんをはじめ、関係された多くの方々のおかげと、心から深く感謝しています。

 高岡駅には21時46分に到着し富山の人たちとお別れしました。私はこの旅行で塘添さんの奥さん、田代さん、福江さん、そして大谷さんたちに手引きしていただくなど色々なことにお手伝いしていただいたおかげで、楽しかった思い出を胸に無事に帰宅することができました。本当に有難うございました。

 また、それぞれの観光地のインタビューに応じてくださいました方々にもこの紙面をお借りして深く感謝申し上げます。


◆1年を振り返って

センター職員 北野(きたの) 稜子(りょうこ)

 センターに勤めだして1年が過ぎました。私にとってこの1年は新しいことをたくさん体験し、皆様に教えていただくこともたくさんあり、あっという間に過ぎていった1年でした。同時に、まだまだ学ぶことがたくさんありますが、皆様と力を合わせて、早く一人前になりたいです。

 4月から新任職員研修が始まり点字の歴史や協会の役割を知り、センターのはたらきや意義、用具の使い方や、視覚障害者の接し方・介助・支援、点字図書館の役割などを学びました。実際にアイマスクをつけてセンターの中を誘導していただいたことが特に印象に残っています。

 そこで分かったことは、私が普段の生活の中で視覚から得ている情報がとても多いと感じました。そして視覚障害者の方は匂いや触覚、特に音から情報を得ており、「声をかける」ということは非常に大切なことだということを実感しました。

 6月からは点訳ボランティア養成講習を受講させていただきました。今まで点字は自販機やエレベーターで見かけても「何て書いてあるのかな…?」程度でしたが、読み方や点字・点訳する際のルールを学んだことで、点字の知識を知ることができとてもよかったです。

 8月に同行援護研修がありました。実習だけではなく、視覚障害者について、制度やサービスなど基本的な知識についても教わりました。

 実習では、受講者とペアになり誘導する役とされる役を交代しながら、廊下や階段の上り下り・ドアの開け閉め、溝の越え方、食事や物、部屋の中を教えるときの説明の仕方、外での誘導などの実践をしました。誘導してもらう役の時に階段の上り下りで、下りは「怖い…」と思っていたのですが誘導役のペアの方が「あと何段ですよ」と声をかけてくれたので安心して下りることができました。

 誘導する時は、最初は言うタイミングが分からなかったりと苦戦しましたが、周りになにがあるのか、自分だったらこの情報は必要かな…と考えたり、声をかけることを意識して誘導してみました。何回か実習をしていくうちに、その時の反省点や実際に経験してみること、相手の立場に立って考えることで何の情報を必要としているか知り、声をかけることの重要さについて再確認しました。

 次に、視覚障害者のスポーツについてです。グランドソフトボールやサウンドテーブルテニス、タンデム自転車など様々なスポーツ競技があることに驚き、感動しました。そして10月に、タンデム自転車の体験会に参加させていただきましたが、久しぶりに自転車に乗ったので楽しかったのですが、下り坂は、雨が降っていたため、スピードがすごくでていて少し怖かったです。

 センターで業務をこなしていくうちに、利用者の方やボランティアの方に名前を覚えてもらったり、本の貸し出しをして「よかった、感動した~」「おもしろかった」と声をかけてくださり、とても嬉しく思います。私自身も励みになり、頑張ろうと思います。

 まだまだ未熟なところはありますが、これからも様々な知識を学んだり、「声をかける」ことを積極的に行い、視覚障害者の方々のために自分がすべき役割を果たせるよう頑張っていきたいです。


《事務局から》
◆消息  訃報

 佐藤(さとう) 義弘(よしひろ)氏(富山市) 3月 逝去

 佐伯(さえき) 茂信(しげのぶ)氏(射水市) 5月 逝去

 田中(たなか) 外美子(とみこ)氏(小矢部市) 5月 逝去

ご冥福をお祈りいたします。


◆時事暦(1月~6月)

2月15日(土)・16日(日) 「平成25年度日盲連北信越ブロック会議」開催(新潟県)。代表者会議、青年部協議会、女性部協議会・研修会が開かれ、総勢約130名、当協会から14名参加

3月30 日(日) 午前 理事会、午後 評議員会を開催

4月20日(日) 第14回富山県障害者スポーツ大会〔水泳競技〕(東富山温水プール)

5月10日(土) 出会いと語らいの集い(福井県)

5月11日(日) 第14回富山県障害者スポーツ大会〔陸上競技〕(県総合運動公園陸上競技場)

5月17日(土)・18日(日) 「第41回北信越グランドソフトボール大会」が石川県で開催され、富山県から20名参加。結果は、1位 富山県、2位 新潟県、3位 長野県

5月25日(日) 午前10時 平成26年度第1回理事会、午後1時 第1回評議員会を開催

5月29日(木)~31日(土) 「第67回全国盲人福祉大会〈大分大会〉」が開催され、富山県から総勢44名参加

6月8日(日) 午前10時 支部長会、午後1時 平成26年度定期会員総会を開催。会員78名・委任状87通。感謝状(一般財団法人浅田慈善園(じぜんえん)理事長・浅田(あさだ)訓平(くにへい)様)の贈呈。

6月11日(水) 富山県総合福祉会館において、平成26年度点訳(4名)・音訳(4名)ボランティア養成講習会開講式を開催


◆平成26年度後期の主な行事予定

7月6日(日) ボランティアと利用者交流会「県中央植物園」

7月20日(日) センタークリーン作戦

8月24日(日) 第63回点字競技会・第15回パソコン競技会

8月29日(金)~31日(日) 第60回記念全国盲青年研修大会(岩手県)

9月6日(土)・7日(日) 宿泊研修〔視覚障害者と家族激励大会・歩行訓練・研修会〕(氷見市)

9月7日(日)~9日(火) 第60回記念全国盲女性研修大会(東京都)

9月14日(日) 第14回富山県障害者スポーツ大会〔フライングディスク競技会〕(県総合運動公園)

9月28日(日) 第14回富山県障害者スポーツ大会〔卓球競技〕(県総合体育センター)

9月末 会報「ゆきしろ」第70号発刊

10月5日(日) 第38回視覚障害者文化祭・福祉機器展

10月19日(日) タンデム自転車体験会(県障害者スポーツ活動活性化事業)

10月26日(日) 第40回富山県視覚障害者球技大会〔グランドソフトボール・サウンドテーブルテニス〕(南部中学校・センター)

11月1日(土)~3日(月) 第14回全国障害者スポーツ大会(長崎県)

11月16日(日) 三療研修会(センター)

11月23日(日)・24日(月) 第23回北信越サウンドテーブルテニス大会(富山県)

11月29日(土)・30日(日) 北信越ブロック会議 代表者会議・青年部協議会・女性部協議会(長野県)

11月 出会いと語らいの集い(未定)

12月3日(水)~9日(火) 障害者週間

12月7日(日) 更生相談会・結婚相談室・意見交換会(センター)

―平成27年―

3月29日(日) 理事会、評議員会(センター)

3月末 会報「ゆきしろ」第71号発刊


《編集後記》

文化部 部長 上坂(こうさか) 敏彦(としひこ)

 秋の夜長を 仲良く二人 もっと虫の音 響けと願う

 さて、4月より消費税が8%となり、実質は3%余計に払っているのでしょうが、何となく違って感じるのは私だけでしょうか?

 新しく囲碁教室が出来、紹介されています。頭の体操に善いみたいですね。興味の在る方は、覗いて見ては!

 「ゆきしろ」は、みなさんの手で作られております。


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