会報「ゆきしろ」69号
(平成26年3月発行)

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     第69号
(発行者)
 社会福祉法人 富山県視覚障害者協会
 〒930-0077
  富山市磯部町3丁目8番8号
 電話 (076)425-6761
  Fax (076)425-9087
 Eメール:bcb05647@nifty.com
 Homepage:http://www.toyama-ssk.com
(発行責任者)
 会長  中西 美雄


 上の題字は 鶴木大壽 氏によるものです。

【ゆきしろ(雪代)の意味】



 雪国にあって、大地が春の雪原と接する部分で静かに融けはじめ、しずくとなり、やがてかすかな流れをつくり、それが集まって春のはじめの雪どけ水となって音をたてて大河に注ぐ様を、古くから俳句における春の季語として「雪代(ユキシロ)」とよばれています。
 当協会が、このしずくが集まって大河をつくるように大きく発展していくよう、願いを込めて命名いたしました。

     【ゆきしろ69号 目次】



《巻頭言》
◆更なる福祉向上を目指すために 会長 中西美雄

《大会参加報告》
◆第59回全国盲女性研修大会・山口県大会 女性部長 柳田信子

◆第59回全国盲青年研修大会・静岡市大会 青年部長 高橋 亨
◆第13回全国障害者スポーツ大会 射水支部 本江とみ子
◆第22回北信越サウンドテーブルテニス大会 射水支部 太田蓉子
《事業報告》
◆平成25年度ボランティアと利用者交流会 施設部 本江とみ子

◆ボランティア交流会 点訳、音訳についてのアンケート
◆第62回点字競技会・第14回パソコン競技会 文化部 高島ヒサ子
◆宿泊研修「視覚障害者と家族激励大会、山岳歩行訓練」 厚生部長 白口 務
◆第37回視覚障害者文化祭・福祉機器展 文化部長 上坂敏彦
◆第39回富山県視覚障害者球技大会 副会長(厚生部担当) 山内正一
◆平成25年度三療研修会 富山支部 高島ヒサ子
◆富山県視覚障害者協会創立70周年記念式典・記念講演・祝賀会 厚生部 佐生秀一
◆中西美雄氏 旭日双光章受章記念祝賀会  施設部長 安田庄内
《みんなの広場》
◆「高志の国」文学館を見学  富山支部 安達 実

◆視覚部とボランティアとの交流会(写真あり)  氷見支部長 布尾英二
◆叙勲!! 驚きと感動  会長 中西美雄
◆富山三つ星山の会より  富山三つ星山の会 事務局長 桐井英志
《事務局から》
◆消息

◆受賞
◆時事暦
◆平成26年度の主な行事予定
《編集後記》  文化部長 上坂敏彦


◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇

《巻頭言》
◆更なる福祉向上を目指すために
                         会長 中西 美雄
 平成25年は本協会にとってほんとうに忙しい一年でした。まず、2月の北信越ブロック会議を皮切りに、5月には北信越グランドソフトボール大会を本県で担当しましたし、12月には「協会創立70周年記念式典・講演会・祝賀会」を多くの会員の皆様のご協力の元盛大に開催いたしました。
 おまけに私事ではありましたが、叙勲の祝賀会まで行っていただきましたことは、誠に恐縮に絶えないところであります。
 中でも、協会創立70周年記念行事では、会員・来賓・表彰者など140名を超える皆様のご出席をいただき、その区切りの年にふさわしい行事になったことは日ごろから協会を愛していただいている証であろうと心から喜びを噛みしめておりました。
 また、平成24年から25年にかけて、障害者を巡る法律体系が大きく変わってきました。それは、国連で2006年に採択された「障害者権利条約」を批准するための国内法を整備するための法律を新たに作ったり、既存の法律を改正したりしたからであります。
 主なものとしては、「障害者基本法」の改正、「障害者総合支援法」「障害者虐待防止法」、「障害者差別解消推進法」、「障害者雇用促進法の改正」などであります。これらの国内法の制定によって、12月4日の参議院本会議においてこの条約が成立しました。
 この数本の法律の中でわれわれ障害者にとって重要なものに「合理的配慮」という規定が盛り込まれました。このことについては前号で塘添副会長が詳しく説明しておられるので重複は避けますが、「障害がなければ当然できることが、障害がある故にできない」ということを少しでも減らして行くことを目的に法律の上で「合理的配慮」として国や地方自治体に義務付けていることです。
 ところが、「障害者雇用促進法」では官民を問わず法的義務になっているのに反し、「障害者差別解消推進法」では民間事業所では努力義務となっています。ところが、この「障害者権利条約」が批准されると、条約の方が優先的に適用されるため官民を問わず法的義務となるものと思います。
 昨今の福祉行政は、めまぐるしく変化しています。国や地方自治体の財政悪化による福祉サービスの切り下げ、新年度には消費税が5パーセントから8パーセントへ上がります。物価も政府は2パーセント上昇させるといっていますが、円が下がれば輸入大国日本の物価はそれだけで1パーセントや2パーセントは上昇するでしょう。弱いもの、低所得者、年金生活者は大変な時代に突入していきそうです。
 こんな時こそ一人一人の思いを日盲連に結集して我々の福祉を擁護し、前進させていかなければならないと思います。先人たちが福祉に傾けた情熱を、勝ち取った福祉サービスを「ただ受けて終わるのではなく」次世代へ継承し、さらに押し進めてゆくためには強力な協会でなければなりません。
 現在富山県内には3300人余の方が視覚障害で障害者手帳を保持しておられるといわれています。その多くの人達が入会していただければ、その力も2倍・3倍となることでしょう。「一人の福祉は協会が支え、協会の力はみんなで支える」という共通認識を持っていただければ理想的な富山県内の視覚障害者の福祉がなるものと考えます。
 現在年を経るごとに会員数が減りつつあります。「現状維持」ではなくて、組織強化のために「会員増」を目指してそれぞれの立場で頑張っていただければと考えております。
 どうかこれらの事情をご理解いただきまして、更なるご支援とご協力をお願いいたします。

《大会参加報告》
◆第59回全国盲女性研修大会・山口県大会
                      女性部 部長 柳田 信子
 海峡と歴史の街「山口県下関市」において第59回全国盲女性研修大会が8月28日(水)から30日(金)にかけて「海峡メッセ下関」において、視覚障害者を取り巻くさまざまな問題について研修が行われました。
 ☆実現しよう! 権利条約の早期批准を
 ☆育てよう! 感謝と思いやりの心を
 ☆実現しよう! 文化的で安定した生活を
 ☆確保しよう! 行動の自由を
 上記のスローガンのもと今回も富山県が全国委員の当番県なので初日から参加しました。午後2時から、新城(しんじょう)女性協議会会長の挨拶に続いて最初に出席確認をし、明日の代表者会議に備え、議事に入りました。
 1.平成24年度事業報告、収支決算並びに監査報告。承認。
 2.平成25年度運動方針案、事業報告案並びに予算案を審議して承認。
 3.代表者会議提出議題について追加の項目がないことを確認して承認。
 4.大会宣言案・決議案について。承認。
 5.研修会・大会の役割分担について。承認。
 6.研修大会開催順について。開催順は、26年度は東京都に決定しているので、次の開催県からは、日本の北(北海道・東北)南(九州)と交互にブロック順の当番県で開催することを承認。
 7.「女性協10年のあゆみ」を発行するについて。内容については、執行部に一任することに承認。
 8.会報「あかね」について。第51回から第60回までの「10年のあゆみ」の記念誌を発行するために、今回は「あかね」の会報誌を年1回の発行とすること。また、その原稿募集のお願い。承認。
 9.選挙管理委員について。選出された方々を承認。
 午後5時に全国委員会は終了しました。その後、送迎バスにて、それぞれの宿泊ホテルへ移動しました。
 2日目は、午前9時30分から、全国代表者会議が105名の出席者のもと、開始されました。新城女性協議会会長の挨拶に続いて、議事に入りました。第1号議案から第9号議案まで長時間にわたり項目ごとに審議して、承認されました。
 その他のところでは、視覚障害者であることで、カードなどの書類作成ができないために(署名が困難)、いろいろなところでカード作成を断られる。この問題提議はこれからの私たち全体の深刻な課題だと思いました。
 午後1時からの研修会は、講師に、日盲連副会長の鈴木孝幸氏をお迎えして「地域格差をなくし自由な外出を!」と言う演題で私たちにわかりやすく、また、いろいろな例題をまじえ、今までの疑問点など丁寧に説明されました。とてもユーモアのある楽しい講演でした。
 第2部は、全国から9名の方の会員が「装いや身だしなみで心がけていること」のテーマでレポート発表が行われました。それぞれの思いで自分の生き方、考え方を発表されました。身だしなみとは、心と体の装い、そして立ち居振る舞い、また心を磨くこと。深い深い意味の言葉であることをレポート発表の中から学びました。視覚に障害があっても、継続的な努力で心と体を磨き、前向きに生活されている方々に感動しました。
 3日目は、大正琴の歓迎演奏に始まり、議事が行われ、最後に大会宣言が読み上げられました。満場の拍手で承認され、そして3日間の研修会は閉会されました。
 今回の大会は、数日前からの日本列島の豪雨と台風の上陸が重なり、雨模様の3日間でした。最終日の会場周辺は、ゲリラ豪雨そのものでした。
 次期開催地は、第60回の記念大会になります。平成26年9月7日から9日にかけて、東京都で行われます。
 年齢と共に、いろんな課題が増加してきますね。共に参加しませんか。お待ちしております。

◆第59回全国盲青年研修大会・静岡市大会
                   青年部 部長 高橋 亨(とおる)
 9月22日、23日に全国盲青年研修大会が、静岡市で行われました。私が、しらさぎと新幹線を乗り継いで、静岡に着いたのは12時半を回っていましたが、無事着く事が出来ました。
 今井さんと静岡駅で待ち合わせをしてホテルに向かい、受付をすませたら1時ごろで、ちょうど代表者会議がはじまる所でした。
 ☆踏み出そう、ゆっくりでも確かな一歩!
 ☆信じよう、苦楽をともにできる仲間と自分!
 ☆合わせよう、未来にむけて青年の知恵と力!
 をスローガンに、大会は始まりました。
 全青大会は結構出ていますが、例年と変わりがなかったです。違うと言えば、研修会と分科会が別の日だった事と懇親会が豪華でした。
 私は、第一分科会に出ました。特に変わった議題はありませんでした。今井さんが、携帯用の拡大読書機を使いやすくして下さい、と要望していました。
 研修会は、マナーと挨拶の仕方について教えてもらいました。来年の大会は、岩手県で行うそうです。静岡の大会は、良かったと思います。

◆第13回全国障害者スポーツ大会
                 射水支部 本江(ほんごう) とみ子
 平成25年10月12日~14日の3日間にかけて、東京都で開催されました全国障害者スポーツ大会(スポーツ祭東京・2013)にサウンドテーブルテニス(STT)の選手として出場することができました。思い出に残る感動を得ることのできた大会でした。報告を兼ねて記載させていただきます。
 選手団は選手・役員を合わせた45名です。10月10日、富山をバスで東京へ向けて出発。宿泊先である品川区の「アートホテルズ大森」に到着したのは4時過ぎでした。
 二日目の11日は、各競技の公式練習日です。富山県から出場した競技は陸上、水泳、フライングディスク、ボーリング、卓球の5競技で、富山県代表の視覚障害の選手が出場する競技は、陸上、フライングディスク、STTの3競技です。
 その練習場所は、各競技が行われる会場で、陸上は「味の素スタジアム」、水泳は「東京辰巳国際水泳場」、ボーリングは「調布スポーツセンター」、フライングディスク及び卓球(STT)は「駒沢オリンピック公園総合運動場体育館」です。
 私の練習時間は午後からで1時間30分あり、愛媛の男性と福島の女性の3人で行いました。サーブの練習やラリーを長く続ける練習などをしたり、試合形式も行ってみました。そして、ちょっと会場の雰囲気を確かめるなど、3人で和気あいあいと、楽しんで練習を行いました。
 三日目の12日は、「いよいよ今日から大会だ!」と、少しずつ緊張感が高まってきました。この日は午前は開会式、そして午後から競技です。
 開会式は、陸上競技が行われる味の素スタジアムで、皇太子殿下、皇太子妃殿下をお迎えして行われました。
 入場行進では、富山県の選手団は、スタジアムのトラック内を支援学校の生徒さんたちが作ってくれた県花のチューリップを手に胸弾む思いで行進しました。メインスタンドの前に来ると、多くの観客が盛大な拍手で迎えてくださいました。
 開会式では色々な方の挨拶がありましたが、何と言っても、皇太子殿下のお言葉を直(じか)に聞けたのはすごい感動でした。
 そしていよいよ午後から競技となり、私たち卓球組は競技が行われる駒沢オリンピック公園総合運動場・体育館へ移動しました。
 この日は、私の試合が午後6時10分に予定されていて、それまで少し時間がありましたので、他の人たちの試合をモニターで観戦していました。
 時間は刻々と過ぎ、いよいよ私の試合時間となりました。選手の待機場所へ行くと、すでにそこには私の試合相手の鹿児島県の選手が来ておられました。
 そして、試合時間となり試合会場への移動です。その試合会場へは、この待機場所からアイマスクを着用しての移動となります。
 「ワー、すごい緊張! ちょっとドキドキ!」
 試合は、5ゲームス11点マッチです。第1ゲームはジュースとなりましたが、なんとか勝利し1ゲーム先取。ところが、2ゲーム目は大差で取られてしまい1対1。しかしそこから踏んばることができ、3ゲーム目、4ゲーム目を取ることができ、ゲームカウント3対1で勝利!! ほっと胸をなでおろしました。
 試合を終えて出ていくと、我が卓球グループの人たちが「よかったね、おめでとう!」と自分のことのように喜んでくださいました。「1ゲーム目はジュースになったけど、あのゲームが勝てたのがよかったね」と言われて、「そうだ、ほんとにそうだったなー」と思いました。そうしてこの日の日程は終了しました。
 四日目の13日、私の試合は午後の1時30分からです。試合時間が来るまで昨日と同様、他の人たちのSTTの試合をモニターで観戦しました。
 そして試合となり、この試合の相手は千葉県の選手でした。
 1ゲーム目は9対11で取られ、次いで2ゲーム目もまた9対11で取られてしまいました。3ゲーム目、これを取らないともう後が無いという強い思いで臨んだのですが、やはりこのゲームも9対11で取られてしまい、0対3で負けてしまいました。なにせ相手の出すサーブがスピードあるサーブで、なかなか私には受けにくかったというのが正直なところです。
 結局千葉県の選手が1位となり、私は2位で銀メダルを取ることができました。そして、この日で予定されていた一般卓球、STTの試合は、全て終了となりました。
 五日目の15日は、閉会式です。私たち卓球グループは試合も終わったので、式が行われる味の素スタジアムへみんなと一緒に向かいました。
 そこではまだ陸上競技の砲丸投げ、幅跳び、リレーなどなどいろんな競技が行われていました。私たちは、それらの競技をスタンドから観戦します。リレーの時には、各県すごい応援合戦で、私たち富山もみんなで一生懸命応援しました。
 こうして全部の競技が終わり、日も暮れるころに閉会式となりました。閉会式では、高円宮妃をお迎えし、お言葉をいただきました。
 その後、東京都の猪瀬知事から、来年の開催の長崎県の中村知事に大会旗が渡されました。
 そしてこの後みんなが楽しみにしていたEXILEのミニライブです。またこのライブでは、東京都の中学生と福島県の中学生、さらにEXILEが一緒になって、ダンスパフォーマンスも行われ、あっという間に楽しい時間は過ぎていき閉会式は終了しました。
 六日目の15日は、富山へ帰る日です。この大会中は、お天気もよく10月も半ばだというのに、30度を超える真夏日もありほんとに暑い大会で、雨になったのは富山へ帰る最終日だけでした。
 また、私には一人サポートの方が付いてくださっていたのですが、周囲の皆さんも移動中はいつも私の荷物を持ってくださる人や、ちょっと一人でいると誰かかれかが声をかけてくれて、ほんとによくしてくださいました。支援学校の生徒さんからは「僕に掴まっていいよ」と言ってくれてうれしく、ありがたい思いでいっぱいでした。
 大会の時には、審判員の方から手作りのポケットティッシュカバーを、また対戦相手の方からやはり手作りの苺のアクセサリーを「お近づきのしるしに」とくださりこれもまたうれしいことでした。
 そして試合の時には、勝った時はほんとにうれしかったし、負けた時はもうちょっとだったのにという悔しい思いもしたり、よい緊張感もあり、思い出に残るよい大会となりました。
 尚、この大会には視覚障害から他に2名出場しており、その結果は、富山県視覚総合支援学校の加藤璃乃(りの)さんは、陸上競技のソフトボール投で1位、立幅跳が2位。氷見市の高木秀和さんは、フライングディスクのアキュラシーディスリート・ファイブで4位、ディスタンスメンズ・ディスタンスが5位でした。

◆第22回北信越サウンドテーブルテニス大会
                  射水支部      太田 蓉子
 平成25年10月19日~20日に金沢市むつみ体育館で「サウンドテーブルテニス競技の普及と技術の向上、相互の親睦を図り障害者スポーツの発展、視覚障害者の社会参加に寄与すること」を目的として、北信越より選手が一堂に集まり行なわれました。
 私はこの大会に参加させていただいて、10回目となります。毎回、参加者の人数も増え、今回はびっくりするほど、多くの人でした。19日は開会式の後、すぐに個人戦が始まりました。体育館に4台、個室に1台、計5台のテーブルで行なわれました。
 私は個室の方での試合だったので、部屋へ行って見ると、新しく買われた台で、さわって見ると「ピカピカ、ツルツル」玉が滑ってとてもやりにくいと直感しました。でもこの台になれるしかありません。
 最初はリーグ戦(4リーグ)あとはトーナメント戦になります。男女混合という部門なので男の人とも対戦しなければなりません。準決勝で池田さん(富山県)決勝で奥田さん(福井県)と男性2人に勝って優勝することが出来ました。
 私は5年前に脳腫瘍の手術を受けた後、アイマスクなしのBの部に変えさせていただきました。足も人口股関節というハンディがあるので年と共に筋力が落ちてきています。でも、ラケットを持つと自然に力が出てきます。
 2日目は団体戦です。富山Aチームとして今年は何とか上位まで行きたい気持ちがありました。今年は14チームという多い数です。どの県もAチームには、強い選手を組んでおられます。
 最初は石川B、次に新潟Aに勝つことができました。この時はとってもうれしかったです。次には、一番強い長野Aチームとの対戦となりました。
 なんとか、このチームを「クリア」しないと上位に行けないと思い、頑張りました。お陰様で「2対1」で勝つことができました。この試合ほど力が入った試合はなく、もう忘れません。
 決勝では福井Aチームと対戦しました。この試合に勝てれば優勝出来ると思い、力が入りました。みんなに応援してもらったお陰で9年ぶりの「優勝」でした。
 9年前といえば富山大会でした。この年は女は「山田さんと私」の2人でした。男の人は多くおられたのです。今では男性は少なく、女性の方が多くなりました。次は富山大会です。みんなで力を合わせ頑張りましょう。

《事業報告》
◆平成25年度ボランティアと利用者交流会
                      施設部 本江 とみ子
 平成25年7月7日(日)10時~15時、雨が降ったり止んだりの蒸し暑い中、教育文化会館と高志の国文学館を会場に「ボランティアと利用者交流会」が利用者43名・付き添い8名、ボランティア62名、職員6名の参加を得て開催されました。
 午前は教育文化会館において、音訳・点訳の方々との交流会、午後からはボランティアさんと利用者がペアになっての高志の国文学館の見学です。
 10時より1階研修室において、中西会長の挨拶の後、音訳グループはそのままの会場で、点訳グループは5階の会議室へ移動して交流会を行いました。
 まず点訳グループの方ですが、今回はコスモスの会の方に点訳本の校正について、また、例会の際に出た事柄などを話していただきました。
 最初に校正の仕方についてですが、以前は2校までで、多い時でも3校まででしたが、今は最低でも3校まで、多い時は5校まで行うようになったそうです。というのは、3校では間違いを見つけきれていないということがあり、より良い点訳本にするために校正の回数が増え、それに伴い時間もかかるようになったそうです。
 コスモスの会では月に2回例回をもっておられ、その際に疑問点などを出し合って、みんなで解決しているとのことでした。
 この交流会に向けて、例回で会員から出た事柄をまとめて、次のように述べられました。
①本選びが大変。どのような本が皆さんに喜んでもらえるのか、希望があれば聞かせていただきたい。
②パソコンで点訳をするにあたり、パソコン点訳の講習会があってほしい。
③パソコンでの点訳は早くてよいが、間違いが多い。
④パソコン点訳では、常に六つの限られたキーのみを使うので、そのキーの上に書かれている文字が薄くなり、点訳以外のことで使う時に薄くなっているキーの文字が、何の文字なのか分からなくて困る。
⑤分かち書きは分かりにくい。迷うことが多い。
⑥漢字のルビについて、1冊の本の中でページによって同じ漢字を違った読みで、ルビがふってあるのですが、そのまま先のページにいくと、同じ漢字が使われているのに、そこにはルビがふってないため、どちらの読みで点訳すればよいのか判断に苦悩する。
 などですが、この後これらの発表に対し、会員との質疑応答がありました。
Q:最初の校正について1校・2校・3校と進み更に4校・5校と進む中で、苦労されていることがあれば聞かせてほしい。
A:1校は誰でもできる入力ミスの直しなので、同期の人で行う。また2校・3校では、漢字の読み・分かち書きを中心に行います。例えば漢字の読みでは、「文言」という文字をモンゴンと読むか、またはブンゲンと読むかは点訳者の思いを優先している。分かち書きについても同じです。
Q:パソコンを使っての校正はどのようにされているのか。
A:点訳されたフロッピーを使い、本と見合わせながら行います。
Q:同じ漢字がページによって違ったふりがながふってあり、それに対し同じ漢字なのにふりがながふってない。それはその漢字をどの読みで読むかを、作者が読者に託しているのではないかとも思うので、そのような注釈を点訳の際に入れておられるのか。
A:入れてはいません。点訳者の思いを尊重して訳しています。
Q:点訳の際音声ソフトを入れておられますか。入っていると、打ち間違っている時は違った読みをするので分かりやすいのですが。
A:入れている人は何人かいますが、あまり使ってはいないです。
 この質問について他のグループの方にも聞いてみました。点友会では入れているそうで、「音声ソフトを入れた後と前では、誤字脱字の頻度がすごく変わったので音声化ソフトを入れることをお勧めします」とのこと。日赤奉仕団、DANの会では使ってはいないそうです。
 次に、今回の交流会の前に音訳と点訳の図書に関してのアンケートを会員から取ったのですが、その結果を発表してもらいました(アンケートの回答は本文の後に掲載)。
 そして、その後自己紹介を兼ねて点字や点訳本への関わりについて皆さんに一言ずつ話していただきました。以下は、その中で出た主な意見です。
①点訳や音訳をする際の本選びは、点訳や音訳される人が読んで、面白い、ためになると思う本が、読み手に喜ばれるのではないかと思います。
②最近では最も早い点訳法として、テキストデイジーといって、OCRで読み込み、パソコン上で点訳本に完成させるやり方もあるという紹介がありました。
③点友会では25年度の課題として、パソコン点訳を充実していくことに努めていきたい。
④点字を始めて3年ぐらいになりますが、最初は児童書から読み始め、今は点字本で3冊程度のエッセイ・小説などを読むようになりました。また点字を読んでいると夫婦喧嘩、腹の立つことがあっても点字本を読むと気持ちが落ち着けるので、これからもいろんな本を読みたいと思います。
⑤パソコン点訳を昨年から始めていますが、指導者の方から「毎日5分はやりなさい」と言われていて、毎日触ることで鍛えていかないと駄目なんだなあと実感しています。
⑥音訳で聞くより点字本で読書をする方が頭に入る。
 以上ですが、今回点訳の方に参加したのはボランティア22名、利用者12名でした。
 音訳グループでは、最初に利用者の立場から、富山市の小林(こばやし)幸(みゆき)さんに「読書について思い出を語る」というテーマで、小さい時からどのように読書に親しんできたかについて発表していただきました。
 小林さんは小学校3年生の時に、各高校のJRC(Junior Red Cross=青少年赤十字)クラブの方たちからのリーディングサービスや、寮では寮母さんから話をしてもらったりして、読書を楽しむことを覚えたそうです。それがきっかけで、その後も知識を高めるためにも読書を心がけているそうです。また、他の人たちと感想を話し合う楽しさも味わっているとのことです。
 そして、今は読書もデジタル化され環境もよくなったこともあり、センターから送られて来る物を手当たりしだいに読んで楽しんでいるとのことでした。
 次に、ボランティアであゆみ会の会長の中川さんに、音訳本がどのようにしてできあがるのかについて話していただきました。その中で、『歴史読本』という本を例にあげてお話されました。
 この本は、毎月25日に発売されている月刊誌ですが、発売されると速やかに入手し、下読みをして分からないところを調べ、録音し、そして校正を経て、編集となってできあがるまでを説明していただきました。
 このお二人の意見発表について、ボランティアさんからは「小林さんの話は音訳をするうえで励みになります」、一方、利用者からは「どのようにして作られて出来上がっていくのかがよく分かった」という感想が述べられました。
 音訳グループにも今回の交流会の前に、音訳図書に関してのアンケートを会員から取ったのですが、その結果を発表してもらいました。
 それについてボランティアさんの方から、「音訳の読みについて、聞きやすいと思う読み、聞きづらいと思う読みなどの意見を、いろいろ聞かせていただき、とても参考になりました」という発言がありました。
 この後自己紹介を兼ねての意見交換会となりましたが、人数が多いこともあり、予定時間内に終えることができず、少し超過してしまいました。
 そして、それぞれの交流会を終了し全体会となりました。点訳グループは点友会の土田さんに、音訳グループは声のライブラリー友の会の藤井さんに交流会で出された意見のまとめを発表していただき午前の部を終了しました。
 昼食休憩後、午後の部は文化会館の向かい側にある高志の国文学館の見学会です。
 見学会に先立ち高志の国文学館の川口さんから、会館内の説明をしていただきました。それによると、文学館は1年前の7月6日に開館し、これまでにこの会館に訪れた人は約16万人で、これは国内の文学館としては最も多く、2番目に来館者が多かった世田谷区にある世田谷文学館の約12万~13万人を大きく上回ったそうです。
 会館内の説明では、ここには企画展示室、常設展示室、また一部限られていますが有料で見られる展示コーナー、その他に自由に本が見られるライブラリーコーナー、絵本を楽しめるキッズコーナー、大小の研修室などがあります。またテレビ、ラジオなどによく出演されている、イタリア料理で有名な落合勉シェフのレストランもあり、連日ここは多くの人でにぎわっているそうです。
 この文学館では、富山県に赴任していた万葉歌人である大伴家持の万葉集から現代に到るまでの文学を納めており、小説では宮本(みやもと)輝(てる)の『螢(ほたる)川(がわ)』、柏原兵(かしわばらひょう)三(ぞう)の『長い道』(この作品は藤子不二雄Aにより漫画化され、その後篠田(しのだ)正浩(まさひろ)監督により『少年時代』として映画化された)、アニメーションでは監督細田(ほそだ)守(まもる)の『おおかみこどもの雨と雪』などいろんなジャンルのものまで扱っているとのことでした。
 そしてこの説明の後、ボランティアさんと利用者がペアになっての見学会となりました。
 まず私がボランティアさんと一緒に向かったところは、今日から始まった「立山曼荼羅を文学する」という企画展です。そこには、立山信仰の内容が掛軸式絵画として作られた物が展示してあり、立山地獄の様子、芦峅寺(あしくらじ)の布(ぬの)橋(ばし)灌頂会(かんじょうえ)などが描かれています。その描かれた様子をボランティアさんに説明してもらいながら、私なりに色々思いを巡らせていました。
 次に向かったのは、富山に縁のある作家や作品が展示してあるところです。そこには各作家の紹介文や作品が展示してあり、ここでもボランティアさんに文を読んでもらったり、説明をしてもらいながら、「この人のこの作品読んだことある」「作品は知っているけど読んだことないな」「次はこれを読んでみようかな」などの会話も交わしながら見学しました。
 今回も多くの皆さんに参加していただきありがとうございました。加えて利用者の皆様には、事前のアンケートへの御協力にお礼を申し上げます。
 更に交流会では、今回も活発な意見交換ができたこと、アンケート調査では私たちの率直な思いも伝えられ、ボランティアさんの方からは「これを参考にしていきます」というお答もいただき、よかったのではないかと思います。また次回も多くの皆様の参加を宜しくお願い致します。

◆以下に6月に協会ML(登録者87名)を対象に実施しましたアンケートの回答(20名分)のまとめを参考までに掲載します。
(A)音訳ボランティアさんから、利用者に聞きたいこと。
1.どのような形態で本を読まれていますか?○を付けてください。(複数回答可)
①カセットテープで 6名
②プレクストークで 18名
③パソコンで 10名
④その他 2名
 ・一般CDの録音物。
 ・リンクポケット(SDカードへコピーサービスの企画を利用して)
2.サピエからダウンロードして聞いてますか?
① はい 13名
② いいえ 5名
3.音訳の読みについて
① 聞きやすいと思う読みは?
 ・今の音訳でよい。
 ・滑らかで、間合いの取り方が適当な読み方。
 ・小説の場合は、普通に読んでいただければ聞きやすい。
 ・明瞭な読み方。
 ・はっきりした読み(ピークが付いている読み)
 ・歯切れがよく澄んだ声が良い。
 ・皆さん、上手に読んでいらっしゃる。
 ・滑舌がはっきりしていること。プレクストークで聞く場合には読みの速さはあまり気にならない。
 ・はきはきした大きめの声で、バックに重複(じゅうふく)した録音音声が入っていないもの。
② 聞きづらいと思う読みは?
 ・稀に誤読があるので、その時。
 ・声のトーンを変えすぎる読み方。
 ・声よりも息が先に出ているような読み方。
 ・めりはりがない読み(ピークが付いていない読み)
 ・割れた声。
 ・ちょっと言いにくいのですが、非常に多いと思います。それで、ついつい、点字図書を利用してしまいます。
 ・訛りが強い読み。声が震える読み。
 ・男性の声で低い声。
 ・小さめの声で、覇気のない読みかたの時です。
 ・特にありません。
③ 聞いてわからないと思ったところはどういうところですか?
 ・大変上手に音訳されているので、分かりやすいです。
 ・同音異義語は分かりにくい。特に同音反意語(減刑と厳刑、好天と荒天など)は逆の意味になるので注釈があれば良い。
 ・著者名、書名の漢字がわかった方がいい。
 ・同音異議語や人名など、漢字の説明があると良い。
 ・文字合わせや文字の並べ換えなどがヒントや種になっている推理小説など。
 ・聞きなれない言葉や漢字、カタカナ語。早口で話すイメージがしにくいものの時。
 ・点字で読んだ方が正しく言葉を知ることができて良いと思っている。
4.雑誌は数人で分担して読んでいますが、気になることはありますか?
 ・気になりません、特になし。 10名
 ・読み方よりも、速く聞けたらよい。
 ・アクセント(抑揚)を付ける。間と言う物を活用して読んでほしい。以前、朗読者が緊張してか分かりませんけど、タイトル部分でも、なんと言うか勿体付けるような言い方と言うか、我々は耳が聞こえるのですからふつうに読まれて差し支えないと思う。(これは、富山の視障協ではなく、どこかの視障協だったと思う。)
 ・記事ごとに声が変わり、気分を変えて聞けて楽しいです。声でお目にかかれて、いつもの方だとか、お久しぶりだとか、勝手に思って楽しく聞いてます。
5.お好きな本は? どういうジャンルの本を読みたい(必要)と思っておられますか?
 ・歴史小説 2名
 ・歴史物
・伝説物
 ・時代小説 3名
 ・時代物
 ・ハードボイルド、サスペンス
 ・ドキドキわくわくするような小説。話の回転の早い小説。涙あり、笑いありの小説。やはり文学。私の場合読書は安らぎなのであまり肩の凝らないものがいい。
 ・好きな作家の本
 佐伯泰英、今野 敏(びん)、白石一郎、太田蘭三(らんぞう)、大沢在昌(ありまさ)、村上春樹、ほか。サピエ図書館でベストセラーが話題になっている内にアップしてあると、利用しようと思う。
 ・医学書
 ・小説(ミステリー、冒険などエンターテインメント全般)
 ・最新の書籍
 ・サスペンス、教養書
 ・ファンタスティックで夢のある小説。宇宙の神秘を楽しめる本。読んだ後、楽しくて、うきうきする本。
 ・話題になっている本 2名
 ・仕事に関係のある本 2名
 ・生き方の本、先人の生き方の教示本。一応なんでもその時の興味がわいた本。
 ・俳句誌
 ・エッセイや時の人の小説。最初はほとんど声の図書を聞かせていただきました。歳をとるに従って自分のために点字を読むように努力をしています。
 ・ミステリー、冒険小説、医療関係、旅行雑誌、世界遺産の紹介。
6.読みたい(必要な)本を探すとき、どのようにしておられますか?
 ・サピエでは、メニュー検索や書名、著者名で検索している。
 ・サピエで探して、ダウンロードしている。 4名
 ・サピエの図書館で、人気のある本や芥川賞の本、友達が良かったという本をダウンして。
 ・サピエで、著者、タイトルで検索して。
 ・サピエ図書館の新刊図書情報で探す。
 ・サピエ図書館のデイジーデータ検索で、デイジー新着案内を毎日チェックしている。
 ・サピエの本の内容紹介を読んで選ぶ。たまに内容紹介がない本があるとがっかりする。
 ・ラジオなどマスコミで紹介される本の情報。
 ・新刊録音図書目録(日本点字図書館、センターなど)
 ・読書好きの友達と読んだ本の情報交換をして。
 ・出版案内、図書目録 5名
 ・著者名とジャンルで。
 ・一度読んだ図書の著者のものをさがしてもらい、知っている著者の本を。
 ・話題になっている本を。
 ・読んだ本の中に書いてあった本。
 ・配信されるものとその目次を聞いて参考にしている。
 ・センターに相談をして聞いている。
◎利用者として音訳ボランティアさんに聞きたいことがありましたらお書きください。
 ・音訳する本をどのように選択しているのか? 2名
 ・どのように調べても読みが分からないとき、どうしているのか?
 ・音訳で一番苦労をする点は?
 ・テキストデイジーに取り組む予定はありますか?
 ・サピエの登録に、音訳者の名前があればいいなと思うけれど、そういうことはいやですか?
 ・長い小説などはどのように録音されているのですか?
 ・読み間違えたりしたらどうしているのですか?
 ・ライトセンターから紹介のある本などを参考にさせていただき、読みたい本などがあったらすぐにダウンして読ませていただいております。いつも感謝しております。なにも言うことはありません。
(B)点訳ボランティアさんが利用者に聞きたいこと。
1.点訳図書はどのような方法で読んでいますか?
① 点字図書で 3名
② サピエ図書館からダウンロードして 7名(ブレイルメモ4名 パソコン3名)
③ テキストデータとして 音声で 6名
2.お好きな本は? どういうジャンルの本を読みたい(必要)と思っておられますか ?
 ・ほとんど小説でミステリー系が多いですが、幅広く読んでいます。たった今、コスモス点訳の『幸福な生活』を読み終わりました。これはなかなかよかったです。
 ・文学
 ・読書は安らぎなのであまり肩の凝らないようなもの。
 ・皆さんが読んで感動したとか言う本などを、手当たり次第に読んでいる。
 ・現代社会に対応していける本など。
 ・あまり難しい本は読めませんが、仕事に参考になる本や今話題になっている本など。
 ・推理小説
 ・ファンタスティックで夢のある小説。
 ・宇宙の神秘を楽しめる本。
 ・読んだ後、楽しくて、うきうきする本。
 ・エッセイや時の人の小説が好きです。最初はほとんど声の図書を聞かせていただきました。歳をとるに従って自分のために点字を読むように努力をしています。
3.読みたい(必要な)本を探すとき、どのようにしておられますか?
 ・ないーぶで検索して探している。
 ・読書好きの友達と読んだ本の情報交換をしたり、サピエ図書館の新刊図書情報で探す。
 ・サピエの図書館で探す。 2名
 ・出版案内 2名
 ・配信されるものとその目次を聞いて参考にしている。
 ・センターに相談をして聞いている。
◎利用者として点訳ボランティアさんに聞きたいことがありましたらお書きください。
 ・記載なし

◆第62回点字競技会・第14回パソコン競技会
                       文化部 高島 ヒサ子
 平成25年8月18日(日)10時から富山県視覚障害者福祉センターにおいて、明るく、しかも元気な声が飛び交う中、第62回富山県点字競技会と第14回パソコン競技会・携帯電話の競技会が行われました。
 開会式
 ・優勝杯返還
 ・大会長挨拶:8月はグランドソフトボールをするには非常に暑いので、球技大会と日程を入れ替えて、点字・パソコン競技を8月、つまり、今行うことにしたという説明と激励の言葉をいただきました。
 ・オリエンテーション:競技場の注意を上坂(こうさか)さんがなさいました。まわりの選手の声が急に静かになり、会場の雰囲気が緊張感に包まれて変わっていく雰囲気が伝わってきました。
 点字競技
 ・種目は、記憶書き2分間一斉、聞き書き2分間一斉、写し書き2分間一斉、速読み1分間個別
 パソコン競技(パソコンの部、携帯電話の部)
 ・種目は、朗読文の聞き書き、短文聞き書き

 私個人的には、富山支部から一人でも多く出ていただきたいので、呼びかけをしたのですが、返事はそれぞれさまざまでした。書きながら読みながら、その時は夢中でやっているのですが、やはり力が出なくなって成績の上がらないのがよく分かったのですが、こんなワクワク感やドキドキ感に合うことで若さと元気が沸いてくるような気がしました。
 来年はもっと審査員を困らせるほどいっぱい出てきていただきたいと思いました。点字を始めて日が浅いのに勇気を出して頑張ってくださった方もいて感激でした。
 今年は会長が70周年記念式典をやるから、特別の賞つまり種目別の賞もでていつもよりにぎやかでした。一人でも賞を上げたいという会長のポケットからでた賞でした。
 パソコン・携帯競技が終わると、審査していただいている間に「子狐ヘレン」という映画観賞をしました。ヘレンは、ヘレンケラーのヘレンからとった名前で、子狐は盲目でした。
 動物を診察する矢島(やじま)という獣医が、その病魔のヘレンを直そうと頑張るがうまくいかない。子狐はついに倒れて死んでしまう。その狐を心から愛する子供の心の葛藤や、子狐を直そうとする動物病院の獣医と子狐を間に、真剣に戦う心の葛藤を描いたものである。
 太一という子供が、優しく子狐を大事にしていたら、太一の声がもうすぐ死を前にしたヘレンの心に届き、子狐ヘレンは大きな声をだした。母を呼ぶ時の声である。その声を残して亡くなってしまう。ちょっと寂しく切ない話である。心の愛が子狐に届いたのである。純粋な愛を感じた物語でした。音声ガイドのナレーションで聞かせてもらいました。

 点字の審査員は視覚総合支援学校の土田・東保(とうぼ)・松田・中野の4人の先生方でした。
 点字競技の講評(視覚総合支援学校・土田先生)
 ・記憶書き:大変頑張って書いたが解消法が禁止法になっていた人がいた。
 ・写し書き:飛ばして次を書いた人がいた。
 ・速読み:読む材料が難しかった。それでも裏まで読んだ人が二人いた。私たちは書いたり読んだりする機会があるのでぜひ努力してほしい。

 パソコン競技会審査員はあゆみ会松村邦子さん、大門洋子さん、ひまわりの会駒方三千代(こまがたみちよ)さん、赤川詩津子(あかがわしずこ)さん。
 パソコン競技の講評(あゆみ会・松村さん)
 ・1位と2位はすごく正確だった。
 ・最初の打ち出しは1字空きがなされていなかった。
 ・iPSは全員大文字で書いてあり間違っていた。
 ・改行後は1字空けをしないとマイナス5点になる。
 点字・パソコン競技の審査をしていただきました先生方どうもありがとうございました。その他センター職員・役員や選手の皆さん本当にありがとうございました。
 成績は次の通りです。
・点字競技
 団体の部
1位 射水市チーム、2位 富山市Aチーム、3位 高岡市チーム
 個人総合
1位 松波 律子(高岡支部)
 一般の部
1位 松波律子、2位 上沢淳一(富山支部)、3位 佐生真理(さそうまり)(魚津支部)
 中途失明者の部
1位 塘添誠次(とうぞえせいじ)(射水支部)
2位 谷内幸子(たにうちさちこ)(富山支部)
3位 片岡美宝(かたおかみほ)(射水支部)
 田島杯
鈴木修博(すずきしゅうはく)(射水支部)
・パソコン競技
1位 上沢淳一(富山支部)
2位 田口明美(たぐちあけみ)(高岡支部)
3位 安田庄内(やすだしょうない)(高岡支部)
 ◎点字競技部門別 会長特別賞
記憶書き  佐生秀一(さそうひでかず)
写し書き、速読み  佐生真理
 ここは魚津市の佐生夫婦が頑張りました。

◆平成25年度宿泊研修 「視覚障害者と家族激励大会及び山岳歩行訓練」
              厚生部 部長 白口 務(しらぐち つとむ)
 今年度の宿泊研修は9月7日(土)から8日(日)にかけて富山市担当で春日温泉「ゆーとりあ越中」にて開催されました。
 県内各地から、13時30分頃に宿舎に到着し、受付を済ませ、2階の会議室へ荷物を持って移動し、14時から激励大会に入りました。
 塘添副会長の開会の辞で始まり、中西会長の挨拶の中で法律改正について、医療費の現物給付、同行援護が全国的に一律になるよう、一人ひとりが役所等に行くようにと会員の皆様に訴えられました。堀富山支部長が名所・旧跡・伝説等を説明しながら歓迎の言葉とされました。
 来賓の方々より激励の言葉を頂きました。五十嵐県議の言葉に「会員・市・県等と話合って一つ一つ解決をして行こう。全国一律のレベルになる様に皆様と一緒に頑張ろう」と励ましの心強いお言葉を頂きました。
 歩行訓練は、玄関前15時10分に集合し、配られたお茶を持参し、雨の降る中をバスで出発点まで移動し大久保発電所を見学。
 大久保発電所の運転開始は明治32年。3月最大出力120kW、使用水量1.2立方メートル/秒、有効落差18.2m。神通川から取水していた大久保用水を利用。神通川の河岸段丘(かがんだんきゅう)といった地形上の有利性、発電規模の適当性などが先行開発の理由とされている。現在は出力500kW、使用水量3.11立方メートル/秒、有効落差20.5mとなっているそうです。
 雨の中を多久比礼志(たくひれし)神社まで歩き参拝致しました。ここの神社の御神徳(ごしんとく)は、比礼が罪を祓うことより「厄除け」、神船(しんせん)が神通川を渡御(とぎょ)されたことより「交通安全」シオツチの導きによって、ヒコホホデミノミコトが失くし物を見つけたことより「導き」、ヒコホホデミノミコト、トヨタマヒメが夫婦で祀られていることより「夫婦円満」など、おおくの御神徳が有り皆様も真剣に参拝をしておられました。
 神通川水辺(みずべ)プラザまで雨の中を歩きその後バスに乗り宿舎に戻り、歩行訓練終了後手荷物を持って各部屋に戻り冷えた体を大浴場で温め懇親会に入りました。
 懇親会は18時30分から1階の春日の宴会場で中西会長の挨拶に続き、富山県会議員坂田(さかた)光文(みつふみ)様よりお言葉を頂き堀副会長の乾杯で宴会に入りました。
 例年の様に皆様の美声を聞かせて頂きました。詩吟・相撲甚句(すもうじんく)、また、会長・副会長などによるおわら節など多彩な出し物を出して頂き、有意義な時間を過ごさせていただきました。二口相談役による万歳三唱にて宴会終了し明日の研修会に備えました。
 8日午前10時より研修会は2階会議室にて開講されました。今回のテーマは「北陸地域における水力発電の歴史」と題して北陸電力株式会社・土木部水力室水力電力チーム課長代理鴻野(こうの)隆司(たかし)氏による講演でした。
 富山市で初めて電灯が点灯したのは明治27年5月の富山市博覧会場。明治39に年富山電灯から富山電気に社名変更した時は出力が120kWだったが、大正2年に18.8倍の2258kWになった。また、庵谷(いおりだに)第一発電所は明治44年運転開始で、出力は1425kWだった。
 富山電気から日本海電気に社名変更して富山県一円に加え、石川県にも供給し、今日の北陸電力に繋がる。昭和9年の県別水力発電力を見ますと1位富山県405.537kW、2位長野県391.905kW、3位新潟県284.339kW。富山県の水力発電の内、約60%を大阪、東京、名古屋方面に送電していた。
 続いて「北陸電力の現状」と題して総務部総務地域チーム黒田順子氏が地域の皆様に安心して頂けるよう、敷地内シーム追加調査を着実に実施し、これまでの調査結果を含め、志賀原子力発電所の安全性について、丁寧に説明するとともに、新しい規制基準をクリアする様適切に対応し、志賀原子力発電所の1日も早い再稼働を目指しておりますとの説明でした。
 エネルギーについてはどのようにして確実に安定的にエネルギー資源を手に入れるかが課題となっている。日本には火力・水力・原子力等の発電所に加え、太陽光・風力等再生可能エネルギーを利用した発電所があります。それぞれの良い点を生かしバランス良く組み合わせて電気を作っているそうです。
 福島第一原発の様な事故を二度と起こさないために、安全確保への様々な対策に取り組んで頂きたい。現代電化時代、我々の周りには電化製品があふれています、皆さんと共に賢い節電に協力しましょう。
 年々参加者が減少する傾向にあります。来年度は氷見市が担当ですので来年度は皆さんと一緒に氷見で逢いましょう。
 富山市の皆さん本当に御苦労さまでした。また、事務局の方々も大変御苦労さまでした。

◆第37回視覚障害者文化祭・福祉機器展
           文化部 部長 上坂 敏彦(こうさか としひこ)
 10月6日(日)、第37回視覚障害者文化祭・福祉機器展が、富山市磯部のライトセンターで行われました。
 午前10時より、中西会長の挨拶があり、最初のプログラム、講演会を始めました。講師は、富山市科学博物館付属富山市天文台主幹学芸員の布村克志(ぬのむらかつし)氏で、「白萩隕鉄(しらはぎいんてつ)と流星刀 ―その謂われ」と題し、宇宙からの贈り物隕石について伺いました。
 実際に天文台に保管してある隕石に触れたり(一部分析のためカットされている)、同じ大きさの石と鉄成分の多い隕鉄とを比較することもできた。県内には、明治時代、上市町白萩地区で発見された「白萩隕鉄1」と数年後に少し離れた場所で見つかった「白萩隕鉄2(早乙女隕鉄)」の二つが、隕石とされている。
 その隕鉄から、日本刀を数振りうち、一振りは後の大正天皇に献上されたという、あまり知られていない話が聞けた。
 また、記憶に新しいロシアに落下した隕石のことや宇宙誕生につながる話など興味深い内容の講演でした。
 興味のある方、もう一度聞いてみたい方は、布村氏のご厚意により講演の録音が協会ホームページにアップしてあります。
http://www.toyama-ssk.com/ 
直接は http://www.toyama-ssk.com/jig-bunka25.mp3 で聞くことができます。
 講演終了後、研修室は飲食コーナーへと早変わりして、会員はボランティアグループにより販売しているお弁当や大福・各種アルコールやおつまみを買い求めて、飲食を楽しみながら話に花が咲いていました。また、コーヒーコーナーでも隣り合った面々と会話が弾んでいました。
 センター2階では、女性部員が和室で茶席を、フロアーには漢点字を紹介するコーナーや会員の作った手芸作品や俳句などが展示してありました。
 福祉機器展では、地デジが受信できるワンセグラジオ・コンパクトにまとまった防災用品・デイジー図書を聞くプレクストーク数機種などを紹介していました。調理室には、ボランティアさんの手作りした白杖袋やラケット入れ・布草履やアクリルたわしなど販売されていました。
 午後は生きがい教室発表がフラワーコーラスの歌声で始まり、「青い山脈」を会場と一緒に合唱しました。続いて詩吟が吟じられ、山崎さんはみんなの伴奏も勤めました。民謡クラブは東北地方の民謡を中心に歌と演奏を、高岡支部安田さんはギター演奏を披露しました。最後は歌自慢によるカラオケで、プログラムはすべて終了となりました。
 事前の会場設営や早朝からの準備など、ボランティアさんや職員の皆さんの協力で行えありがとうございました。当日は百人を超える来場者がありました。

◆第39回富山県視覚障害者球技大会
                 副会長(厚生部担当) 山内 正一
 標記大会は、去る10月27日(日)、グランドソフトボールは富山市立西田地方小学校グランド、STT競技は富山県視覚障害者福祉センターで開催された。毎年8月の第3週に開催されてきたが、最近の猛暑を懸念した配慮である。
 さて当日は朝からあいにくの雨。天候の影響をもろに受けるグランドソフトボール会場では、審判や準備をしていただく県立富山視覚総合支援学校の先生方も、雨合羽の重装備ながら空を見上げて思案顔、結局競技は無理と判断し、中西会長出席のもと、開会式だけを行い、STTの行われているセンターへ向かった。雨に濡れ、所々に水たまりが見える会場、グランドはソフトであった。
 STT競技が行われたセンターでは、午後実施の男子の部が、グランドソフトボール中止に伴い急遽午前から割り込み実施となり、大変だったようである。
 試合結果は次の通り(敬称略)。
☆サウンドテーブルテニスA(アイマスクあり)男子の部
 優勝    塘添 誠次(とうぞえ せいじ)(射水支部)
 準優勝   中西 美雄(なかにし よしお)(富山支部)
 3位    安達 実(あだち みのる)(富山支部)
☆サウンドテーブルテニスA(アイマスクあり)女子の部
 優勝    徳市 和美(とくいち かずみ)(高岡支部)
 準優勝   柳田 信子(やなぎだ のぶこ)(富山支部)
 3位    本江(ほんごう)とみ子 (射水支部)
☆サウンドテーブルテニスB(アイマスクなし)男女混合の部
 優勝    太田 蓉子(おおた ようこ)(射水支部)
 準優勝   赤石 美枝子(あかいし みえこ)(富山支部)
 3位    徳市 秀晴(とくいち ひではる)(高岡支部)
                            以上。

◆平成25年度三療研修会
                      富山支部 高島 ヒサ子
 平成25年11月17日(日)三療研修会において、富山市出前講座「認知症について学び地域で支えよう」富山市長寿福祉課地域ケア推進担当主幹岩田大史(だいし)先生の大変分かりやすいお話を聞かせていただきました。主に富山市の状況を例にあげて詳しくお話をしてくださいました。
 40代の若さで認知症になった女性がいた。認知症:同じことを何度も繰り返し聞く。人の名前や物の置き場所を忘れる。記憶障害になり今何をするか分からなくなる。認知症は体験全てを忘れる。金銭管理ができなくなる。人と会うのが億劫になる。人の人格が変わり暗くなる。意欲がなくなる。野菜の名前10個がでなくなる。引き算ができなくなる。つまり自己機能障害を起こす。
 対応として社会福祉関係の人がいる病院を受診。病院は赤十字、大学病院、谷野呉山病院、協立病院、神経内科および一般の内科の先生。
 認知症の診察や治療について:問診をする。検査(画像診断)。治療薬(アリセプト、レミニール、リバスタッチ、メマリー)。
 原因として、アミロイドが脳細胞に溜まり沈着する。5年以内で劇的に変わることがある。
 薬物以外のケア:昔のことをしっかり思い出させる。例えば化粧をする、ペットセラピー、レクリエーション、なんでも否定しない。物盗られ妄想がある。介護をオープンにする。
 認知症の予防:高血圧は自覚症状がない。糖尿病は生活習慣病なので運動をする。また、オリーブオイル、赤ワイン、コーヒーなら3杯ほど飲む。緑茶、リンゴ、チョコレートなどベータカロチンをとる。カレーライスもよい(インド人は認知症が少ない)。水分補給を1日に1.5リットル必要である。昼寝は30分。よく噛んで食べる。良質のタンパク質をとる。肉や魚もバランスよく食べる。脳の血流刺激が濃い。とにかく変わり映えがしない。ワクワク感やドキドキ感も時には必要である。日に何度か感動を与える(宝塚の人は認知症が少ない)。
 認知症の人であっても、地域の人の理解があればケアを受けながら地域で生活ができる人もいる。
 先生の講義が分かりやすいので、時間のたつのも忘れるくらい早く過ぎたような気がしました。これからの私たちも明日は我が身なので、真剣に勉強をさせていただきました。今後先生のお話を思い出し1日でも元気に過ごせるように注意してしっかり気を付けて元気に生きていきたいと思います。どうもありがとうございました。
 午前中はいつもの治療交換でした。これは午後からの講師の話を書かせてもらいました。

◆富山県視覚障害者協会創立70周年記念式典・更生相談会(記念講演)・祝賀会
               厚生部 佐生 秀一(さそう ひでかず)
 平成25年12月1日(日)、パレブラン高志会館において社会福祉法人富山県視覚障害者協会の創立70周年記念式典・記念講演・祝賀会が開催されました。
 当協会は昭和18年(1943年)8月、富山県愛盲協会として創設され昭和23年4月、富山県盲人協会に改称。昭和40年9月、社団法人に移行。昭和47年7月、西田地方にあった旧県婦人会館を富山県視覚障害者福祉センターとして開所。昭和52年1月、社会福祉法人富山県視覚障害者協会を設立。そして昭和62年4月、視覚障害者福祉センター(通称 ライトセンター)を磯部へ新築移転し、現在に至っています。
 式典は、会員・付き添いやボランティア、来賓の方など約140名が出席し午前10時から、物故者への黙祷で始まり 中西会長から挨拶がなされました。
 挨拶の冒頭、11月25日の深夜から早朝にかけ魚津市本町2丁目一帯で発生した大規模火災において本協会会員であり、評議員をされている稲葉(いなば)志津香(しづか)さん宅が全焼した事に触れ、それに対するお見舞いと、祝賀会の会場に募金箱を設置して義援金のお願いがありました。
 続いて、表彰状・感謝状贈呈に移り田島信子氏に特別感謝状が授与されました。続いて協会推薦2名、支部推薦17名の会員に表彰状、個人19名、7団体に感謝状が授与されました。また、職員の定塚剛成(じょうづか たかなり)氏が永年勤続表彰を受けられました。
 その後、多くの来賓の方々から祝辞や激励の言葉をいただき最後に、表彰された方の代表の謝辞で式典を終了しました。
 続いて11時50分より「富山県置県130周年を迎えて」と題し富山県民生涯学習カレッジ学習専門員であり、富山近代史研究会会長でもある竹島慎二氏を講師にお迎えし、記念講演をしていただきました。研究家らしいユーモアを交えた歴史観や、熱の入った詳しい講演に出席者らが聴き入り、限られた時間の中、会場からの質問にも詳しくお答えになられ、講演会が終了しました。
 予定時間を上回って 1時20分から、会場を「嘉月の間」に替え110名が出席して、祝賀会が行われました。
 乾杯に先立ち、当協会の生きがい教室で活動している ダンス教室のメンバーによるブルース・ワルツ・タンゴ・ジルバの曲に合わせたダンス、同時に出席者に向けて、メンバーの名前など説明を加えながら披露して祝宴を大いに盛り上げました。
 その後は、美味しい料理や飲物をいただきながら、あちこちで談笑が交わされ最後は、公益社団法人富山県鍼灸マッサージ師会会長・中野邦雄氏の万歳三唱で、祝宴は終了。以上、創立70周年記念式典を含めた全ての予定を終える事ができました。
 先の式典において、視障協会長の挨拶の中で触れられた稲葉さんに対しては、祝賀会会場で会員より募られた募金、それと各支部から寄せられた義援金16万円を、12月26日に当協会を代表して中西会長、魚津支部長佐生、センターの宮田所長3名が、魚津市の現在の借り住まいであるご自宅に赴き、稲葉さんご本人に直接皆様の暖かい思いとともに、中西会長の手から手渡され、一日も早い復興と生活の安定を願い激励されました。
 終わりに、このたびは急な募金のお願いにも関わらずご協力いただいた多くの県下各支部会員の皆様、本当にありがとうございました。

◆中西美雄氏 旭日双光章受章記念祝賀会
                      施設部 部長 安田庄内
 平成25年秋の叙勲で中西美雄会長が栄えある旭日双光章を受章されました。本当に目出度いことです。11月3日の新聞で報道され、11月5日には県知事より勲記・勲章の伝達を受けられました。11月8日には皇居に参内し、豊明殿において天皇陛下に拝謁され、陛下から直接握手をしていただいて感激されたとの事です。
 その受章記念祝賀会が12月22日(日)午後1時から、富山市桜橋通りのホテル「グランテラス富山」において、113名の出席者をもって盛大に開催されました。
 司会進行は、あゆみ会代表の中川照子さん、ひまわりの会代表の四宮一子さんの両氏で進められ、盛大な拍手の中、中西美雄、洋子夫妻の入場で始まりました。
 堀副会長から中西会長の略歴紹介、塘添副会長から主催者代表あいさつがあり、続いて多くの来賓の方から祝辞をいただきました。
 前障害福祉課長の車谷氏からは、第11回全国障害者スポーツ大会山口大会に中西会長が副団長として参加された時、5日間同部屋だった中西会長にマッサージをしてもらった事や、金融機関での代筆を認めてもらうために一緒に銀行を訪ねた時のエピソードを紹介され、富山県身体障害者団体協議会長の岡本氏からは「ゆきしろ68号」の中西会長の巻頭言を引用しての話をされました。両氏はともに「会長は謙虚で控えめだが、ここという時の勇気と行動力は素晴らしい」との認識で一致しておられました。
 祝宴に入り、多数の方からのスピーチの他、菊帆会(きくほかい)師範・沼 天栄(ぬま てんえい)さんと会長のお孫さんによる剣舞が披露されました。また、篳篥(ひちりき)と詩吟、そして民謡教室のメンバーによる自慢の美声が披露され、大いに盛り上がりました。
 会員から記念品と花束が贈呈され、中西会長は謝辞で、「今年秋の叙勲に際しまして、旭日双光章拝受の栄に浴しましたこと、心より嬉しく思っております。この章は私一人でいただいたものではなく、協会の会員の皆様を始め多くの方々のご指導ご鞭撻があったればこそと、感謝いたしております。私は、昭和三十九年に富山県立盲学校を卒業して就職したのが、当時の協会の名誉会長でありました黒部市の板屋治療院であったこともあり、協会行事などへの参加は当たり前のようになっていました。板屋先生は、口癖のように「視覚障害者の生活の安定と福祉の向上」をよく話して下さいました。先生や奥様の話を聴いているうちに、私も協会に深く携わっていった様に思います。」と当時を懐かしむように述べられました。
 板屋先生との出合いが中西会長の活躍の原点だったのだと思いました。「人との出会い」は大切なものだと改めて思いました。
 この度の受章、本当におめでとうございました。今後益々のご活躍を祈念致します。

《みんなの広場》
◆「高志の国」文学館を見学
                        富山支部 安達 実
 今年度のボランティアと利用者交流会の午後の部は、「高志の国」文学館の見学でした。その直前に文化部長の上坂さんから、その時の感想を原稿にするようにとの依頼があったのですが、なんだかまとまりのない文章になって今日にいたりました。
 「高志の国」文学館は元の知事公舎跡地に建設され、オープンしたのは昨年7月! 1年しか経っていない真新しい建物でした。建物は平屋で、広い庭には芝生があって庭のあちこちには木も植わっていて、多分視覚に障害のない人にとっては、さぞかし見晴らしもよく、その美しさに魅了されるのではないでしょうか。
 正直言って、建物や庭にはほとんど興味の持てない私(わたくし)ではありますが、文学館内の内容につきましては私のパートナーだったボランティアさんの、懇切丁寧な説明でおおよそ理解でき、この見学会は私自身にとって意義深いものでした。
 富山県は、万葉歌人大伴家持が、223種もの歌を詠んだ越中万葉ゆかりの地です。また、堀田善衛(ほった よしえ)や源氏鶏太(げんじ けいた)(作家)、角川源義(かどかわ げんよし)(角川書店の創業者)といった作家を輩出しているほか、宮本輝(みやもと てる)『螢川』、柏原兵三(かしわばら へいぞう)の『長い道』、新田次郎の『剱岳 点の記』など、富山を舞台にした文学作品も多数あります。
 さらに、富山県は映画では、滝田洋二郎や本木克英、細田守を輩出し、漫画では、藤子不二雄Aと藤子・F・不二雄等を生んでいます。
 「高志の国」文学館は、これらの富山県ゆかりの作家や作品の魅力を幅広く発信し、誰もが気楽にふるさと文学に親しみ学ぶことができるとともに、新たな創作への刺激ともなる場として、開館しました。
 次に、「高志の国」文学館の基本理念としては、富山県ゆかりの作家や作品を分かりやすく紹介する、ふるさと文学の総合窓口! 文学作品のみならず、絵本、映画、漫画、アニメなど、幅広い分野の作品を気楽に楽しみ、学ぶ機会の提供! 深く探求する、創作する、発表する、刺激ともなる場の提供!
 私はこの見学会を通じて、ふるさとへの誇りを感じながら、機会があればここに掲げた人々の作品を読んでみたいと思います。そうして、心ゆくまで味わいたいと思う今日この頃です。

◆支部活動紹介 ~視覚部とボランティアとの交流会~
            氷見支部 支部長 布尾 英二(ぬのお えいじ)
 氷見支部では、毎年、音訳サークルなみの会と県共同募金会の協力を得て、ボランティアとの交流会を実施している。今年度は第7回目を迎え、10月14日(祝)に魚津方面への日帰り旅行を行なった。近年では、昨年は富山方面で、高志の国文学館・岩瀬森家見学と新湊大橋初渡り体験、一昨年は、金沢方面で、兼六園と泉鏡花記念館や長町武家屋敷散策、そして3年前は、五箇山のユネスコ世界遺産の相倉(あいのくら)と菅沼の合掌造り集落を見学した。
 10月14日当日は、晴れ上がり旅行日和となった。参加者は、支部会員10名と「なみの会」会員5名・一般ボランティア5名の10名、計20名で貸切バスで出かけた。
 氷見インターから高速道路で走ったが、車中はペアのボランティアの方と自己紹介をしたり、窓外の様子や経験を話し合うなど、なごやかに過ごし魚津市内に到着する頃にはペア相手と打ち解けた様子であった。
 最初の見学場所は魚津水族館であり、今年は魚津水族館創立100周年(大正2年創立)の年で、リニューアルしたばかりで参加者はワクワクしながら入館した。
 館内は、ペアのボランティアさんと巡り、富山の河川コーナーでは、見慣れた田んぼや川の魚と共に「トミヨ」も見ることができた。(写真あり)


☆左の写真は魚津水族館の中での様子です。


 また、深海魚コーナーでは、エビやカニと共に「ゲンゲ」なども元気に泳いでいた。富山湾の大水槽では、ブリなどの大型魚の遊泳が見られ、海中トンネルからの魚群の眺めは手に取るように見え圧巻だった。
 また3階からは、魚の餌や水の管理の様子も見られるようになっており、魚の種類別の維持管理も大変だなと感じた。



 昼食は、魚津駅前の浜多屋さんの2階でいただいた。新鮮な刺身、焼き魚、酢の物、お吸い物など、魚津の味を堪能しながら、参加者の感想などを述べ合い交流を深めた。
 午後は、魚津埋没林博物館へと向かった。博物館の受付入口を通ると通路が展示コーナーになっており、埋没林と蜃気楼について展示されていた。次にテーマ館の2階に入り、ハイビジョンで埋没林と蜃気楼について分かりやすく映像で紹介された。その後、展望台にのぼり残念ながら蜃気楼は見えなかったが日本海を一望することができた。
 埋没林は、水中展示館と乾燥展示館があり、埋没した樹齢約500年のスギの大木の根(直径約2m)が水中と乾燥した状態で展示されていた。約2000年前のスギの原生林が海底に保存されていたため不思議に感動であった。
 次に魚津の米騒動跡地を訪れ魚津の女性たちの勇気に思いを馳せながら帰路についた。帰りは地上50mの新湊大橋を渡り日本海や遠くに見える氷見を望むなど思い出に残る1日であった。

◆叙勲!! 驚きと感動
                        会長 中西 美雄
 私は、去る平成25年11月3日のマスコミ報道などでご存知のように、「旭日双光章」というとてつもない大きな章を受けることができました。これは、一重に会員の皆様を初め多くの皆様のご指導とご協力の賜物であって、私の力ではないことだけははっきりと言い切ることができます。よって、それら多くの皆様に対し感謝の意味を込めて感想を書かさせていただきます。
 初めて本章の内定があったのは、8月のお盆過ぎだったと思います。宮田所長から「今日、県障害福祉課から秋の叙勲に内定したと案内がありました」と電話があり、「えー?? それなあに? どうして」と驚きの返事をしてからどたばた劇が始まりました。家の中でも「それって辞退できんもんけえ」とか「それもらってどうするがけえ」とか「皇居へもいかんにゃならんが」なんて驚きとも喜びともつかない会話が続きました。
 そうこうして一月(ひとつき)。9月20日過ぎに、富山県の石井知事より「このたびは旭日双光章の受章おめでとうございます」という知事自らの電話をいただき「えー、知事自ら?…」という感じで、この章の大きさを改めて認識しました。
 私は、県知事から電話をいただくまでは、褒章だとばかり思っていました。所長からは、「叙勲」であることは何回も聞きましたが、自身の中では「褒章」として受け止めていたのです。その後3日ほどして決定通知書とともに今後のスケジュールなどが届きました。その中には正式に公表されるまでは他言しないで下さいと書かれてありました。
 さて、この日から我が家はてんてこ舞い。まず、妻が口火を切りました。「私、足が痛くて歩けないから皇居へ付いて行けない」といいだしました。「家にこんないっぱい人間がいるのに他人様に頼むわけにはいかないよ」と説得したのですが、「日常を見ているとやっぱり無理かなあ」と思いました。家族で相談した結果、今年二十歳になった孫娘が付き添ってくれることになりました。
 宿泊ホテル、電車の切符、式服(モーニング)は? 最後になってお金は?? と話が進み、「金は?」、「そんなもんな天下の回りもんや」と大きな口を叩いたのですが、やっぱり一番の心配は金の有無でありました。
 10月に入り、さまざまな書類の提出、電車の切符、着衣などおおよその準備が終わったと思った10月25日の夜、「どこのホテルで泊まるがけえ」と問われ、「あっ、ホテルの予約忘れていたあ」と絶叫した。さあてどうしよう、孫娘にスマホで予約してくれるように頼んだが、26日の朝になって「じいちゃんどこも満員やわー」という。「そんなことあるわけなかろうが」といっても、「じゃあ、じいちゃんしられよお」という始末。
 やむをえず古い携帯で検索し、2・3軒探したところ、「赤坂エクセルホテル」というところを見つけ予約することができました。これで準備が終わったと思ったのも束の間。その日の午後から北日本新聞を初め取材の申し込みの電話。さらには東京や大阪、静岡、福岡などから叙勲のお祝いとともに祝賀会等での記念品のカタログが届き、県内業者からはわざわざ足を運んで売り込んできました。
 新聞の取材は28日の6時から北日本新聞社、ここは県内では一番販売数が多いと思われることと、同行援護やタンデムなどの取材をしっかりとしてもらったと認識していたのである程度時間に余裕を持って応じました。
 29日の3時からは朝日新聞、しかし、どういうわけか記者が来ません。4時になって富山支社へ問い合わせたところ、「時間にやりくりがつかなかったので」とあっさり。仕事の手を止めて待っているものの身にもなってもらいたい。
 6時に富山新聞、ここは思った通り短時間で済んだ。一日おいて31日の6時から中日新聞がやってきた。ここも短時間にと思っていたが、記者の態度が違っていた。真剣に向き合い、質問も芯を突いていた。私も乗せられて、いることいらんこと喋ってしまった。写真撮影では「ポーズを取ってください」と注文。「えー、それってどうすればいいがあ」、「お話しされるときは手でいろいろとポーズされるでしょ」という。私はお話をするときや挨拶をするときなど手を動かしたことはない。いや、そんなことをするとは思わなかった。ただ、右側の人、左側の人、中央の人に話しかけるように顔を動かす程度であった。それが、晴眼者であったら、手でいろんなポーズを取りながらお話しされているってことが分かり、自分の話が晴眼者の人たちに理解されているのかと少し不安になりました。
 いよいよ11月3日。自分の話したことがどのような記事になっているのか、興味津々で読んでもらいました。どの記事も取材内容に沿った書き方をしてありましたが、やはり中日新聞の記事が私の思いをしっかり伝えていたように思いました。このマスコミ報道をきっかけに、電話、メール、祝電など、多くの皆様からの祝福の言葉をいただき、感謝と感激に浸っておりました。
 11月5日、午前11時30分より富山県庁4階の大ホールにおいて、「叙勲の伝達式」がありました。初めに石井知事の祝辞の後、知事自ら受章者一人一人に「勲記と勲章」の伝達がなされました。勲記には「日本国天皇は中西美雄に旭日双光章を授与する 皇居において璽(じ)を捺させる 平成25年11月3日」と書かれ、内閣総理大臣安倍晋三と章勲局長の氏名と捺印があります。勲章は、幾度か文書による説明を試みましたが、文書化ができませんでした。
 我が家にてんてこ舞いが始まってから3ヶ月、年を重ねると時間の経つのが早いといいますが、こんな状態では加速して進むように思いました。
 今日は11月8日。朝6時44分のはくたかで皇居へ向かって出発しました。買い物に行ったり、ちょっとそこいらへ行くときはなんでもないように誘導してくれる孫娘も、緊張しているのか、越後湯沢駅で新幹線の座席に座った時に、安心したのか大きな溜息を付いていました。
 東京駅へは10時前に着き、前もって電話で10時半ごろにチェックインの許可を取っていたので、ホテルへ直行。部屋に入るなり、孫娘は大きな声を上げて「やったあー」と叫んだ。
 暫く休憩し、昼食を取り身支度をして厚生労働省の講堂へ向かい、前泊している富山県の受章者と合流。12時30分ごろから天皇に拝謁するための説明があり、国会開会中で出席できない厚生労働大臣の代理として厚生労働省の担当者の方から祝辞をいただいて、13時20分ごろ皇居へ向けてバス20台を連ねて出発しました。
 バスは、皇居山下門から入場し、豊明殿(ほうめいでん)の駐車場で停車すること30分、その間はバスから出てはいけないといわれ、ようやく豊明殿に案内されました。この間、厚生労働省から皇居までは厚生労働省の職員が、駐車場からは宮内庁の職員によって案内されました。
 豊明殿は相当大きな建物らしく長い廊下を歩き、エレベーターで2階に上がり、ふっくらとした絨毯が敷き詰められた大きな部屋へ案内されました。私が部屋に入ったのは最初のほうであったので、がらんとした部屋の感覚でその大きさや天井の高さなどが感じられました。
 初めに宮内庁の職員から、豊明殿の広さは約300坪であること。各所に使われている材料は44都道府県からの寄進によって作られていること。天井からは32個のクリスタル・ガラス製シャンデリアが下がっていること。床は幅7メートル、長さ37メートルの手織り絨毯を3枚合わせたものが敷かれていることなどの説明があった後、天皇の入室から退室までのお礼の仕方などについて説明がありました。
 2時40分になり、いよいよ陛下の拝謁が始まりました。最初に受章者代表の謝辞があり、陛下よりお祝いのお言葉がありました。そのあと、陛下は、受章者の並んでいる列の間を巡幸され、私の列の右側から会釈をしながら進んでこられました。そして、私の前で足を止められ「今日はおめでとう」と声をかけてくださいました。咄嗟のことなので、「ありがとうございました」というのが精いっぱい。続けて「長年にわたりお疲れ様でした」とおっしゃられました。「ありがとうございます。皆陛下のお導きでございます」とお返事を返しました。「職はなんですか?」とのお問いかけに「富山県視覚障害者協会の会長をしています」「ああ、そうですか。これからもがんばってくださいね。」とおっしゃって、私の手をふんわりと優しく握っていただきました。陛下の御手は、大きくて実が厚く、柔らかな感じがしました。「では、お体を大切に」とお言葉を賜り放心状態になったように思いました。陛下はそのまま左へお進みになられ退室して行かれました。陛下との会話はほんの1分ぐらいだったと思いますが、私にとってはもっと長く貴重な時間に感じられました。
 「これで終わったあ」と背伸びをする間もなく、協会の執行部の皆さんが私の受章を祝って祝賀会を開催すべく発起人会を立ち上げて準備をしてもらっているからです。日は12月22日。私も親せきや日ごろお世話になっている人達を招待し、ともに祝賀の宴を盛り上げたいと思い、招待状の発送などの準備が待っているからです。
 12月22日は、曇空ながらも厳しい寒さの中を、会員の皆様を初めとして、なんと100名を超える多くの皆様にお集まりいただき、あのように盛大で華やか、そして且つ厳粛な祝賀会を開催していただきましたこと心より嬉しく思っておりますとともに深く感謝いたしております。本誌上を借りて厚く御礼申し上げます。
 最後に会場において、以下のような素晴らしい俳句の提供をいただきましたのでご紹介させていただきます。
 「金屏風(きんびょうぶ) 薫る祝賀(かおるしゅくが)の 胡蝶蘭(こちょうらん)」   一子

◆富山三つ星山の会より
       富山三つ星山の会 事務局長 桐井 英志(きりい ひでし)
 視覚障がい者のアウトドア活動を支援する「富山三つ星山の会」の活動に対し、多くの協会員の方々よりご理解とご協力を賜り、活発な活動を展開させていただき深い感謝を申し上げます。
 25年度を振り返りますと本県開催の全国大会以来7年ぶりとなる立山登山の成功、春秋のバスハイクをはじめ、登山、ハイキング、スキー、スノーシュー、懇親会、各種招待、ボランティア大会の音楽活動まで県外、公募等を含め自然に親しみ楽しく交流を図り、好評を博しました。
 また「視障者ケアネットワークとやま」の一員として視障協、学校、社協等の行事を支援させていただきました。当会の26年度事業計画並びに投稿いただいた会員よりの心温まるエッセイを紹介します。
 今年は、第14回全国大会が東北復興支援を兼ね、福島にて開催されるなど、県外団体との積極的な交流、長年に渡り培った技術・経験を活用する登山や皆様の要望に応え一般公募を含むバスハイク、視障者が初挑戦するジップラインなどソフトコースを中心に魅力・特色あふれる内容となっています。一緒に郷土の豊かな自然を楽しみませんか?皆さんの参加を心よりお待ちします!なお、下記予定は変更となる場合があります。何なりと問い合わせ下さい。今後とも宜しくお願い申し上げます。

☆平成26年度事業案
 4/7(日) 総会・新湊大橋(サンフォルテ・ライトレール・越(こし)の潟(かた)フェリー・万葉線)
 4/29(祝) 南保富士(なんぼふじ)・七重滝(しっちゃたき)・三峯(みつみみね)グリーンランド(世界遺産記念)
 5/18(日) 奥裾花(おくすそばなばな)自然園・戸隠(とがくし)神社(水芭蕉)
 6/29(日) ジップラインアドベンチャー立山(瀬戸蔵山(せとくらやま)・大品山(おおしなやま)・極楽坂山(ごくらくざかやま))
 7/20(日) 飯縄山個人山行(さんこう)(新潟あいゆー山の会)
 7/27(日) 奥大日岳(おくだいにちだけ)(雄山・室堂乗越(のっこし)弥陀ヶ原(みだがはら))
 8/30(土) 暑気払い(富山第一ホテル食べ飲み放題、余興)
 9/14、15(日、祝) 第14回全国大会(磐梯山(ばんだいさん)・安達太良山(あだたらやま)・五色沼(ごしきぬま))
 10/18(土) 第26回富山県民ボランティア・NPO大会(グランドプラザ)
 10/26(日) 僧ヶ岳(そうがだけ)・越中駒ヶ岳(こまがたけ)または頚城(くびき)駒ヶ岳3県交流登山(干支記念)
 11/2(日) 塩の道大野コース個人山行(新潟あいゆー山の会)
 11/9(日) ハゲ山・花の家(眼目山(がんもくざん)立山寺(りゅうせんじ)・大岩山日石寺(にっせきじ))
 12/13(土) 忘年会(富山地鉄ホテル食べ飲み放題、余興)
 2/15(日) スノーシュートレッキング雪上ネイチャーゲーム(立山山麓)
 3/14(土) 冬季例会(とやま健康パーク・イタイイタイ病資料館)
※スキー(ブラインド)講習会(立山山麓スキー場)は実施日未定

☆信州バスハイク(10月例会)に参加して
                    牧野 清美(まきの きよみ)
 次々に来る台風に半ば諦めの気持ちで参加した例会でしたが、目的地が近づくに従って少しずつ天候が回復してきました。途中からは台風のこともすっかり頭から消え去り1つ1つのスケジュールを予定通りこなすことができて本当に良かったです。
 「普段の三つ星で味わう楽しさとは違って、今日は知らなかった事柄をたくさん勉強したなあ」そんな思いがしました。また、例会参加者の中のとてもかわいい2名の会員が、年を重ねた会員に楽しい時間をプレゼントしてくれました。
 地獄谷(じごくだに)野猿公苑(やえんこうえん)は、温泉に入るお猿で有名な場所。猿に出会うまでの道には、落ち葉やどんぐりの実が落ちていて、台風の影響でたくさんの葉っぱが絨毯を敷き詰めるかのように散らばっていました。「途中の木々にはアカゲラがいますよ」とか「こんな鳥がいますよ、見つけてみましょう」とかそんな看板が取り付けられていました。
 看板の中に「今はお猿の発情期なので近寄らないように」そんな注意書きの看板もありました。猿山には160匹いて、ボスは1匹だけだそうです。色んな質問に答えて下さいました。一番気になっていたことは「温泉に入った後、湯冷めして風邪をひかないのだろうか」ということでした。説明して下さった方からは「大丈夫です、動物の体は外気温と体温の調節をうまくできるようにできているから何の心配もない」ということでした。
 2匹の猿が気持ち良さそうにお風呂に入っているところを見ることができました。2匹は1匹が背中を向け、1匹がその猿の毛繕いをしているのです。それが終わるとお湯から出て、毛繕いしてもらっていた猿が「これ以上、楽なスタイルはない、極楽、極楽」とでも言いたいように全身リラックス、手足を伸ばせるだけ伸ばして、毛繕いしてくれた猿の横に寝そべっている姿は「本当にこちらまでが幸せな気持ちになったね」と亀田さんとホッコリした気持ちになりました。猿は年に一度、春に出産し、今年生まれた半年位の小猿がとてもかわいくて、いつまで見ていても飽きなかったです。
 お昼は小布施の栗おこわでした。少量ずつのおかずにきのこ汁、お蕎麦、辻堂さんからのみかんのデザート、おなかが満たされました。
 松代(まつしろ)象山(ぞうざん)地下壕。戦後生まれの私にはこんな大変なこと、戦争が終わろうとしていた昭和19年11月から地下が掘り出されたこと、蟻の巣のように地下に道ができて、戦争が長引いた場合にはここに色んな行政機関ができ、天皇陛下も象山の地下に住まわれることになっていたこと、本当にびっくりする話ばかりでした。知らないことが本当に多いなあ。天皇陛下のために掘られた地下は今、地震観測をする施設になっているとのことでした。
 ここからは2つのコースに分かれます。私は、ハードコースに参加し、象山登山は12名で出発しました。私の前サポートは亀田さん、後サポートは入江さんです。事前に教えていただいていた通り登り口は急登でしたが、お昼をしっかり食べていたので何とかその場所を登ることができたと同時に、だんだん暑くなってきて暑さのためしんどい感じとなり、1枚脱ぎ、風を感じながら頂上に無事、予定時間内に到着、山頂は周りを見渡すことができました。
 下りは「少しだけ楽な道だよ。登りは9登、下りは6登位かな」山村さんのそんな言葉を頼りに下り始め、距離が短いこともあり無事下山することができました。佐久間象山を奉ってある象山神社にお参りした後で潟淵(かたぶち)さんに聞いたのですが、七五三のお参りをしている子どもがとてもかわいかったそうです。
 松代の街中は昔の武家屋敷を想像させるかのような白の壁を黒の縁取りで作られた塀が家並みを飾っていました。「時間がゆっくりと流れていくんだな」そんな思いがしました。
 1日中サポートして下さった亀田さん、ありがとうございました。亀田さんと話していると新湊のことがより懐かしく、時には新湊の住人に戻られることが何となく嬉しく思います。

《事務局から》
◆消息、訃報
 池永(いけなが) 和義(かずよし)氏(高岡市) 9月 逝去
 室(むろ) 清志(きよし)氏(朝日町) 11月 逝去
 川口(かわぐち) 正夫(まさお)氏(氷見市) 11月 逝去
 瀬谷(せたに) 芳江(よしえ)氏(富山市) 12月 逝去
 本間(ほんま) 惠美子(えみこ)氏(射水市) 12月 逝去
ご冥福をお祈りいたします。

◆受賞
旭日双光章
 中西(なかにし) 美雄(よしお)氏  H25.11.3
黄綬褒章
 山田(やまだ) 喜美子(きみこ)氏  H25.11.3
県知事表彰(社会福祉事業活動者)
 塘添(とうぞえ) 誠次(せいじ)氏  H25.11.8
県知事表彰(自立更生者)
 田辺(たなべ) 光弘(みつひろ)氏  H25.11.8
受賞おめでとうございます。

◆時事暦(7月~12月)
7月7日(日) ボランティアと利用者交流会「富山県教育文化会館・高志の国文学館」  利用者43名 ボランティア62名
7月14日(日) センタークリーン作戦 約40名
8月18日(日) 第62回点字競技会・第14回パソコン競技会 点字競技 19名・パソコン競技(携帯電話含む) 7名
8月28日(水)~30日(金) 第59回全国盲女性研修大会(山口県・海峡メッセ下関) 2名
9月7日(土)・8日(日) 宿泊研修〔視覚障害者と家族激励大会・山岳歩行訓練・研修会〕(富山市 ゆーとりあ越中)
 講演「北陸地域における水力発電の歴史」 講師 北陸電力株式会社 土木部水力室水力電気チーム 課長代理 鴻野隆司氏 78名
9月21日(土)~23日(月) 第59回全国盲青年研修大会(静岡市・静岡グランドホテル中島屋(なかじまや)) 3名
9月22日(日) 第13回富山県障害者スポーツ大会〔フライングディスク競技会〕(県総合運動公園)
9月末  会報「ゆきしろ」第68号発刊
10月6日(日) 第37回視覚障害者文化祭・福祉機器展 講演「白萩隕鉄と流星刀 ―その謂われ」 講師 富山市科学博物館付属富山市天文台 主幹学芸員 布村克志氏 会員105名 ボランティア44名
10月12日(土)~14日(月) 第13回全国障害者スポーツ大会(東京都) 1名
10月19日(土)・20日(日) 第22回北信越サウンドテーブルテニス大会(石川県) 9名
10月20日(日) タンデム自転車体験会(県障害者スポーツ活動活性化事業) 会員25名 ボランティア10名
10月27日(日) 第39回富山県視覚障害者球技大会〔グランドソフトボール・サウンドテーブルテニス〕(西田地方小学校・センター)
11月4日(月) とやまふれあいフェスティバル(グランドプラザ) ボランティア4名 職員6名
11月10日(日) 第13回富山県障害者スポーツ大会〔卓球競技〕(県総合体育センター)
11月17日(日) 三療研修会(センター) 講演「認知症について」 講師 富山市長寿福祉課地域ケア推進担当主幹 岩田大史(だいし)氏 約30名
12月1日(日) 富山県視覚障害者協会創立70周年記念式典・更生相談会(記念講演)・祝賀会(プレブラン高志会館) 講演「富山県置県130周年を迎えて」 講師 富山県民生涯学習カレッジ学習専門員 富山近代史研究会 会長 竹島慎二氏 約140名
12月3日(火)~9日(月) 障害者週間
12月22日(日) 中西美雄氏 旭日双光章受章記念祝賀会(ホテルグランテラス富山) 113名

◆平成26年度の主な行事予定
4月20日(日)第14回富山県障害者スポーツ大会〔水泳競技〕(東富山温水プール)
5月10日(土)出会いと語らいの集い(福井県)
5月11日(日)第14回富山県障害者スポーツ大会〔陸上競技〕(県総合運動公園陸上競技場)
5月17日(土)・18(日)第41回北信越グランドソフトボール大会(石川県)
5月25日(日)理事会・評議員会(センター)
5月29日(木)~31(土)第67回全国盲人福祉大会(大分県)
6月8日(日)支部長会・定期会員総会(センター)
7月6日(日)ボランティアと利用者交流会(富山県中央植物園)
7月20日(日)センタークリーン作戦(センター)
8月24日(日)第63回点字競技会・第15回パソコン競技会(センター)
9月6日(土)・7日(日)宿泊研修〔視覚障害者と家族激励大会・山岳歩行訓練・研修会〕(氷見市)
9月 第60回全国盲青年研修大会(岩手県)
9月7日(日)~9日(火)第60回全国盲女性研修大会(東京都)
9月14日(日)第14回富山県障害者スポーツ大会〔フライングディスク競技〕(県総合運動公園)
9月28(日)第14回富山県障害者スポーツ大会〔卓球競技〕(県総合体育センター)
9月末 会報「ゆきしろ」第70号発刊
10月5日(日)第38回視覚障害者文化祭・福祉機器展(センター)
10月19日(日)タンデム自転車体験会(県障害者スポーツ活動活性化事業)
10月26日(日)第40回富山県視覚障害者球技大会〔グランドソフトボール・サウンドテーブルテニス〕
11月1日(土)~3日(月)第14回全国障害者スポーツ大会(長崎県)
11月16日(日)三療研修会(センター)
11月23日(日)・24日(月)第23回北信越サウンドテーブルテニス大会(富山県)
11月29日(土)・30日(日)北信越ブロック会議 代表者会議・青年部協議会・女性部協議会(長野県)
11月 出会いと語らいの集い(未定)
12月3日(水)~9日(火)障害者週間
12月7日(日)更生相談会・結婚相談室・意見交換会(センター)
―平成27年―
3月29日(日)理事会・評議員会(センター)
3月末 会報「ゆきしろ」第71号発刊
◎通年事業
・点訳、朗読奉仕員養成研修事業、外出介護サービス指定事業者情報提供事業、生活訓練事業、盲導犬育成事業、結婚相談事業、福祉機器相談事業、三療研修会、IT推進員派遣事業。

《編集後記》
                     文化部 部長 上坂 敏彦
 春風吹いて暖かくなり、桜咲くけどほこりも舞うよ。
 さて、協会にとって平成25年は、大きな行事が目白押しでした。とりわけ、創立70周年記念式典は、みんなで祝い、新たな節目の年とも成りました。
 明けて26年、高校サッカーが北陸旋風を巻き起こし、年度内には新幹線の開通と、北陸が注目されそうですね! 新しい施設や条例などにも目を向け、住みやすい環境作りのため、みなさんの意見や知恵をお貸し下さい。
 次号「ゆきしろ」70号となります。投稿お待ちしています。「ゆきしろ」は、みなさんの手で作られております。


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